2009/12/31

スペインのワインとネギ鶏・北海道ソーセージ

2001年産のカスティーリョ・モンフォルト・グラン・レゼルバ。

説明によると、樽熟成24ヶ月、瓶熟成36ヶ月を経た赤ワインで、2001年がVeryGoodと評されているヴィンテージだそうだ。スペイン産なのでこのビンテージでもお手ごろな1344円。

あいにく、少し風邪気味なのでハッキリとした味覚でなかったのが残念だが、非常に飲みやすい。ボルドーのような渋みはなく、こなれた感じですいすい飲めた。

料理のほうは、栗原はるみさんのレシピでうちでも定番の「揚げ鶏のねぎソース(略してネギ鶏)」。

それと、もう何度も紹介している「歩人(ほびっと)」さんの手作り無添加ソーセージたち!

飲んで風邪を吹き飛ばしたいところだ(風邪でなくても飲むのだが)。

【今日の言葉041】

お客さんが食べたがらないラーメンを出し続けておきながら、「お客が来ない」「不景気だ」と言う、その人間性が人気ないのだ。



#斎藤一人「微差力」より。

 ほんとうに相手は品質工学を食べたがっているのか、味付けは適切なのか自問させられる言葉でした。 まずは自分の人間性から。

2009/12/30

【今日の言葉040】

70%の自信が日々の勇気をくれ、30%の不安が努力を与えてくれる。

#島田紳助が自分の経営する店の壁にかかげた自筆の言葉。

2009/12/25

ジャン・マリー・トリボー・ブリュット(Jean Marie TRIBAUT Brut)

クリスマスということでシャンパーニュを買ってきた(普段は発砲といえば普通のスパークリングワインだ。いや、もっと頻度が高いのはハイボールだけれど)。

表記のシャンパーニュが行きつけの酒屋の会員特別価格で2480円。
数々の賞に輝くTRIBAUT BRUT TRADITIONのセカンドラベル的存在なのだとか。
ピノノアール主体で、36ヶ月の瓶熟成。

キンキンに冷して飲んでみると、たしかに切れ味もきめ細かさも香りもいい感じ。
バランスがよくてすいすい開けてしまった。

写真は例のスモークチキンと、ホウレンソウとベーコンのトマトパスタ、タコとセロリとポテトのマリネ(定番^^;)。シメは6歳の娘がホイップといちごを飾りつけたガトーショコラを。

さて、今度はスモークチキンの骨でとったスープで雑炊かな。

【今日の言葉039】

足を引っ張る人というのは、実は、あなたの決意を試してくれる存在なのだ。

#コンサルタントでありベストセラー作家である神田昌典氏の言葉。
 「お金と英語の非常識な関係」より。

2009/12/21

オー・メドック CHボーモン'06

近くの酒屋の特別会員割引のお知らせに惹かれて、ちょっと高級なワインをゲット。
円高の影響もあって、ボルドーのオー・メドックAOCワインが1690円!!

抜栓してしばらくたってからの味は、シッカリしていながらまろやか。
1杯目より2杯目、それより3杯目にいくにしたがってどんどん飲みやすくなる。

食べ物のほうはシンプル。塩漬けのチキンにアボカド・トマト・オニオンのサラダ。
それにアンチョビとキャベツのパスタ。
ちらっと見えている揚げ物は昼の残りのエビカツ。

実は、同じ日にシャンパーニュもほぼ半額でゲットした。
クリスマスに、以前紹介した歩人(ほびっと)のスモークチキンと一緒に飲むつもり。
報告は追って!



【今日の言葉038】

「自分の手で物を作らないから、人生がつまらなくなってしまうのだ」

#中村修二(青色LEDの発明者)の言葉。
 028,029,033とこの手の言葉が多いのは、何度も自分に言い聞かせるため(笑)。

2009/12/19

コート・デュ・ローヌ ジャン・ダヴィド

友人の内祝いでいただいた、コート・デュ・ローヌ産の赤ワイン。

生産者はジャン・ダヴィドとかいてある。祖父の時代からオーガニックにこだわってきたとのこと。

味はミディアムでナチラルといったところで、ボルドーのようなある種のえぐみはない。すいすいイケる感じ。

写真に写っているグラスは本来こういうワイン向きじゃないのかもしれないけど、今年の夏に小樽の北一ガラスで買ったもの。クリスタルガラスに、プラチナのふちどりという高級品!をアウトレットということで半額でゲットしたもの。

阪急伊丹駅のほどちかくに、但馬牛専門の小川屋という肉屋があるのだが、そこの牛もも肉のステーキを愛用している(100g換算で1000円しないと思う)。最近はサーロインとか脂っこいのがダメなので、赤味のステーキがお気に入りなのだ。ワインもすなわち、ミディアムあたりがあう。

つけあわせは、これも最近気に入っている、タコとセロリとポテトのマリネ。

それに、ドライトマトとバジルとチーズを使ったフォカッチャだ。ドライトマトの塩梅がワインにちょうどいい。

家で食べるとこれくらいのメニューでも結構、手ごろな出費でいただけるので是非。



2009/12/16

【今日の言葉037】

 「マイペース」を持っていない社員は伸びない。ただしここでの「マイペース」とは自分の価値観にしたがってペースを守るといった意味である。怠惰で易きに流されるといったような意味ではない。自己の価値観に従ってマイペースを貫くには、上司と同僚を納得させるだけの能力と実績が求められるのだ。

#この「今日の言葉」のコーナーはこれまで読んだ本や他のメディアから拾っておいた気になる言葉を紹介しているのですが、不思議と今の自分気持ちにフィットする言葉が、何の拍子かリストの中から発見できて、新鮮な思いをするのが不思議です。堀場雅夫「仕事ができる人 できない人」より

2009/12/15

【今日の言葉036】

「おだやかな人生なんて、あるわけがないですよ」
スナフキンが、ワクワクしながらいいました。

#「楽しいムーミン一家」より。

2009/12/09

【今日の言葉035】

動物の生態系のバランスは、単なる弱肉強食でなく、質や個性の多様性によって保たれている。優れた質、優れた個性は栄えるが、そうでない者は淘汰される。いわば、適者生存の競い合いだ。
生き残れる者は、最も強い者ではなく、最も環境の変化に対応した者なのである。

# 花王(株)元社長 常盤 文克「『知の経営』を深める」より。
 変化に対応できるのはロバストということであり、風が吹いても折れない柳のような強さが、人間にも技術にも必要ですね。

2009/12/06

【今日の言葉034】

私たちは、意味は解るがつまらないものよりも、意味は解らないが面白いものを目指すようになった。正確に言うと意味が無い訳ではない。伝えたいメッセージが一言で言えるような単純な事ではなく、言葉では表現出来ないような複雑な感覚であるという事だ。その感覚を正確に人に伝える為には、自分の中の漠然とした複雑な感覚を誰にでも解る具体的な"見えるもの"に変える作業が必要で、それが、芸だと私は思っている。

#爆笑問題・太田光の言葉。
 意味深遠な田口フィロソフィーをいかに分かる言葉で伝えられるかが、QE推進者の「芸」ですね。

2009/12/02

【今日の言葉033】

 「『ほぼ日』が楽しいのは、請負仕事じゃなく、自分でやると決めた仕事だからだと思う。誰のためでもないし、お金のためでもなく、ただ面白いから自分のためにやっている。自分のアイデアを自分自身で試せるし、さらには失敗する権利も持ってるんですよ。それってすごい手応えがあるし、ハッピーですよね」

#「ほぼ日刊イトイ新聞」糸井重里の言葉。

2009/11/30

【今日の言葉032】

 情報システムを構築するときは、まず「何のためか」という目的が最初にあって、情報システムはその考え方を実現する多くの手段のうちの一つにすぎない、という、情報システムに関する目的論的な考え方は完全に間違いです。よく言われるように「金づちしか持っていない人にはすべてが釘の頭に見える」ということです。新しい道具を持つことで初めて見えてくる目的や問題もあるのです。情報システムは単なる道具ではなく、利用者に思考の変革を迫ることもあるのです。

#”情報システム”を”品質工学”と置き換えてもまったくそのとおり読めてしまいますね。
 1970年代生まれのためのエッセー集「Think or Die」より

2009/11/25

【今日の言葉031】

 多くの手間をかけなければならなかったから高い値段がつくのではなく、人々に必要とされているものだから高いのだ。
今やガソリン1リットルとの値段と、ミネラルウォーター1リットルの値段はほぼ90円で等しいという現実がある(しかもガソリンの値段のうち60円は税金である)。

#田口先生も「一生懸命働いたけれど,その成果がゼロだった時,その人の仕事量はゼロと考えるのである。仕事量は出力で測るべきで(力×時間)のような入力で測ってはならない」と仰っていましたね。
 ニーズに応えることこそがプロの仕事といえそうですね(ガソリンの値段は今は少し上がっているけれど)。
 「金持ちサラリーマン」より。

2009/11/24

京都・ル・サルモンドールと高台寺ライトアップ


 子供を預けて夫婦で京都に行った。今年は気温が高いのか、この時期でもまだ紅葉しきっておらず、色もまだら、このまま枯れてしまうのかという感じだった。

 昼は以前このブログでも紹介した、ワインとフレンチの京風町屋レストランの「ル・サルモンドール」。


今回のワインは、グラスで白がブルゴーニュ、赤がボルドー2002だったが、おまかせだったので詳しい銘柄は忘れてしまった(ぉぃぉぃ・・・ブログの趣旨が・・・)。

 やはりここは料理めあてということで、左上がオマールえびとかぼちゃのスープ、右上がフォアグラの大根・きのこ添え、左下がイトヨリとブロッコリーのバジルソース・タプナード添え、左下がメインで鴨ローストの京野菜いろいろ添え。これにパン3種とデザート(りんごのクレームブリュレとラムレーズンアイスクリーム)にコーヒー、お茶菓子がついて、5250円(税込み)。
 これまでペースト状のアン肝のようなフォアグラしか食べたことがなかったが、これはまさにクセのないフグの白子のよう(でもプリン体が・・・あぁ)。あと、メインの付けあわせだった京野菜の美しいこと、甘いこと。。
 夜は高台寺(清水寺のすこし北より)の紅葉のライトアップを見に行った。入門するのにも大変なすごい行列だったが、なんとか1時間待ちで中に入れた。

 三脚禁止なので夜景撮影には厳しかったが、なんとか人波を掻き分け、池のまわりの杭の上にカメラを固定して 、それらしい写真を撮ることができた。最近みた景色の中では最高だった。








【今日の言葉030】

 自分の最終的なゴールや次の目標にこだわるよりも、自分の目の前に現れたチャンスを活かす。脈略がなくてもいいから、面白いと思ったら次にはそれをやってみる。仕事で生まれる人間関係をうまく活かすということも重要です。キャリアというのは社内、社外問わず、人と人との出合いによって広がっていくという部分もあります。

#この10年間、キャリアというものをそれほど考えずに、目の前のチャンスを生かしながら、人脈も広がってきたように思います。「プレジデント」より引用。

2009/11/20

【今日の言葉029】

 仕事が与えられるものだと思っているうちは面白い仕事を探すことになってしまいます。が、自分で作るものと発想を変えて、面白い仕事を作ってしまえばいいのです。自分で面白い仕事をつくっていくと、その後に残った面白くない仕事は、なるべく仕事を避けて面白い仕事をただ待っていた人に回っていくわけです。

#雑誌「プレジデント」より

2009/11/19

【今日の言葉028】

 若者が活力を持つためには社会から馴致(飼い慣らし)されないこと。それには自分で自分の倫理を手製でつくりあげなければならない。整然と堅牢にである。でなければ社会に負かされ葬られる。

# 司馬遼太郎の言葉。

2009/11/18

【今日の言葉027】

 読書量の多い人は、経験がなくても短期間で開発作業の勘所をつかみ、質の高い作業を行える。
 事前に覚えておけることには限りがある以上、より求められるのは沢山知っていることではなく必要が生じたときに説明を読んで理解できることだ。

#と、いうことで少しは乱読も雑学以上の役には立っているのでしょうか。
 メールマガジン「インターネットを読み解く」より

2009/11/16

品質工学入門10周年

 今月で初めて品質工学の存在を知って丁度10年になる。99年11月に、機械学会関西支部のセミナー(TM, TRIZ, QFDの概要が2日で分かる、といったような内容だったと思う)で、Kazz先生こと原和彦先生の講座でタグチメソッドを知ったのだ。

 上司からの勧めで聞きに行ったのだが、タグチメソッドといっても実験計画法のことだと漠然と思っていた。しかしその先入観は原先生の最初の一言で打ち砕かれることになる。

 「あなたがたがやっているのは技術開発ではない!」

 衝撃を受けた。いったいタグチメソッドとは何なんだ!?先生の話はツカミだけでは終わらない。下名が最も衝撃を受けたのは、技術工学で経済性が扱えることだ。つまり、損失関数に魅了された。こんな考え方があったのか!!(・・・しかし、損失関数の本当の意味や、それを実社会で運用する大変さは後ほど痛いほど分かってくるのだが、それはまた別の話・・・)

 損失関数だけでは話は終わらない。コンデンサの評価の例だったか、たくさんの品質特性を評価しなくても基本機能を考えれば1つの特性で評価でき、改善も1つの特性でできるだと・・・? しかもSN比という指標で比較すれば、短時間で寿命に匹敵する評価もできるとは・・・。 なに?直交表という実験の組み合わせの表を使うと、たくさんの因子を一度に評価できるだと・・・? それなら、今やっている○○の仕事はこれを使えばうまくいくのではないか・・・??

 ちょうどタイミングがよかったのだろう。この頃、下名は生産技術の研究所にいて、製造現場と量産品を相手に四苦八苦していたのだ。頭も使うが、とにかく5ゲン主義、足で稼ぐ仕事だ。そのなかで得たことももちろん多かったが、それでも悪い言い方をすでば、問題が発生してからの場当たり的な対応が多く、それに漠然と疑問を感じていたのだ。もっと、見通しよく仕事を進められないものか。。。

 そのような、漠然としつつも問題意識が芽生えていたことと、製造現場でばらつきと悪戦苦闘していたこと、そして生来のシステマチックな考え方が好きなこと、そして原先生の一撃が化学反応して、いっきに品質工学の道に魅了されていった。その日のセミナーが終わるや、梅田の紀伊国屋ですでに「品質工学講座1」を手にした自分がいたのだ。とにかく、もっと知りたい一心だった。

 それから10年、試行錯誤と独学で品質工学を学んだ時期、研究会や学会に参加して切磋琢磨した時期、会社で組織を立ち上げ開発・普及に精を出す現在・・・その時々でレベルや考え方も少しずつ変わってきたが、それでも10年間全くこれでいい、と思えることなく、またほかの方法論も勉強するけれどそちらに浮気することもなく、まだまだ勉強の日々が続いている。

 今後も品質工学を続けていくことになると思うが、得たものの中で一番かけがえのないのは、社外の人脈である。高名な先生方や著者の方からいろいろ教えていただいたり、励ましを頂いたり、また楽しくも厳しい研究会の仲間と切磋琢磨したりできることは、1つのことを少なからず突き詰めてきたからだろうと思う。 またそうすることで、ほかの分野の技術や手法、哲学的な考え方にも自然と興味がもてるようにもなった。

 品質工学は「道」であり、生涯学習であると感じている。

2009/11/15

【今日の言葉026】

最高の笑いは、自分に自信があるために、自らを笑うことのできる人の笑いである。





#もし、自分を笑うことが出来れば、どんな悩みも和らぎますね。

 オグ・マンティーノ「人生を語る」より。

2009/11/14

【今日の言葉025】

自分のためだけに、心の狭い楽しみをひたすら追い求めた結果訪れる幸福は、次元の低い幸福だけです。

広い考えを持ち、自分ばかりでなく世の中の他の人々にも関心を示して初めて、次元の高い幸福を手にすることができるのです。



#品質工学を楽しみとしてライフワークにできるといいですね。
 英国の作家 ジョージ・エリオットの言葉。

2009/11/12

「設計科学におけるタグチメソッド」レビュー


 遅ればせながら2008年10月発刊の、「設計科学におけるタグチメソッド」(椿広計, 河村敏彦著)を読んだ。
 前半はタグチメソッドの統計学からの解釈であるが、異なる表現方法でタグチメソッドを眺めなおすと、自分の知識を再整理するのに役立つだろう。タグチスト向けへの配慮ということもあるのであろう、難解な数式の羅列という印象ではなく、統計の門外漢の下名でもなんとか筋を追えた(2重非心F分布が出てこなくてよかった・・・)。

 後半は著者らによる新しいモデル(乗法モデル:y=εβM、2乗対数損失関数、その損失関数にもとづくSN比)の提案である。非常に大雑把に言えば、品質工学では β^2/σ^2 の対数をとることでパフォーマンスの測度加法性を確保していたのに対して、著者らの提案は、各データをそれぞれ信号値で割った誤比つきの傾きε・β(有害成分)にしたものと、、傾きβの幾何平均(有効成分)の比を考え、その対数の二乗和で損失を総合する尺度である。これはSN比が無次元化でき、信号のスケールの影響を受けない。また、βの変化率の対数の世界で、2次損失関数と整合する。

このようなSN比は、
 (1)新しい機能モデルや損失関数の定義からスタートしていることや、
   そのことによるこれまでの事例との整合性の問題や、
 (2)データ数の違いによる影響
   (1/(nm-1)で割っているので少なからず影響を受ける)、
 (3)信号・出力が小さいところでのβ(本書ではy'ij)の精度の問題
などの課題が想定されるが、筆者らの仮定にもとづく論理展開は明快であり、一定の妥当性はありそうである。

 本書の中でも強く賛同したのが、6章(p.173~)における最後のくだりである。
「この種の方法論(ここではタグチメソッドのこと※下名注)全体が依拠している原則を仮説することで、パラメータ設計は自律的に進化可能になると考える。 また、これらの原理を前提とすれば、タグチメソッド自体を設計科学的に検証する方法論も確立できる。(中略)このようなことをはじめなければタグチメソッドの方法論的進化のPDCAが回らないのではないか・・・」

 品質工学の考え方が独善的にならず、反証可能なものであるためには、新しい提案に対する評価方法(メタ評価技術)の研究が期待される。これは現在のRQESの課題といってもよいと思う(これについては後日)。

 宮川先生の著書同様、品質工学に対する深い見識に基づいて著されたものであり(と下名が評するのも僭越であるが)、「統計家嫌い」の諸氏にもご一読を勧めたい。

【今日の言葉024】

対人態度=表情×55%+音声×38%+会話×7%



#まず表情だけでも何とかしてみると、そのうち全体がなんとかなってくる・・・かも。

2009/11/11

【今日の言葉023】

真の幸福は現在を楽しむことだ。希望や不安で気を散らせ、ひたすら将来に望みを託すのではなく、無欲であることで自分がすでに十分持っているもので満足し、泰然自若として暮らすことだ。



#古代ローマの賢人セネカの言葉。

2009/11/10

【今日の言葉022】

自分の人生の恵まれた点を列挙し、それに値段をつけてみると、自分がどれだけ豊かか、どれだけ有利か気づくはずである。

#オグ・マンディーノ「人生を語る」より。

2009/11/05

「品質工学の定義」の向こう側へ

 田口博士の「品質工学会の役割は、品質工学を定義することです」なる課題は、品質工学会(以下RQES)発足時の田口博士の言葉であり、現在もなおRQESの活動のより所となっているようである。

 この言葉の真意について、下名は以下のように考えるようになった。まず、どんな学会でもよいが、たとえば物理学会が、物理学の定義をその目的とすることはない。物理学とは何かが定義された上でそれについて研究するものが集うのが物理学会であろう。なので、学会外部の定義によりある程度明確なものを、その名称をもつ学会で定義する、しかもそれが自己目的化するというのは、循環論法である。田口博士がそのような無意味な発言をするとは考えられない、真意は何か?というのがこの論考の主題である。

 現在のRQESにおいては、田口博士が意図したことを忠実に実践・検証していくことに重きが置かれている。第一レベルでは田口博士の提案した方法論(これをタグチメソッドと言ってもよいがMTシステムも含めてよい)の実践と検証であり、第二レベルではその方法論を逸脱しない範囲でブラシアップする評価技術の改善、第三レベルではマネジメントを含めた社会への品質工学の実装とそれによる社会的損失最小化への貢献、であろうと思われる。

 しかしこの枠組みではすでに「品質工学」とは「田口博士の提案した方法論で、その内容は云々」という定義から外に出ることはなく、教科書的には定義は自明なのではないかと思われる。MTシステムに代表されるように、方法論がカタログ的に今後も増えていくことはあるだろうが、「田口博士の提案した方法論」枠組みは変わらない。

 よってこの方向性を続ける限りは、田口の方法論として(少なくとも形式的には)自明なものをその名称をもつ学会で定義するというのは、冒頭で述べたように循環論法になっている。ここが疑問の種である。

 一方、田口博士の提案した方法論をたたき台としてもっと上位の目的、つまり田口博士ありきではなく、よりよい(「よさ」の定義も含めて)品質評価技術の確立という目的に向けて研究していくのが、田口博士個人を超えたRQESの目的だ、という方向性も考えられる。

 そこで必要になるのは、田口博士の提案とそれ以外の提案を比較するための、評価技術の評価技術(メタ評価技術)である。この場合、従来田口博士が提唱してきたところの品質工学の範囲を広げて考えることになるので、RQESで新たに「品質工学を定義すること」を議論することに意味が見出せ、それはとりもなおさず新しい評価技術へのさらなる進展であり、メタ評価技術の創出になっていくのではないだろうか。

 この方向性をもってしても、田口の哲学である社会損失の総和の最小化の哲学や、ましてや田口博士のこれまでの輝かしい実績が否定されることはないと思うのであるが、いかがであろうか。


#念のため注意:ここでは、下名らが提唱するエネルギー比型SN比がその新しい評価技術を担うなどと論じるつもりはない。よい評価技術とは何でそれを判断する枠組みや、そのような議論が出来る俎上がまず設定されるべきではないか、という論である。

2009/11/04

【今日の言葉021】

大きなことを言って失敗しても「ごめんなさい」と謝ればいい。
「失敗したら恥ずかしい」と卑下するのはつまらない見栄やプライドのため。

#反省なく同じ間違いを繰り返すのは考えものですが、「未来志向」と割り切っていくことが大切ですね。

2009/11/03

【今日の言葉020】

悩むより前に行動してしまうと、状況が変化して改善していく。

#とにかく、具体的に行動すれば、具体的な結果が出ますね。

2009/10/29

【今日の言葉019】

ゆっくり確実に取り組もう。
永く残るものを仕上げるにはそれなりの時間が必要だ。



#と、考えればいつかスランプは抜け出せそうです。

2009/10/27

確証バイアスと品質工学

例えば、直交実験についてであるが、実験するときの心構えは次のうちどちらだろうか。

 a. 自分の推測(仮定)が正しいことを確かめよう
 b. 自分の推測(仮定)が間違ってやしないか調べよう

a.の心よりもb.の心のほうが客観的な見方を促すという研究結果がある。
自分が思い込んだ仮説を裏付けるデータばかりに注目していないだろうか。
(たとえば、再現実験でSN比が再現したから、その実験は正しいというような)

自分の仮説を否定するデータ(再現しない)というのは、確かに本人にとって
受け入れがたい結果ではあろうが、新しい展望を開くきっかけにはなる。

むしろ逆に自分の仮定が否定される結果を気に留めないという傾向が
あるとすれば、これはオカルトや非科学的な信仰に結びつきやすい。

すでに持っている思い込みを否定されるというのは不愉快なものであるが、
思い込みの確証ばかりに目が向くというのも危険な傾向である。

これを心理学の用語では「確証バイアス」といっている。
品質工学の直交実験が反証主義--つまり、失敗した実験こそ
意味があるということ--であるというのは、確証バイアスへの
警鐘の意味も込められている。

かの田口博士いわく、
「失敗した実験にしか興味がない」

【今日の言葉018】

簡単なことは難しく、難しいことは簡単だと考えよう。

#簡単だと思うことはミスを犯しやすいし、難しいと思うことはプレッシャーになる。
 逆に考えることでいい結果になりそうですね。

2009/10/26

【今日の言葉017】

多くの人は無難な考えに流されやすい。

そして、分からなくなったら人についていく。

#自分が拠って立つところを見失ってはいないか?を自問する言葉。
 最後は自分で決めて行動するしかない。

2009/10/25

【今日の言葉016】

制約が厳しすぎる課題は、その本質が見えていない。

#下流で後始末しようとするとどうしてもこうなりますね。
 設計変更が出来ない、納期が迫っている、スペックが決まっている・・・

2009/10/22

【今日の言葉015】

能力を示したいなら、まず誠実さから。


#仕事はまず個人の信頼関係からですね。

2009/10/21

【今日の言葉014】

Life is too short to be little.



#英国政治家のディズレリの言葉だそうですが、これは中学の
卒業文集で、英語の先生より教わった言葉。
 「人生は、自分が小さくなっているには短すぎる」

2009/10/20

【今日の言葉013】

チャレンジするからこそ人生は素晴らしい。

#気持ちを、前へ、前へと押し出してくれる力強い言葉です。

2009/10/19

【今日の言葉012】

感性は情報量に比例する。


#黒澤明監督の「創造とは記憶である」にもつながる名言。
 知っていることを多くすることと、情報をキャッチするアンテナの感度。
 課題に対する意識があれば、突然「ひらめき」が生まれます。
 [001]にも紹介したセレンディピティもまさにその類型ですね。

2009/10/17

教える側の責任

 自分が多少なりとも体得したところによると、品質工学は実践の学問であり、これはいわば自転車に乗るようなものであると思っている(スキーでも水泳でもいいのであるが)。

 品質工学の数理やパラメータ設計の分析をいかに説明しようとも、聞き手が実践し体感したものでなければ品質工学がどういうものかはピンとこないと思う。ちょうど、自転車の載り方を教えるのに、自転車の材料や構造、機構について説明しても、それを乗りこなすことができないのと同じである。自転車は自分で乗ってみて失敗しながら練習を重ねてこそ乗れるようになるのである。

 一方、速く走れて、丈夫で軽い自転車を作ろうとする、自転車の開発の側に立ってみると、これは材料や構造の知識が必要である。品質工学でも、品質工学自身を研究する立場であれば、数理の理解は避けて通れない。

 しかし、自転車の乗って便利に生活したい、サイクリングを楽しみたいという程度で品質工学と付き合い、業務に役立てようとすれば、数理は計算機に任せて、うまく乗れるようになるまで経験者にアドバイスを受けながら体得すればよい。

 大切なことは、普及・教育側としても、自転車の材料や構造を説くのではなく、サイクリングの楽しさを説くように、品質工学の成功事例を紹介して、その便利さや成果をアピールすることで、聞き手にも「乗ってみたい」という気にさせることができるのではないか。

 品質工学の数理や哲学に傾倒した説明が多い現在、普及・教育側の発想の転換が求められているのかもしれない。つまり、品質工学を研究開発する立場での説明は無用で、いかに成果を出すための方法を伝授できるかである。

(かといって、このブログに関しては、独自色を出したいので、入門者向けの易しく教える巷のページにする気はないのであるが。。。)

 品質工学に限らず、その道の達人と広める人とは別であることが多い。達人が極めたワザを、万人が理解できるように翻訳して指導や普及する役割が(特に企業では)大切だ。現時点では、1つの企業で品質工学を志す者はそう多くはないので、道を極める人と広める人が同じという点にどうしても無理があるように思える。

【今日の言葉011】

リーダー不在は自分にとってはチャンスだ。
一所懸命やれば、周りがリーダーと認めてくれる。

#とにかく出し惜しみせず、周りを幸せにすることに全力をつくせば、結果はついてくる。

2009/10/16

【今日の言葉010】

人を説得しようとすれば、自分がまず感動し、自分を説得することから初めなければならない。

#受け売りでは人を動かせない。まず自分を説得し、感動することからですね。(英 カーライルの言葉)

2009/10/15

【今日の言葉009】

感情と反応の間にスペースを。


#「カッ」となる前に深呼吸。まず相手の話を聞くところからですね。

2009/10/14

【今日の言葉008】

大慌てで仕事するのは、大天才か愚か者だけだ。

#あせらない、あせらない・・・。

2009/10/13

【今日の言葉007】

深く考えず、自動的に答えを出しているとき、競争力はなくなっている。


#とにかく直交表で、とパラメータ設計のフォーマットどおりに実験しているときは危険。
 いつでも「何のためにそれを行っているのか」という目的意識が大切ですね。

2009/10/12

ワインに合うメニュー


今日は立派なローズマリーをかみさんの友人から頂いた(左上)。

茎がとてもしっかりしているので、葉っぱをパラパラと振りかけて使うのではなく、マリネしたポークに串刺しにしてオーブン焼きに(右上)。冷たい白ワインに合う豪快な料理が一丁あがり。

付け合せにごろごろのベーコンを入れたラタトゥイユ(左下)と、フォカッチャ(右下)。

無国籍洋風家庭料理というところか。簡単にできたわりには結構いけた。

ちなみに、ワインはオーストラリア白ワイン。2本で1500円だったが、美味。円高も悪いことばかりではない。

【今日の言葉006】

完璧主義になりすぎると実現のための選択肢が少なくなってしまう。

「この程度でも十分」と想いながら進み続けると、難しい理想にもいつの間にか近づいているものだ。


#理想を求めて技術開発するのと、妥協を求めて技術開発するのと、おのずと結果が違ってくるという名言がありますが、かといっていつも完ぺき主義に陥っていては何も進まない。難しい理想に近づくためには、毎日の一歩一歩の前進が必要なんですね。


2009/10/11

【今日の言葉005】

創造的手段を思いつくための3条件

(1)切羽詰ること(必死に集中して)

(2)客観的に見る(一度問題から離れてみる)

(3)良いイメージをもって諦めない




#(2)で、一度問題から離れてみる大切さはよく経験しますね。私の場合通勤中の自転車の上でよくアイデアが出ます。学生時代、答案を提出した直後に答えを思い出した記憶、ありませんか?

2009/10/09

【今日の言葉004】

否定的な人というのは自分の気持ちをストレートに伝える気が小さすぎる人です。


#だからダメ出しされても、いったん受け入れることが大切なんですね。何かの本で読んだ言葉。

2009/10/08

【今日の言葉003】

恐れてはいけない。まだ準備が足りないだけだ。


#そう思えることができれば少しずつでも前に進めますよね。

2009/10/07

【今日の言葉002】

成果の量=成功-失敗

成果の質=成功+失敗


#失敗を糧にできる、すきな言葉の1つです。出展不明。

2009/10/06

【今日の言葉001】

QE推進者のための「今日の言葉」を新設しました。
書籍や研究会の発言から「これは」と思うものを不定期で紹介します。

「待ち構えた知性」にだけチャンスが訪れる。童心を持ち、好奇心が旺盛で、何事 にも興味を持ち、探求に意欲を燃やせる人間は創造性に富み、予期しなくともセレンディピティを発揮することができる。

(ノーベル化学賞白川秀樹,第3回品質工学による技術開発フォーラム,20070216)

2009/09/29

温故知新「品質の評価」より

 田口玄一博士らによって記された「品質の評価」(日本規格協会、1972)を読むと、まだ品質工学やタグチメソッドという言葉は出てこないが、タグチフィロソフィを感じさせる記述が随所に見られ興味深い。特にツール面ではなく、品質や生産に関する考え方の部分で、そのスタンスが37年前の著書と現在でまったく変わっていないことにまず驚かされる。

 7章の「品質と生産性」から引用しよう。「われわれは全体の豊かさの増加と個々の利益の増加の間に矛盾のない方法に依存しなければならない。真の生産性の向上は創造のみから獲得される。」 経営者が技術者が座右の銘とすべき至言である。ヘッジファンドは論外としても、われわれ製造業も、一定のマーケットのシェアを取り合ったり、社会コスト(故障などで迷惑をかける)より工程能力の問題や製造品質(つまり社内コスト)を優先したり、ということがおこりがちである。つまり、マーケットを創造すること、機能性や工程能力を改善(その前に合理的な許容差が必要であるが)することによらなければ、ゼロサムの食い合いやトレードオフによらない真の生産性は実現されない。ミクロに見れば社内のコスト改善も重要であるが、それが部下や他人の労働の強化(自由の束縛)によってなされるのも同様の理由で、「不当な管理概念(本文より)」である。

 また、「明日への発展」の項では以下のように述べられている。
「研究・開発での利益率が比較的小さくても、同業他社がそのゆとりを賃金などへのみ振り向けていた場合より、はるかに効率的に生産の場への還元が期待できるのである。(中略)企業がゆとりをつくり出し、このような将来問題への投資を行うか否かというわずかの経営姿勢の差がその将来を決定付けていることを認識しておかなければならない。(中略)今日の繁栄を誇る企業を参考にする場合には、それをもたらした過去のありかたを透視せねばならない。」
 企業はまずゆとりを作り出しそれを研究開発やそのための教育など、明日への発展のために投資することが重要である、というのである。今ゆとりがない、どうすればゆとりができるのか、というのは愚問であろう。まず、ゆとりが必要であると思って(コミットして)行動するべきだ、とかの松下幸之助も言っている。

 本書「品質の評価」では公害の話題もいち早く論じている。公害は禁止するべきではなく(理由は企業の自由選択を制限して自由競争のよい面をつみとってしまうから)、また補償を適当な方法で支払うべきだとしている。最近になって国際問題として排出権やその売買などが話題にされるようになってきたが、「企業や個人が自分の行動は自分で決定する」というあたりまえの全体にたった慧眼というべきだろう。

2009/09/21

【附中36回生】よかったらここに書き込んでいってください!


 2009年9月20日、発起人の金ちゃんのおかげで4年ぶりの同窓会が開かれました。15時から校舎見学、17時から懇親会、あとは終電まで飲み・・・と久々にみなさんの顔が見られ、本当に楽しい時間でした。

 昨日撮った写真や動画がいっぱいあるので、どこか専用のページにアップしたいですね。

 もしこちらのblogにこられることがありましたら、一言お願いします。
 (ただしここには個人情報は書き込まないようにお願いします)

 個人的なご連絡は、下記まで(同窓会の写真・動画の公開URLお教えします。また、CD聞いてみたい方など)。
(メールアドレスは削除しました: 2009/12/21)

またみんなで会いましょう!(^_^)(^_^)(^_^)

2009/08/14

【2009年北海道の記録3】美瑛めぐりと「丘の宿四季」


 美瑛の1泊目(ジャガタラ)を出た後は、天気もいまいちだったこともあり、子供と来るようになってからほぼ恒例の。【吹上温泉・白銀荘】へ。午前中ということもあり、露天風呂の温泉プール(水着着用・混浴)は貸切状態。子供づれの方はぜひ。もう少し奥までいくと、ドラマ「北の国から」でも有名になった、吹上の湯もある(たいてい込んでおり、水着着用も必要がない混浴なので、女性にはハードルが高いかも)。
http://www.navi-kita.net/shisetsu/hakugin/index.html

 美瑛から白金温泉への道は白樺並木の美しい街道や、十勝岳からの美しい眺めが楽しめるドライブコース。途中に、以前紹介した【ハムソーセージの歩人(ホビット)】がある。また、名水【美郷不動尊】で涼を取るのも一興だ。
http://www.ekinavi-net.jp/railway/jr-furano/biei/misato-fudoson.html

 今年の美瑛での昼食は、昨年はじめて行った、深山峠にある、カルビーポテトの直営レストラン【アーダッボル】へ。天気がよければ、緑に囲まれたオープンテラスで十勝連峰を眺めながら、じゃがいもを中心とした料理が楽しめる。今回は曇りで気温も低いこともあり、中で食事。カレードリア、野菜スープカレー、クレープ(メイプルシロップ味のジャガイモいり)などを食す。

 美瑛の丘を巡っていると、見慣れない、周りの景色とは不釣合いな観覧車がいろんば場所から見えていた。深山峠に来たときにそれが、新しくできた観光スポット?であることがわかる。ためしに乗ってみたが、確かに普段見ることが出来ない角度から(空撮のよう)丘を見ることができるのは、まあよいが、やはり景観の問題はあるだろう。(美瑛の宿主の集まりでも問題になっているとのこと)

 その日の宿は、以前の記事でも紹介した【美瑛丘の宿・四季】。自慢の料理とおすすめのワインをいただいた。かなり限定のワインをほぼ仕入れ値で提供いただいた。また、今回は時期がやや早かったこともあってか、宿泊客はうちの家族だけ。ゆったりした時間をすごすことが出来た。


2009/08/10

【2009年北海道の記録2】小樽~札幌~美瑛



 フェリーで同日20:45に小樽に到着。そのまま素泊まりのホテルへ直行。次の日の朝は5:00に起きて、朝市に隣接した【鱗友朝市・のんのん】へ。1575円の小樽丼がオススメだが、この日は丼に入るはずのウニが上がっておらず、代わりにと大トロをのせた特別バージョンで。イクラとサーモンの鮭親子丼1050円も値打ち。7年ぶりに訪れたが、市場や店のレイアウトが少し新しくなった様子。フェリーが早朝についていた頃は、早朝からやっているこういう店に、旅行者がたむろしていたが今はどうなのか。今回行った感じでは、うち以外にお客は2組くらいと、以前より少なくなった様子。

 小樽の朝散歩をしたあと、レンタカーを借りるために電車で札幌へ。札幌北8条の【ちょいのりレンタカー】で4WDサニー(ETC、カーナビー、ジュニアシート、千歳での乗り捨て、空港までの送迎つき)を7泊8日借りて32510円と激安。車も店の対応もまったく問題なく、ここは来年からも要チェック。

 この日の宿は美瑛だが、せっかくなので札幌を少し回ろうということで、定番の【羊が丘展望台】によったあと、昼ごはんに【ジンギスカンクラブ】へ。肉・野菜・おにぎりのセットが1350円とこちらも、味・値段ともに納得。この日はあいにくの天気だったが、天気がよければアウトドアが気持ちのよさそうなところ。

 つぎに甘いものということでこれも札幌の【ラ・ヴェリテ】へ。デザートプレート680円がおすすめ。内装もしゃれた感じで、ピザ生地を打ったりしているところも間近に見られたりと、もう一度ゆっくり訪れたいところ。
http://www.laverite-hokkaido.jp/

 おなかも膨れたところで一路美瑛へ!美瑛一泊目の宿は、ここ最近毎年お世話になっている【ジャガタラ】。写真は宿を背に庭の風景を撮ったもので、ブランコの向こうには美瑛の広々とした丘の景色が見える。この宿は貸切の露天風呂(別料金なし)と、今年から(たぶん)始まった「いろり料理」。小さな子供を連れて行ってもOKな雰囲気がよく、子供が出来てからお世話になっている。夜は、庭で花火(持参)も可能(火やバケツは用意してくれる)。去年はコテージに泊まったが、今年は本館で。久々に畳と布団の上に寝た感じがした。
http://www.powers.ne.jp/jacatra/


2009/08/03

【2009年北海道の記録1】はたしてフェリーに乗れるのか・・・


 今年は7/19の夕方に伊丹(空港ではなくJR)を出発して、22:00すぎには舞鶴について、余裕をもって翌0:30発の小樽行きのフェリーに乗る予定にしていた。乗換えの京都までは順調に、20:00過ぎに到着。20:35分発の特急(タンゴディスカバリー)に乗ろうとしたが、電車の発着の表示がなく、プラットフォームは長蛇の列。どうやら、綾部付近で大雨の影響で停電があり、電車が遅れているとのこと。長蛇の列は一時間前に来るはずの特急たんば7号をまつ人の列だったのだ。

 幸い、特急券は自由席だったので、次にくるたんば7号に乗れればいいや、とホームで待つ、待つ、待つ、・・・(すでに福知山周りの電車では間に合わない!)。結局電車は約3時間遅れで、京都を出発したのは22:30ごろ。フェリー出航まで2時間。ふつうに行けば1時間40分で着くはずだが、やはり遅れの影響でダイヤが乱れたりで、徐行運転や前の電車の出発まちが発生して、時間通りつきそうもない。

 このままフェリーにのれなければ、幼い子供をつれて、帰りの電車も宿泊施設も(おそらく)ない東舞鶴駅で一夜を過ごすのか・・・、初日の小樽泊はキャンセルだな・・・、レンタカーの予約は1日先延ばしだだな、・・・とやきもきしながら、東舞鶴到着をまつ。

 20日の0:15、出航の15分前。新日本海フェリーと連絡が取れる。先方の情報では、いま乗っているたんば7号は0:22に到着の予定なので、タクシーを駅に呼んでおいて飛び乗ってくるようにとのこと。駅への到着は予定よりさらに数分遅れ。子供は疲れきって電車でねてしまっているので、おんぶはかみさん担当。下名はすべての荷物担当。呼んでおいた駅前のタクシーに乗り込み、猛ダッシュでフェリーのチェックイン。うちの家族(ほか1家族)がフェリーに飛び乗った時間 0:40。飛び乗った瞬間にタラップがはずされ、船内アナウンス。「・・・本船は10分遅れでただいま出航いたしました・・・」

 危機一髪とはこのこと。なんとかかんとか、予約した船室にたどり着き、へとへとになってその日は眠りについた。夜中に何度もフェリーのエンジン音と振動で目を覚ました。波乱の幕開けとなった。


(写真は20日夕方のもの。船上にて)

T法と過飽和実験計画 (2)

 先日の関西品質工学研究会で、QES2009のNo.80,No.83で発表された「欠番直交表」が紹介、議論された。S/Wデバッグに、欠番直交表、つまりL36直交表などの一部の行のみを実施して、できるだけ網羅率は維持したまま実験数を減らす方法である。

 たとえばL36-12といわれる欠番直交表は、第12列が第1水準である行(No.1,4,7,10・・・)を選択したものであり、これは以前紹介した、過飽和計画とよばれるものである。直交表の一部を実施する方法は、Lin(1993)によって提唱されている。ネットで入手できる日本語の文献としては、以下のリンクを参照されたい。
 L12から導かれる2水準過飽和実験の構成 , 応用統計学 ,1995/03
http://www.journalarchive.jst.go.jp/japanese/jnlabstract_ja.php?cdjournal=jappstat1971&cdvol=23&noissue=3&startpage=147

 この論文では、筆者(飯田先生)が提言する過飽和計画表のつくりかたが分かる。p151の表2にある計画表(12行-36列)は、実験No.1,2が見事に水準1と2に分かれているので、予備実験の予備実験(2通りだけ当たってみる)のによいかもしれない。

 QES2009の論文は、S/Wデバッグへのアプリケーションとして価値があると思うし、田口博士もこのような方法は否定はしないと思うが、実験計画法の範疇の議論なので、田口博士としてはS/Wデバッグで直交表を重複させる程度しか扱っていないのかもしれない。

2009/06/03

ことしの北海道旅行は・・・

 今年の北海道旅行は、7/20の深夜0:30からフェリーに乗っていくことにした。昔は舞鶴~小樽間は30時間以上かかった気がするが、今は船も高速になり、20時間で到着するようだ(同日の20:45着)。いまや、関西から札幌の航空便は安くなっており、平日なら16000円くらいである。つまり、フェリーで一等船室に乗っていくのと同じくらいの値段なのである。

 今回、それでもあえて船にしたのは、娘にいろんな経験をさせることもあるがやはり、船の旅の醍醐味はなんといっても「なにもしなくていい時間」の享受だ。起きている時間でいえばわずか10時間少し程度あるが、なにもしなくていい時間をのんびりすごしてみたい。

 今回の旅は27日に帰ってくる7泊8日である。まだ詳細は未定であるが、小樽、美瑛、トマム+αの予定である。もし、思わずいいスポットに出会えたらまたこのblogで紹介したい。
 
 もちろん、このblogで紹介した美瑛の「ペンション四季」の予約はもう済ませてある。 

T法と過飽和実験計画

 T法の数理は、項目数(列数)k>データセット数n(行数)となるデータの過飽和実験計画の一種であるといえる。

 過飽和実験計画(Supersaturated Design:SSD)で用いられる殆直交表(一例を図に示す)のレスポンスをT法の信号空間として教示し、各項目の主効果を未知データとして計算する。たとえば項目1の主効果は、項目1の値が1、それ以外の項目の値が0とすれば得られる。そうすると、T法の推定結果は、SSDで単純に主効果を求めた場合の結果と傾向でほぼ一致する。
 よって、T法の精度に関してSSDで言われているような以下のこと(出展は山田秀「実験計画法 方法編」p.134)が当てはまるかもしれない。








(1)候補となる因子が多数のため第1種の過誤を厳密に管理するのは困難  → つまり、効果のない項目を有意として判断してしまう危険性

(2)主要な因子が高々5個程度の少数個の状況において、その因子を選択する場合に効果を発揮  

→工程異常の原因診断など、主要な因子が限られるケースに威力を発揮するのでは  
→予測のように事前に主要な因子がどれくらいあるか分からない場合は危険を伴う
(3)kが2n程度なら主要な因子のうちの3個程度、kが3n程度のばら主要な因子の2個程度は高確率に抽出できる
→T法の事例の場合、項目数が極端に多い場合もあるため注意が必要か

(1)については、現在の品質工学では考慮していない。有意かどうかではなく、主効果がみとめられればその利得は改善(パラメータ設計の場合)や予測(MTシステムの場合)に繰り入れる。それがよいかどうかの判断は、利得の再現性であり、総合推定精度である、というのが品質工学の提案である。

(2)(3)より分かるとおり、kがnに比べて極端に多い場合は、予測精度の面であまり期待しないほうがよいといっている。項目数のほうが多くても計算はできる予測精度まで保証するわけではない。予測精度  は項目を何にするか部分が大きいが、このように手法そのものの限界も知っておくべきであろう。

ただし、SSDとT法ではデータの内容として以下の点が異なるので、以上で述べた過飽和実験計画の徴がすべてT法にあてはまるとは限らない。その違いとは、項目の値の決め方(決まり方)の違いによる「情報の質の違い」である。
SSDでは殆直交表を用いるため、項目間の相関係数は必然的に0に近い値である(おおむね、-0.333~+0.333)。しかも実験計画であるので、項目の値は人為的に任意に決められる。そのときに項目の値はほかの項目の値の影響を受けないように設定される(実験中ではすべて制御できる因子)。

一方、T法は実験計画ではなくデータの観測であるので、項目間の相関は成り行きできまる。またこの成り行きできまるそれぞれの項目の値どうしの相関関係でそれぞれの主効果も変化するので、そこにSSDにはない情報が含まれることになる。SSDとT法が比較できるのは、SSDで要因効果が求められるようなデータのケースだけであるので、上記で展開した論はT法において一般的に言えることではないのかもしれない。

2009/06/02

あまりに天下り的では・・

 たとえば、ゼロ点比例式(誤差は出力の大きさに比例するはずである)における感度(傾き)βを求めるときに最小二乗法(誤差は等分散)をつかうのはなぜだろうか。またたとえば、要因効果図を作成するときに、L18直交表の実験でA列の水準1のSN比のdbで工程平均を求めるのはなぜだろうか。天下り的に品質工学やっているとこのような非常に基本的なことに疑問は持たないだろう。

 ここでは後者の例について考えてみよう。SN比のdb値 η1とη2の算術平均でSN比を総合するということは、

ηT=(η1+η2)/2=[-10log(δ1^2)-10log(δ2^2)]/2=-10log(δ1δ2) (db)

となる。ここで、δ1、δ2は変化率の真数をあらわす。

 さて、最後の式に現れる、δ1δ2 とはいったい何であろうか。δが利得であれば理解できる。その場合は利得の合計の効果である。つまり真数の世界で2倍よくなる条件と3倍よくなる条件では、その積である6倍よくなる、というのは数式の意味の上では理解できる(実際に6倍よくなるかどうかは別問題)。しかし、ここでのδは、個々の設計条件におけるデータの変化率である。この変化率の積が何を意味するのかはまったくもって不明である。

 たとえば、L18実験のA列水準1の工程平均の場合で言えば、No.1~No.9の個々の変化率の総合を考えることになるが、この場合は「平均してどれくらいのばらつき=SN比か」、は「平均してどれくらいの損失が発生しうるばらつきであるか」を考えていることと同じはずである。よって、実験No.1~9のそれぞれの変化率で発生する損失(金額)の平均が、因子A水準1の損失の工程平均である。損失は金額なので比尺度であるため、加法性があり、足したり引いたりできる。損失関数で平均するということは、変化率の2乗つまりSN比の真数γの逆数で平均するということである。

1/γT=(1/γ1+1/γ2)/2=[(δ1^2)+(δ2^2)]/2 (db)

 最後の式は、変化率の2乗の平均になっており、これは分散の加法性をあらわす式と同じである。したがって、制御因子・各水準の要因効果を求めるときは、db値ではなく、損失金額の平均すなわちSN比の真数の調和平均で求めるのが合理的である。もちろん、利得の推定時に行う、利得の積み上げ計算はdbで足し算してよい。

 この計算方法が威力を発揮するのは、偶発的にN1とN2のデータが一致して(またはそれに近い状態になって)、平均すべきSN比の1つが発散してしまう場合である。たとえば実験No.1がそのようであると、従来のようにdbで平均すると、すべての制御因子の第1水準の工程平均はそれに引っ張られて、要因効果図はすべておおきな左肩上がりとなってしまう。ところが、前記のように金額で考えると、実験No.1は損失が0円に近づくだけであり、損失金額の平均には1/9しか影響を与えない。つまり各実験No.ごとに損失を考えているので、工程平均に対する寄与が均等になる。従来のようなdb平均法では、真数の部分が積になっているので、1つの変化率が0に近づくと積である全体がその影響を受けるのでまずいことになる。

 このような、原理原則に基づいた修正提案ということも無駄ではないと思うのであるが、いかがだろうか。

2009/04/13

デジタルとアナログの標準SN比がつながった。

 かねがね、エネルギー比型SN比でデジタル標準SN比(オメガ変換)とアナログ型標準SN比(21世紀型SN比)を統合できないか検討していた。「ベーシックオフライン品質工学」のp.311~にオメガ変換の導出の式が出ていたのでトレースしてみた。

 p.312の式を展開した結果、従来SN比の計算方法から導かれるデジタルのSN比は、

   η=(1/n)(Sm-Ve)/Ve=(p-(1/n))/(1-p)

 となる。p.312では、p/(1-p) になるように書いているが、実は、上のように、分子のところに、-1/nがくっついたような形になり、データ数の影響を受けることがわかる。 また、この式の形式は20世紀型であり、これがなぜアナログの標準SN比(21世紀型)とつながるのか、よく分からないでいた。

 なお、「品質工学の数理」のp.184の(14.14)式では、n>>1のことが多いとして「≒」を用いている。近似するなら、-Ve の補正とか拘らなくても・・・と思うが、ちなみに、分子の-Veをひくのをやめてもなお一致しない。

 では、エネルギー比型SN比ではどうか?
標準SN比というからには、エネルギー比型SN比の標準SN比の手順で愚直に求めてみよう。
データ数が n で、うち r個のデータが1、のこり n-r個 が 0 の場合である。

 ST=1^2×r+0^2×(n-r)=r=np
 y0=(1×r+0×(n-r))/n=r/n=p
 r0=y0^2 =p^2
 L=y1・y0+・・・+yn・y0=r・y0=rp=np^2
 Sm=L^2/(n・r0)=(np^2)^2/(np^2)=np^2
 Se=ST-Sm=np-np^2=np(1-p)

 ηE=Sm/Se=p/(1-p)

となり、オメガ変換の式にピッタリと一致する。
つまり、オメガ変換の式は、エネルギー比型でないとスッキリとは導けない。

 また、ηEの分子分母の成分は、

 有効成分=良品率p
 有害成分=不良率1-p

となっているので、

 ηE=有効成分/有害成分=良品率/不良率=p/(1-p)

と非常に理解しやすい形になっている。
これでデジタルとアナログの標準SN比がエネルギー比型SN比でつながったことになる。

 かねがね、(Sβ-Ve)/VN や nr/VN ではデジタルのSN比とつながらず、理解に苦しんでいたのである。 デジタルとアナログの標準SN比がなぜ同じことであるのか、理解しにくい面があったが、上記のようにエネルギー比型SN比を用いることでデジタルもアナログも同じ式であることが簡単に説明できるのだ。

2009/04/07

汎用的手法の提案は一般論か?

 QEの研究や提案といったものが、実際に技術的な問題が起こって、それに対する対処法が--ほぼ田口博士の独力で--天才的なそして経験豊富な仮説力で提案されて、それがフォロワーによって実証されていくといった、一方向の帰納法的な方法でQEが進展してきたが、この方法しかありえないのかという疑問がある。

 田口博士の半世紀にもわたる提案の実証と実績を軽視するものではまったくないが、田口博士以外から「原理的にはこういう可能性もあるので、本来はこうあるべき」というロジックや提案もあってよいはずである。しかし現実には、そのような提案は「実際の技術課題に基づいていない」とされて、一般論という誤解のもとに一蹴されてしまう空気がある(この「空気」という表現は的を射ていると思う。詳しくは、山本七平「空気の研究」)。

 汎用技術の提案は一般論ではなかろう。とかく、田口先生以外の仮説に基づいた提案というのが非常に行いにくい状況にある(もちろん、下名の提案などは10年早いのは百も承知であるが)。

 本当にQEを学問として、また汎用計測技術として洗練させていくためには、従来の帰納型で検証を続けるアプローチだけでなく、演繹型の仮説提案のアプローチもあわせて必要だと考えている。もちろん、後者のアプローチにおいてもその後の実地での検証が必要なのはいうまでもない。つまり、実例で証明するという意味では、これらのアプローチの重要性は対等なはずだ。

2009/04/06

利得が再現したら本当に市場で大丈夫といえるのか?

 先日の研究会でY先生は「パラメータ設計の意味の追求を。利得が再現したら本当に市場で大丈夫といえるのか?」とおっしゃっていた。これまでQEでは利得の再現性と言ってきたはずで、そのことについてたずねてみた。「なぜ、利得の再現性=市場での品質確保と信じられなくなったのか。」と。Y先生「科学をどうして信じられるのか、と同じである。論理の妥当性が世の中で受け入れられるかどうかだ。そう考えているだけで、実証はされていない。実績がすべてだ。」 とのことであった。

 つまり、科学、QEに限らずそのこと自体か真に正しいかどうかではなく、実益性やその時代の通念などの社会的、政治的な制約や庇護を受けながら、認められていくのだということである。まあ、そのこと自体は科学哲学の小論文テーマレベルの知識としては知ってはいる。すべては人間の人間による活動なのであるから、その意味ではQEとて科学と同じアプローチを取らざるを得ないのである。

 なぜ田口博士は最終的に事例で証明する方法をとったのか。それは、最初のY先生への質問に戻ると、SN比の再現性や加法性といったものが、客観的な真値として事前には定義できないからであろう。つまり、Y先生のおっしゃるように、「再現したからといっても、真値が分からない以上、最終的には信用することができない」のである。

 SN比や損失関数は将来市場で起こる損失の予測にすぎないので、実際の市場での損失額が確定しない限りはその正しさの証明とならないのである。結局は長い歳月をかけてしかその正当性が分からない、というのであればこれは信頼性試験やワイブルプロットと同じではないか、という気さえしてくる(もちろん冗談)。

技術者のあるべき姿に近づきたい人へ「品質工学ってなんやねん」レビュー



 ユダヤの訓えに「勉学は父、笑いは母」という言葉があるが、第1章は気軽にエピソードや笑いを交えながら、そして第2章はまじめに品質工学や技術者の本質にせまったのが、この「品質工学ってなんやねん」だ。関西品質工学研究会編となっているが、実際は第1章を研究会会長の芝野氏(コニカミノルタ)、第2章を同顧問の原先生が執筆されている。

 第1章のエピソード集は社内の品質工学のセミナーや講演のなかのちょっとした話題提供や、品質昼礼などにすぐ使えそうなものばかりだ。品質ではなく機能性を評価・改善する重要性は「豚のフン」の話で笑いがとれるばかりか、機能性の改善の大切さの理解も深めることができるであろう。若い読者で、田口先生のお話を聞いたことがない、という方は、このようなエピソードの一端にふれることで、より品質工学や田口先生を身近に感じることができるに違いない。難しい品質工学を平易なエピソードで説明できる、というのはよほど深い見識なないとできないことである。

 第2章は原先生らしい、厳しくも優しさあふれる品質工学論になっている。全体的に断定的な口調で書かれているが、これは癖のようなもので気にする必要はない。特に「ほんまもんの技術者とは」のところは多くの技術者が一度は読んでおくべき内容であろう(もちろん読んだだけではだめで行動しなければならないのだが)。これを読めば、単に品質工学の枠組みをツールと捉えるのではなく、技術者としてどうあるべきかという考え方として捉えることができることがわかるだろう。また、最後のリコーの細川氏の引用「理想を目指して技術開発を行うのと,妥協を目指して技術開発を行うのでは結果に大きな違いが出てくる」は下名の座右の銘の1つとなっている。

 新書サイズで1700円と、価格を確認せずにレジに持って行ってしまうと、レジの金額表示に一瞬「ギョッ」とする価格設定ではあるが、本の価値は、紙の量でも、筆者がどれだけ価値があると思っているかでもなく、読んだ人次第なのである。体系的にまとまったものでしっかり勉強するのもよいが、同書のような多角的なアプローチで品質工学の全体像にせまろうとする入門書が他にないという点からみても、一度は手にとって見る価値はある。


2009/04/05

【北海道スポット】道道55号線と新嵐山展望台


 北海道を東西に移動するときに必ず通過するのが国道38号線だが、新得方面から帯広に出る(またはその逆も)場合、御影から中札内のほうにそれる、道道55号のほうに出ると、それはもう、いかにも北海道、いかにも帯広といった田園風景に出会える。

 その途中にある新嵐山展望台。ここからは、十勝平野が一望できて非常に気持ちがいい。ここもすいていて、ハイシーズンでも写真のように駐車場はガラガラだ。
 そのついでに、幕別の温泉にも寄っていこう。ここも景色がいい。
 帯色もスポットが多いので、そのあたりはまた追って紹介したいと思う。

2009/03/24

交互作用があるとTMは設計できない?

 「タグチメソッド適用時には、”設計因子に交互作用がないといけない”という大前提が存在しているのでしょうか?」という質問を受けた。

 TMでは機能を考えるのであるから、対象となるシステムの前提はない。ただ、設計パラメータに交互作用があると、下流の再現性が不確かで市場でトラブルを起こす可能性があるので、そのような設計を避けるために、設計のの悪さをあぶりだす方法を、TMは提案している。設計がうまくいくかどうかや、設計パラメータの交互作用の有無は、TMの大前提ではなく、「評価対象」である。

 この質問者に限らず「TMは交互作用があると設計できない(からダメだ)」という大誤解があるように思う。設計できないのではなく、設計してはいけないと言っているだ。そしてそのような悪いな設計を未然にチェックできるのは、おそらくTMだけである。

 ほかの設計方法は交互作用ありきで設計するので、そもそもそのような設計が市場でトラブルになって損失を増大させるという考え方にすら至っていないのだ。

 このような質問を見るにつけ思うのは、大方の設計者は、「システムありき」で考えてしまっているので、前提などというものを想定してしまう。先に答え(見本、海外の先行事例、従来設計・・・)があるものとして、その既成のシステムの設計パラメータに交互作用があるかどうか、なければ使えないのか、という「ツール的な」発想になるのだ。

 ほとんどの設計は流用設計で、そういうところはチューニング、編集設計が中心問題で、そこに無理やりシステムありきでTMを適用しようとするので「交互作用があるので設計できない」となってしまうのである。TMは設計ではなく、もっと源流の技術開発で使用しなさい、と言っている。チューニングなら応答局面でもなんでも使えばよい話だ。

 TMが物事をツール的にしか捉えられておらず、肝心のTMの目的(市場でお客に迷惑をかけない、トラブルを出さないためにどうすればよいか)が抜け落ちてしまうと、TMの本質が理解されず、その結果として、このような質問がでてくるのだと推測する。

 いろんな人がいろんな目的でセミナーをやるのでいろいろあるわけだが、某I社のコンサルタントNさんは、現状を「TMの崩壊」とおっしゃっていた。

2009/03/22

本田宗一郎「ざっくばらん」にみる技術哲学

 田口玄一博士、トヨタ自動車最高顧問の豊田英二氏とならんで、日本人で米国自動車殿堂入りした、戦後を代表する企業家、技術者である本田宗一郎氏の、”幻の第一作”と言われていた昭和35年の書を復刊したのがこの「ざっくばらん」だ。
http://www.amazon.co.jp/%E3%81%96%E3%81%A3%E3%81%8F%E3%81%B0%E3%82%89%E3%82%93-%E6%9C%AC%E7%94%B0-%E5%AE%97%E4%B8%80%E9%83%8E/dp/456970316X/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1237818178&sr=8-1



田口哲学との共通点も多いく興味深いのでいくつかご紹介しよう。 『  』が引用(または要約)部。

『技術は、哲学の結晶である。哲学のない技術は先人の亜流から抜け出ることはできないし、哲学があればそこから独創性も生まれる』
---技術には独創性と効率性が必要である。前者を固有技術といい、後者を品質工学では汎用技術といっている。技術に独創性が必要なのはもちろんだが、その評価の効率にまで哲学の目をむけ、具体的方法論としてもう半世紀も前に田口博士は提案しているのだ。また技術は亜流ではいけない。田口博士は技術はアートや流儀だと仰っているし、また何を研究するかが最も大切だとも言っている。


『人間を本当に理解するのが技術の根本原則。職人や技術屋は人間に必要だから貴いのであって、もし何の役にも立たないものだとしたら、何の価値もない。人間勉強をしないような技術屋は本当の技術屋ではない。』
---理論が高尚かどうかではなく、役に立つかどうか、で判断するということである。確か、品質工学会発足時に、田口博士は「どちらが正しいかではなく、どちらが効率的かで議論願いたい」と仰ったはずである。技術開発を効率化すること、そして市場でトラブルを起こさないこと、この目的論から品質工学という実学の技術哲学が構築されている。


『職人と技術者の違いは、過去を大事にして、そればっかりにつかまっている人が職人。同じ過去でも、それに新しい理論を積み重ねて、日々前進する人が技術屋だ。』
---田口博士はよく、技術者ではなく技術屋という言葉を用いる。新しい発明や手段に対する評価の方法、実験的に新しいシステムを確実に選び取る方法論・・・技術の「創造性」を支える「効率性」を表裏一体で考えるのが技術屋というわけだ。効率性を考えないいわゆる技術バカではいけないということだ。

2009/03/15

【創作フレンチとワインの店】ル・サルモンドール



 京都でイチオシしたい店が、東山は祇園新橋にあるル・サルモンドール。



 周りは簾の町屋や石畳の風景でいかにも京都というところで、TV撮影や写真愛好家もよく出没する地域。辰巳神社の前に、町屋を改造した、でも内装はすごくモダンなここは、地の京野菜をふんだんにつかった、和風創作フレンチをワインとともに楽しめる店だ。

 オススメはお昼のコースで一人5000円。ランチでこの値段!と思われるかもしれないが、料理に関しては値段以上の価値があると言い切ってよい。1つ1つの材料にこだわり、味も盛り付けもすべて満足がいく。写真はメインを鴨のローストにしたコースで、その日によって2種類の中から選べる。

 この店のウリはやはりワイン。このときにお願いしたのが、シャトー ラセーグ サンテミリオン グラン・クリュ(Chateau Lassegue Saint-Emilion Grand Cru・・・しまった!ヴィンテージが分からない! ^_^;)。ボルドーの中でもサンテミリオンのワインはお気に入りで、このときもリクエストさせていただきました。(ワインのほうは結構値段は張ります・・・このワインでグラス1500円くらいだったかな )

味と雰囲気は絶対オススメできます・・・しかもソムリエの女性が超美人!とあってはこれは行くしかないでしょう!

人気なので予約をお忘れなく!

【北海道スポット】美瑛の観光農園(ぜるぶの丘)



 美瑛には美しい観光農園や花畑が多く、そのほとんどが無料で公開されている。旭川方面から237号線を南下して美瑛に向かうと、まず最初に沿道に見えてくる大規模な農園がここ、ぜるぶの丘だ。

http://biei.selfip.com/index.htm

 一応、撮影した写真を載せてみたが、上のリンクを見ていただいたほうがよいだろう。

 美瑛(美馬牛)といえば、かんのファームが有名だが、ぜるぶの丘のほうがおそらく規模が広く、また写真右下のような広大な広場があるので、子供づれで遊びに行くにはこちらをオススメする。

 もちろん、観光農園だけでなく、美瑛には美しい景色のスポットが点在しているので、先の美瑛手作りマップを片手にあちこち回ってみよう。誰でも写真家気分になれるはずだ。

【北海道スポット】礼文島(澄海岬・桃岩・利尻富士)















 道北のほうはめったに行く機会がないのだが、2008年は伊丹から羽田経由で稚内空港に入り、10年以上ぶりになる「花の島」礼文島に赴いた。

 小さい島だが北端の澄海岬(写真1つ目:下名撮影、とにかく海が青い!)から南端の桃岩展望台まで車で見て回ってもいろいろとスポットがあり、稚内からフェリーでの日帰りはもったいない感じだ。桃岩から対面の利尻富士の絶景が見える(写真2つ目:下名撮影)。道北は天気に恵まれないことが多いのだがこの日は快晴で、道北まで足を延ばしたかいがあったあったというもの。

 1日目に礼文島についたのがもう夕方ちかくだったので、プチホテル・コリンシアンに宿泊。料理自慢の宿で、海鮮を中心とした創作フレンチを堪能した(写真3つ目:下名撮影)。少しお高めの宿だが、料理の内容を考えれば十分納得。

 次の日はまた夕方のフェリーで稚内に戻り、ノシャップ岬の夕日を見た(写真4つ目)。道北は来るのが大変だし、次のスポットまでの移動の時間もとられるので、時間が十分あるときくらいしか行けなかったのだが、少し時間的に贅沢をして来た価値が十分にあったと思う。

2009/02/19

【北海道スポット】日の出公園(ラベンダー園いろいろ)



 基本的に道央は美瑛・美馬牛のファンで、先に挙げた美瑛マップをたよりに見ていけばはずれはないが、美瑛のほうはスポットが多すぎですぐには紹介しきれないので、先に富良野のスポットを片付けておこう。

 富良野といえばラベンダーで、その観光ツアーなどこでもコースに入っている(また富良野のポスターといえば)ファーム富田が超有名である。ここは広さでは随一だし、入園も無料なので一度も行ったことがないという方は行って損はないスポットである(まあ、こんなブログで今さら紹介することでもないが)。しかし、なんどとなく訪れたものにとってはこういう観光地は少し食傷ぎみになる。

 富良野のラベンダーをみるのによい穴場スポットとして、日の出公園がある。入り口付近には水場もあり、夏なら子どもはここで水浴びのようなこともできる。そして、肝心の花畑だが、写真(下名撮影)にあるように公園の頂上からは富良野の町とともにラベンダーが一望できるし、その道すがらの花畑も美しい。少し高台にあるので、とにかく富良野の町と連峰の景色が美しい。

 そしてなによりここのよいところは、この規模なのに非常に空いているところである。もちろん入場は無料である。ファーム富田のついでにこちらも訪れてみよう。

 なお、ラベンダー中心になるが、「彩香の里」(無料)もおすすめで、ここもハイシーズンに行ってもガラガラで、ゆっくりラベンダーを眺めたいひとにはオススメである。
 逆に行ってはいけないのは、「フラワーランドかみふらの」で、ここはガイドブックにはよく出ているが、入場料は1人500円とられるし、上で紹介したところと比べてユニークなところもない。また駐車場から花畑の途中におみやげ売り場の建物を通り抜ける構造になっており、観光地丸出しである。こういうところは避けてとおるようにしよう。

 ラベンダーのあとは「フラノデリス」でおやつといきましょう(ここは大人気で人が多いですが)。


中島美嘉「見えない星」



少し前になるが、長瀬弘樹の出世作といってよい作品に、中島美嘉「見えない星」がある。
http://web-cache.chocomaru.com/jplayer.html?QU665&%7Ers20ncs02&EJ667%3E%3E452&7&nrrv%3C%29%29qqq%28gkg%7Cih%28ei%28lv%29%23C%3E%23G0%23%3ED%23C5%23%3E7%23%3E%3E%23C5%23%3E7%23GG%23C5%23%3E7%23%3E2%23C0%23%3F%3E%23%3F@+%23C2%23D%3E%23GB%23C3%23D5%23D0%23C1%23DC%23%3EC%23C3%23%3F%3E%23%3E%3F%29bv%29D666KG@%5EQ%3E%29tc%60%3BekYetYvtYvdYo&7453621%3F%3F%3F

いかにも長瀬らしいナキの入ったバラードで、彼が作詞作曲編曲を手がけている。

ドラマ「ハケンの品格」の主題歌といえば、あぁ、あの曲かと覚えている方も多いのでは。


「こんな寂しさくれるあなたが愛しい」ってなところが長瀬流のセンスですな。

この曲が気に入った方は、同じく中島美嘉の「sakura ~花霞~」もどうぞ。
パナソニックのハンディームービーのCMの曲で聞き覚えがあるのでは。。。

【北海道スポット】コタン温泉(屈斜路湖畔)


 道東を回るなら、弟子屈近辺の摩周湖、屈斜路湖などに訪れる人は多いだろう。前の投稿でも紹介した摩周湖の場合は、駐車場が有料で観光バスでごった返す第1、3展望台よりも無料で静かな裏摩周展望台がおすすめだ。屈斜路湖を見るスポットといくつかあるが、有名ではあるがやはり美幌峠に軍配が上がる。ここは絶景といっていいだろう。

 さてその屈斜路湖の湖畔に、コタン温泉という露天風呂がある。町が管理している浴場で入浴は無料である。ゆっくり入りたいのなら早朝がオススメ。ここは湖畔というだけあって、冬や春の早い時期であれば白鳥が目の前で泳いでいる姿を眺めながら入浴できる。一度、GWに行ったことがあるが、運良く?まだ旅立つ前の白鳥に出会えたことがある。もちろん湖の彼方にそびえる山々も雄大だ。

 なお、いちおう男女別になっているが岩で仕切られているだけなので混浴と考えておいたほうが良い。水着での入浴も可である。マナーを守ってゆっくり自然を楽しもう。

 道東をじっくり回るプランなら、女満別空港から入るのがベストである。

2009/02/16

【北海道スポット】手作り美瑛マップ


 北海道の観光地に行けば、各地の観光マップはどこでも作っているし、大いに利用すればよいだろう。その中でも秀逸なのが、この「手作り美瑛マップ」(60円)。

 観光名所だけでは飽き足らず、美瑛や美馬牛をくまなく回りたい、穴場的な絶景スポットに行きたい、などの要望に応えてくれるマップなのだ。美瑛に行くときはぜひゲットしていただきたい(美瑛の宿で扱っているところが多い)。


 著作権の関係もあるだろうと思うので、画像はかなり縮小したものをアップしたが、徒歩でしかはいっていけないような小径とか、その年はどこに何畑があるかとか(たとえば、向日葵の場合、連作できないので毎年場所が変わる)、新しく出来た店だとか、その年その年の情報が更新されるので、必ずその年の最新版をゲットしたい。


 マップにははずせない絶景スポット(全く名前もなにも付いていない場所も多数)には撮影マークが記載されているので、それを頼りに車や自転車(アップダウンがあるので自身のない人は電動自転車を借りよう)で回るだけで十分美瑛通になれるはずだ。自分だけのお気に入りスポットを見つけてみてはどうだろうか。


【北海道スポット】神の子池


 いまやウィキペディアにも紹介されるような名所?になってしまったが、それでも交通の便の悪さも手伝ってか(笑)、まだまだ穴場的なところといってよいだろう。

 摩周湖を見るのなら、観光バスがくる第1、第3展望台ではなく、裏摩周展望台をオススメするが、そこから車で少しいったところにあるのがこの「神の子池」。
 摩周湖の地下水によって作られた湖で、画像(下名撮影)のように、肉眼で見ても本当に真っ青なのである。その水底には、枯れ木が腐らずに横たわっており、まわりの静けさも手伝って、なんともいえない神秘的なスポットなのである。

 このような場所が観光地化されて荒らされないのを祈るばかりである。

【ワインレビュー】シャトー・ポンテプレザンス・サンテミリオン・グランクリュ2005★★★★


  このワインもサンテミリオンのものであることと、メルロー(葡萄の種類)が主体となっているはサンドミニクと同じで、ヴィンテージの2005年は、サンドミニクの2003年とならんで、ボルドーの当たり年とされている。

 フルーティで凝縮された感じで、重すぎずバランスが良い。グラン・クリュ(特級畑)でこの値段は安いと思うのだが、このワインの画像を探すためにネット見ていたら、3480円で売っている店があった。自分のメモでは1900円になっているので、かなりお買い得だったのだろう。

【ワインレビュー】シャトー-・サン・ドミニク2003★★★☆




 フランスはボルドーサンテミリオン地区のワインは個人的に好みのワインが多いのだが、この価格帯でのバランスのよさという意味でこの1本を紹介する。抜栓したばかりのときは普通のボルドーワインという感じなのだが、しばらく置いておくと(飲んでいるうちにも味が変わるようだ)、まろやかで酸とタンニン(渋さ)のバランスがよくなってくる。1980円と予算ぎりぎりなので、4.0に近い3.5。

ヒーローが活躍しない職場


 品質工学をやらない(やれない)人からはよく「忙しいので直交表実験をやる暇が ない」「性能を満足するたけで忙しいのに、品質のことは品証部門でやれないのか」 などを理由に、推進側の言うことになかなか取り合ってもらえないことが多い。個人に割り振られた仕事の量を考えればそうれはそうなのかもしれない。しかし「忙し い」と言っている人はそれを誇っているようにも見える。忙しい(busy)とは「必要な ことを行う時間がなく、心が亡くなった状態」ということで、誇るべきことではない。

 本当は技術者や管理者の仕事の生産性を上げないといけないのであるが、「忙し さ」が仕事だと思っている人にとっては、そのつど発生する問題を1つ1つに自分の腕力で行 う(つまりドラッカーいわくヒーローが活躍する)ことが仕事になっている。もちろんついてしまった火は消さないといけないし、自分の仕事はこなさなければならないというのは必要条件ではあるが、生産性の悪い組織はそのことだけに翻弄されているように見える(もちろんこれを個々人の責任に帰するのは酷というものだろう)。

 「品質工学を使用する」と聞くと1つ1つの問題に対して直交表を使用しようとす るので「忙しくてできない」と思ってしまうのである。忙しいことそのものは、本質的な問題ではない。大切なのは「明日を作るためのテーマ」の選び方と、それに振り向けるリソースのマネジメントであると今更ながらに思う。さもないと、品質工学は 「直交実験を1つ1つの問題に適用できる暇な人の道楽」と捉えらえられかねないし、いつまでも品質工学の真意を理解してもらえないだろう。

 これは品質工学を推進する側も、自戒すべきことだ。個別事例の指導で終わってしまっては「そのつどの問題を1つ1つ自分の腕力で行う」のと大差はない。推進側もある時期からはたくさんの事例の指導の忙しさにかまけていてはいけないのだ。しくみに働きかけて「品質工学で考える」のがアタリマエになるようにもっていくのが最終的な役割だ。理想はヒーローが活躍せずとも、一人一人の思いが強く、粛々と生産性の高いアウトプットが出る職場である。

【北海道スポット】美瑛「丘の宿四季」







 写真が好きな者ならだれでも、前田真三らに憧れて、何度も訪れるのが丘の町「美瑛」である。「富良野」は某ドラマで全国的に有名であり、そこから30kmほど北に行ったところに、丘や花、山麓の景色で美しい美瑛がある。下名も15年来ほぼ毎年のように訪れているが、何回行っても飽きないところである(田舎なので住んでしまうと飽きるかも・・・)。いまさら美瑛を紹介するのも気が引けるが、最近オープンしたいい宿があったので紹介しようと思う(もちろん、他にもこの地区にはいい宿がいくるかある)。
 「丘の宿四季」は、美瑛駅から三愛の丘方面に行く途中の、憩いヶ森公園の近くにある、おちついた宿である。本館とコテージがあるが、うちは家族連れということもあり、昨年泊まったのはコテージのほうだ。2階建てになっており、1階はリビング、2階(というよりロフトに近い)は寝室という構成だ。

 この宿の一番のウリはやはり料理だろう。画像には一部しかのせられなかったが、この日の豚料理(ベリーソース煮込みだったか、そんな料理)をメインにしたコースは本格的。宿主のご主人の手料理だが、ご本人いわく、素人の趣味料理なのだとか。ご主人はワインも大好きで、その点でも下名も意気投合して、マルゴーAOCワインを一本開けていただいた。どう考えても、店で購入できる値段よりやすく宿で提供しているのには驚き。いわく、ワインは商売ではなく趣味なので、いいワインをまとめて安く入手できたときには、(おそらく)ほとんどその値段で提供していただいているのだとか。
 本館のダイニングで美味しい料理とワインを楽しみながら、ご主人に美瑛の町を一望できる穴場も教えていただいた(後日紹介)。とにかく、木目基調で雰囲気がよくておちつけてゆっくりできる宿であり、値段も良心的。交通の便もよい。次回以降の美瑛の宿泊にはここははずせない宿になった。

 なお、風呂は普通なので、白金温泉やハイランドふらのあたりの景色のいい温泉で一風呂浴びてからチェックインしてもよいかもしれない。
一度は紅葉の秋にも訪れてみたい。

【北海道スポット】小樽「宝寿司」



 小樽は関西からフェリーで北海道に行く場合の玄関口で、フェリーで北海道に行っていたころは、度の出発点であり、また北海道旅行の最後という感傷?にも浸れる、思い出深い場所である。飛行機での往復になった今も、グルメや買い物、そして定番の運河めぐりという点で、欠かすことの出来ない町である。

 小樽でグルメといえば、やはり寿司だろう。運河どおり沿いには観光客向けの寿司屋がずらりとならんでいる。この手の店には実は入ったことがないのだが、人づてには「回転寿司ですらハズレがない」というくらいだから、どの店に入っても(値段はともかく)そんなに大ハズレということはないのであろう。
 ここでオススメしたいのは、もうすこし地元に密着した店である。これは北海道好きの友人にクチコミで教えてもらった店で「宝寿司」という。場所は下記URLを参照願いたい。

 宝寿司といえば先代が有名で、先代が引退するときに、一時は廃業も噂されていた(事実、1年以上は営業していなかった時期があったはず)。この店は2代目で、内装もこぎれいな感じにリニューアルされており、家族連れでも入りやすい感じになった。にぎりなどの定番メニューや本日のおすすめもすくめて、すべて値段が表示されてるようになったのも嬉しい。

 さて、味のほうだが、これは2代目になったからといって全く落ちるものではないことを保証する。おそらく仕入れのルートなどはそのまま引き継いでいるのだろうし、なんといっても名物の「あぶり穴子のにぎり」は健在だ。大人二人で特上にぎりとすきなネタを数品追加してビールをのんでも1万円くらいと、安心して利用できる価格設定がうれしい。

 すこし奥まったところにあり、探しにくいかもしれないが、もし小樽で寿司を食って帰ろうというのであれば、ぜひ立ち寄ってほしい一軒である。

北海道のスポットやグルメを紹介

 もう15年来、毎年北海道に旅行に行っている。やはり休みの関係で夏に行くことが多く、だいたい1週間前後というところである。それ以外は冬にスキーに数度と、GWと秋が1回ずつ。「いい時期」しか行っていないので、勝手なことを言うが、やはり北海道はすばらしい。景色やさらっとした空気感はいいし、食べ物も全般的にうまい(酒の文化というか歴史が浅い、ということを除いては)。真似事で一眼レフを始めてから、さらに北海道の風景の魅力にとりつかれた(いまだに風景のメインは銀塩だが、コンパクトなデジカメも併用・・・ブログ用はデジカメになると思う)。

 以前はいわゆる「旅人の宿」的なところに泊まったり、フェリーや18切符で関西から北海道まで行ったり、車中泊を利用しての移動を行っていたが、結婚してから(特に子どもができてからは)はさすがにそれも無理ということで、飛行機+レンタカーという「旅行」になっている。
それでも1つ1つのスポットの魅力は変わるわけではなく、なんとか時間と金を作って、毎年北海道に命の洗濯に行っているのである。

 さて、このブログではこれから北海道に行ってみたいという方向けに、いろいろとオススメのスポットを紹介していけたらと思っている。とはいえ、歩きで何時間も入っていかないとたどり着けないようなコアな秘境というタイプではない。車で駐車場までいけて、そこから遊歩道も整備されている、という程度のスポットが中心なので、家族連れでも大丈夫だと思う。今ではもういろんな雑誌で紹介されて陳腐になってしまった場所もあるかもしれないが、少なくとも、人がが多すぎる動物園や、マリモや霧の湖よりは、オススメできるところを紹介できるのではないかろうか。
 

「Dawn」紹介記事


当時の、アルバム「Dawn」の紹介記事です。

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 名宮和希(ナミヤカズキ)は7月21日にデビューしたばかりの新人アーチスト。彼のデビューアルバムが「Dawn」。インディーズ版ながら楽曲のクオリティーの高さは驚くばかりだ。

 M1「Dawn」はアルバムのと同じタイトルのオープニングッチューン。不思議なコード感とジャングルを取り入れた独特のリズム・・・いやがおうにもこれからの展開が気になる始まりだ。今流行りのリバーブをかけない生っぽいボーカル。転調にさよるサビの部分では美しいハイトーンが聞かれ、いきなり一曲目からナミヤワールドに引き込まれる。ひさびさにオリジナリティーのあるポップスに巡り合えそうな予感。

 M2「両手は空へ」、M3「Somebody's Pain」でもハイトーンボーカルの本領が発揮され、彼のボーカルセンスと、メロディーのポップセンスに驚かされる。特にM2は今後いろんなメディアでも露出していくそうだから要チェックだ。

 M4「ブルウデイテモ」はセツナ系の佳曲。サビ頭の「ブルウな~」の部分は一度聞くと忘れられないほどのインパクト。何気なくなっているバックのリズム体にも注目。非常に凝った仕上がりになっている。

 M5「Girl'99」、M6「バランス」は一転してリズミックでキャッチーなポップナンバー。畳み掛けるようにキッシリつまった歌詞も難無く歌いこなせている。特に「Girl'99」は聞いてみると、歌詞の脚韻が小気味の良い。

 M7「The End of the Inoccence」はこのアルバムの最後を締めくくるプログレッシヴロックだ。カッチリと作り込まれたアレンジと歌詞の世界を堪能して欲しい。

 本当にナミヤの音楽性は広く高い。しかも独自の世界観がある。このアルバム製作に際して、作詞作曲はもちろん、編曲までほとんどを彼一人で手がけたそうだ。まだ22歳の学生と言うから今後の将来性が楽しみでたまらない。近い将来のブレイクに先駆けて、さっそくチェックしてみては? オフィシャルのウェブサイトhttp://www.kt.rim.or.jp/~namiya/top.htmlでも情報公開中。CDはTower、HMV、TSUTAYA、WAVEなどの有名レコード店で発売中。

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なお、今は長瀬弘樹(本名)でオフィシャルサイトは以下になっている。
http://www.cansoon.com/~moomin/top.html

99年にCDアルバム「Dawn」をリリース

大学時代に作曲系の音楽サークル「吉田音楽製作所」(愛称:きっちょん)
http://kitchon.hp.infoseek.co.jp/
に所属していた関係で、今は音楽業界で活躍するサークルの後輩(あとで詳しく述べる)とのコラボで、インディーズCDアルバム「Dawn」をもう10年前いなりが、リリースした。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/908339
ジャンルは10~20代をターゲットにしたJ-POPというところか。

 自費出版ではなく、ちゃんと契約も交わした正規の商業デビューである(いわゆるメジャーとは違うのであるが)。HMVやタワーレコードの棚にCDが並んでいるのを、わざわざ店まで見に行って悦に入ったものだ(現在は廃盤なので並んでいません)。

 作品の名義は「名宮和希(なみやかずき)」で、これが前出の後輩である。彼がすべての楽曲(7曲)の作曲、編曲、歌、録音を手がけ、作詞についてはうち3曲を下名が協力させてもらったという形だ。

 このなかに「バランス」というタイトルの楽曲があるが、これは嵐(ジャニーズ)のデビュー曲を選ぶコンペの最後の4曲までのこったものだ。世が世なら・・・というわけである。

 「Dawn」は出荷枚数としてはここに書くのもはずかしいほどの枚数でなのだが、とにかくデビューはデビュー。今後、名宮くんは音楽業界入りすることになり、今は本名に戻って音楽プロデューサとして活躍している。彼のことはおいおい紹介したいと思う。

 ちなみに下名はもう音楽活動(製作)は趣味としてもほとんど行っていないので、このブログで過去の経緯なんかをまとめて残しておこうという趣旨だ。

【ワインレビュー】ラ・パッション・グルナッシュ★★★★



 本来は時系列に昔飲んだワインから整理していくるもりだが、まずとにかくよくリピートしているイチオシのデイリーワインから紹介だ。
 ラベルの画像は2007年のものだが2006年から飲み始めている。価格は1280円くらいとまことに手ごろ。フランスワインだがAOCではなく、いわゆる地ワイン(ヴァン・ド・ペイ)で、とにかく味が濃厚でフルーティー(甘いという感じではない)。適度な重さがあり、味のバランスも取れていて、コストパフォーマンスは最高だ。
 うちの近くにあるワインダインニング店などではこれを6000円くらいで出していたと思う。C/Pがよいのでこの手の店では重宝がられるのだろう。
 あと、ラベルのデザインも面白いですね。
 ということで、独断と偏見の5段階評価では4.0。ちなみに、これまで記録を残している100本以上のなかでは最高点(4.5および5.0はまだない)。このレビューでは3.0以上のものを中心に紹介しようと思う。

2009/02/11

易しく教えることが本当に優しいのか

 社内などでの品質工学のアドバイスで、特に初めて品質工学を実施する人に対し て、厳しい優しいの言い方という意味ではなく、どのようなことをアドバイスすればよいのかということが議論になる(昨日今日始めた人に専門用語を連打するのは論外である)。たとえば、自分が「品質工学を」指導してもらう立場なら、品質工学を適用する目的に間違いはないか、とか基本機能やノイズ、SN比の考え方は正しいか、といったことは非常に重要に思える。

 アドバイスをする側の責任は重大で、最初にはしごをかける場所を間違えてしまう と、いくらはしごの上に到達したところで、まちがったところに到達してしまうだけであろう。品質工学の目的や1つ1つの方法論の考え方の基礎が間違っていないかどうか、そこをアドバイスすべきなのだと思う。

 品質工学は理想が高いと煙たがれることもある。確かに、現実問題ではすべて品質工学の理想どおりにはことは運ばないだろう。いつでも現実的な解という結論は必要である(固有技術のアイデアやQC的な妥協案はあとでこっそり教えてあげればよろしい)。相手の能力を信頼してあるべき方向にチャレンジさせるのが、相手に対する礼儀であると思う。実際、私はそういう上司に恵まれて今でも感謝している。

 原和彦先生の「ほんまもんの技術者」の最後のくだりにある、富士通の細川氏の言 葉「理想を目指して技術開発を行うのと,妥協を目指して技術開発を行うのでは結果 に大きな違いが出てくる」ということが真実であると思う。最初から理想を放棄して議論すれば、 結局はまちがった屋根に上ってしまうのではないだろうか。 「品質工学の理想は高いけれど、まずはこの程度でも考え方を取り入れてみよう」 という具合に、考え方の原則を踏まえた上で、少しずつでもうまく正しい方向に導ければ、それを繰り返していくうちに、難しい理想にもいつのまにか近づいていくのではないか。

 たった10年間ではあるが、品質工学を実践してきてそう信じるものである。