2012/12/30

【今日の言葉109】

我々には、自分の目で見て自分の頭で考え、自分で間違える権利があります。「主人から正解を与えられる奴隷」でいるくらいなら、間違える自由市民でいるべきです。

福井健策”「ネットの自由」vs.著作権”(光文社新書)より。

TPPと著作権(知的財産権)の関係に関する本からの引用ですが、この一節は、品質工学等のイノベーション推進者・研究者の私たちに突きつけられているのではと感じます。
同書のつづきの文章に準えれば、
「間違いに気づいてやり直せる自由こそが、”学術研究”という壮大な実験場の生命線」ということになるのでしょうか。
(本書では”学術研究”は”民主社会”となっていますが、Societyという意味では同じですね)

2012/12/26

日本規格協会メールマガジン

日本規格協会のメールマガジンを紹介します。
毎月、各界の論客が品質や標準化などの話題を提供してくれます。
登録はこちら。
http://www.jsa.or.jp/seminar/join.asp?fn=bn/uptodate.htm

と、いいつつ今回は僭越ながら私が執筆させていただきましたので、いかその部分を引用します。
2月にまた品質工学セミナーを実施しますので、初心者の方のみならず、同業者の方にもぜひ聞いていただきたいと思っています。
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講師 株式会社ジェダイト 代表取締役 技術士 鶴田明三

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         ★│Q│S│か│わ│ら│版│★

『いいものを・はやく・安く作る
   〜技術の悪さを“はやく”見える化しよう〜』

三菱電機株式会社 生産技術センター
品質作り込み技術推進部 鶴田 明三

「品質工学をやっています」というと、たいていは「品質管理」と間違え
られるか、 あいまいに「あぁ、品質・・」と返されることがしばしばです。
直交表を使った実験計画法に似たようなものだ、という理解であるこ
とも多いようです。

品質工学を専門外の方に伝える際には、
「いいものを・はやく・安く作る方法を研究しています」
と言うように しています。これなら、文系の方や学生さんにも理解して
もらえそうですね。
さて、これからの寒い季節、風邪がこじれる前の「予防」が大切ですが、
今回は技術開発における「予防」のお話をします。

「いいものを・はやく・安く作る」は言うは易しで、みなさんも QCD(品質・
コスト・納期)の同時達成にご苦労されていることと思います。
性能や品質の目標が達成出来ているかを調べるためには、時間のか
かる試験 して、さらにそこで不具合が起こった場合には、原因究明と対
策に時間を とられてしまい、結果納期が守れなかったり、余計なコスト
がかかったりします。

技術の素性の悪さが、設計レビューや評価をすり抜けて、 後になって
ニョキニョキと顔を出すので、始末に追えないのです。
まず大切なことは、技術者が考えた技術(設計した製品)の素性の悪さ
を、 “はやく”見つけることです。この“はやく”には2つの意味があります。

1つは“早く”、つまり技術や製品を開発する早い段階 (コンピュータシミュ
レーションや簡単な試作)で、悪さを見つけることです。
まだ設計変更が可能な早い段階で悪さが分かることで、金型作り直し、
品質不具合、 開発遅れなどのダメージを最小限にすることができます。
製品を作ってみて出たとこ勝負で最後に悪さが分かるのでは遅いのです。

もう1つは“速く”、つまり出来るだけ短時間で悪さの評価を行うことです。
これは、開発期間の短縮に直結するだけでなく、決められた期間内で
設計改善を 行う回数も増やせることで、品質レベル・技術レベルも高める
ことが可能になります。

このような、早い段階での「予防」の考えかたに基づく評価方法は、
品質工学では「機能性評価」と言います
(難しければ、”機能の安定性の評価”と考えてください)。
例えば、歯車の場合では、長時間の試験で騒音や摩耗やガタツキを測る
のではなく、 歯車の働きはエネルギー(力)の伝達ですので、その働きの
変化を、 さまざまなお客様の使用条件で調べればよいのです。このような、
機能性評価では、 評価時間を信頼性試験の数10分の1以下に短縮した
事例も多数あります。

風邪の予防も技術開発の対策も、本格的に悪いと分かる前の早めの対応
が 大切です。機能性評価を使って、後で症状が重くならない技術開発を
始めましょう!

【事務局より】
品質工学セミナー終了後に受講生の方とお話をさせていただいた際、
セミナー参加前と後で品質工学の考え方が変わりましたと言うお話を
よくお聞きいたします。

例)「難しいイメージがあったが、先生のお話は技術者としては
   当たり前の話でセミナーに参加して霧が晴れた思いです。」

受講されている方は、企業様の中でも普段からお仕事に対する問題意識
も高く 品質工学との出会いで問題解決のきっかけを得て帰られます。

製品のさまざまな使用実態を把握して開発を行うなど、技術者には力量が
求めらますが、 「予防の観点」や、「いいものを・はやく・安く作る」品質工学
の考えを持つことで 企業様での利益につなげてください。

品質工学セミナー入門コース★

2012/12/19

技術士1次試験合格発表

本日、技術士第一次試験の合格発表がありました。
http://www.engineer.or.jp/c_topics/002/002176.html
マークミスもなかったようで、自己採点の結果どおり、合格するkとが出来ました。
先の記事で、今回は過去問が多く、比較的簡単な内容だったとお知らせしましたが、本年度の全体の合格率は63.3%と、過去最高の合格率となったようです。昨年のが合格率21.4%でしたので、大幅な合格率改善です。

来年度の2次試験はかなり受験者が多くなることが予想されます。
同時に、試験制度も変更になりますので、予断を許しません。

2012/12/16

「平成25年度技術士試験はこう変わる!」セミナー受講

 来年度(H25年度)より技術士試験(特に2次試験は大きく)内容が変更になる(10/17の投稿参照)。情報収集のために首記の講座を聞きに行った。かなり関心が高いらしく、受講生が主催者の想定人数を大きくこえたのであろうが、会場の変更の連絡が事前にあったほどだ。

 技術士会のHPで公開されている内容だけでは分からなかった(想定していなかった)内容もあり、有益だった。以下、セミナーの内容を詳細に紹介するのも差しさわりがあると思われるので、一部だけ覚書きしておく。

 特に選択科目の「選択科目に課題解決能力を問う記述式試験を新設する。」の部分は、深く考えずに読み飛ばしてしまいそうだが、もう1つの大変更である技術体験論文の廃止とあわせると、その意味が分かると言うのである。すなわち、選択科目の課題解決能力を問う記述式試験は、以前の技術体験論文の要約版(つまり、自分の体験に基づき論述させる問題)であり、これ自身も採点対象となるが、さらに口答試験での資料としても使用されることが強く想定されるのである。

 合わせて、出願時に同時提出する経歴書にも、特に技術士としてふさわしい技術体験1件を700字程度でまとめる様式が追加され、それも口答試験での資料として使われる。つまり、出願時に、筆記試験合格を想定して、完成度の高い技術体験文つきの経歴書を作成・提出する必要がある。しかも、そのフォーマットや記入要綱がはっきりするのは4月になってからである。いろんなパターンに耐えられるように、業務の棚卸しと体験の要約の準備が必要である。

 最後に1つ大事な情報を。技術部門全般の択一式試験であるが、足切りの場合論述式の採点を行わない措置がH27年度からと表向きはなっているが、「来年度から施行される」と考えておいたほうがよいとのことである。つまり、「択一式15問中9問(60%)未満は即、不合格」である。これは肝に銘じておきたい。

2012/12/09

白ワインとカジキのカレーソテー

久々の更新&久々の白ワインです。
フランスのレ・ヴィネロン・デ・モンブラン コート・デ・トング・ソーヴィニヨン・ブランです。

お相手は、カジキのカレーソテーにマヨネーズソースを添えて。
あと、アボカドとグレープフルーツ(タイム風味)も爽やかでよく合います。
定番のトマトとチーズとバジルソースの組み合わせそのまんまのオードブルもあります。

寒くなってくると、よけいに濃厚な赤ワインが飲みたくなる季節。
さきほど、ボルドーの2005年もの(大当たりの年です)を何本かまとめ買いしました。

年末まで風邪を引かないように乗り切りましょう!