2016/06/24

QES2016終了

6/23-24に開催された第24回品質工学研究発表大会(QES2016)に参加してきました。
たくさんの品質工学の先生方や仲間にお会いすることができました。夜の懇親会も盛り上がりましたよ。

今回は、ポスターセッションの司会や、発表聴講、地方研究会懇親会などもさることながら、やはり下名の新刊の先行発売がうれしかったですね。初日の大ホールでの来賓あいさつで、日本規格協会の揖斐理事長より、ASIコンサルティンググループの田口伸先生の新刊とともに、下名の本も紹介していただき、サプライズでした。多くの方から「買ったよ」の声をいただきました。ありがとうございます。

田口伸先生の本「タグチメソッド入門」もフライングゲットし、サインもいただきました。こちらもジックリ読んで、また書評が書ければと思います。

今回改めて思ったことは、品質工学はトップランナーの技術開発と、成果の出る実践を含めた普及の両輪の立場があるということ。特に、大企業で推進を行っている下名の立場では、後者を重視することが多い。今回の著作も一人でも多く実践を、との思いで書いたものです。

特設HP(URLは本書に記載)から、本書に関する感想やメッセージを受け付けています。必ず返事を書きますので、ご意見をいただければさいわいです。

さあ、明日は技術士会(近畿本部・経営工学部会)に参加。ここでも新刊をPR予定です!


株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

2016/06/13

品質工学研究発表大会(QES2016)6/23-24

 ことしも、6/23(木)、24(金)と品質工学会の品質工学研究発表大会(QES2016)が開催されます。

 下名も発表こそありませんが、2日目の機械分野のポスターセッションの司会を務めたり、地方研究会の懇談会に参加します。

 それと、6/30(木)発売予定の下名の初となる著書「これでわかった! 超実践 品質工学」10%オフで先行販売いたしますので、この機会をお見逃しなく!!
 田口伸先生(ASIコンサルティンググループ)の新刊も同時発売ですので、あわせてよろしくお願いします。


株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

2016/06/12

【8月福岡開催】品質工学入門セミナーと<新規>活用の仕方コース

 次回の品質工学入門セミナーは8月8日(月)~9日(火)に福岡地区で開催します。こちらも二日とも下名が講師を担当します。また今回の福岡開催ではさらに8月10日(水)にオプションとしてプラス1日の「活用の仕方コース」を新設で開催します。こちらでは、実際に品質工学の実験計画をフォーマットにのっとって作成し、その内容を実践的にコンサルティングします。つまり、講座のおわりには明日から職場で使える実験計画案が仕上がるわけです。ご興味のあるかたは下記をご参照ください。日本のものづくり、がんばっていきましょう!

品質工学入門コース受講者コメント

 さる2016年6月6日~7日に日本規格協会関西支部で、品質工学入門セミナーが開催されました。関西をはじめ神奈川や愛知からも広い範囲から20名もの方々に参加いただき、感謝いたします。

 今回は関西ではひさびさに2日間とも下名一人で講師を受け持ったのですが、2日間ともたくさんの質疑応答を実施することができ、大変内容の濃いディスカッションができたと思います。

 下記、受講者の方々の終了後アンケートからの抜粋です。励みになるコメントを多数いただきました。

・本に載っていない基本的な事からの講義は非常にありがたかったです。ありがとうございました。
・一般教科書より分かりやすくて、ていねい。
・パラメータ設計の概要が分かりやすく理解できました。
・難しく使いづらいイメージがありましたが、かなり応用範囲が広いので使っていくべき内容と感じました。
・理論が難しい印象を持っていましたが、実務に応用できそうだと感じました。
・良品の作り込みだけでなく、業務効率改善にもつながることを知った。
・概念、考え方の説明は非常分かりやすかった。機能性評価、パラメータ設計は実践の重要性も分かりました。質疑応答の時間が充実していたのが良かったです。
・自社におけるノイズ因子の一覧表等のノウハウ蓄積は今回を機に作成していこうと思います。
・今後に生かすことができる内容だった。ノイズ因子の影響の見える化を行っていき、設計段階で不良を防げるようにする。
・理論分野と実践分野がバランスよくまとめられていて、非常に分かりやすかったです。パラメータ設計ツールの配布もうれしいです。
・直交表やパラメータ設計などが大事だと思っていたが、それ以上に大事な機能定義を知った。
・考え方が変わった。パラメータ設計の考え方が間違っていたので、過去に行って実験の見直しを行いたい。
・品質管理との区別がついていなかったのが理解できたので、意識が変わった。

 いっぽう、テキストがカラーのほうが見やすい、休憩がもっとあったほうがよいなどの反省点もいくつかご指摘いただきましたので、今後の改善課題とさせていただきたいと思います。


株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

2016/06/05

出版予告(日程変更):「これでわかった!超実践 品質工学」

「これでわかった! 超実践 品質工学」6月30日発売。QES2016にて10%オフにて先行発売します!お見逃しなく!




株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

アブダクション思考と品質工学

昨日の関西品質工学研究会で、H社のSさんより「アブダクション思考」の紹介があった。概要を、かん吉さんの「わかった!ブログ」から部分的に引用する。

(引用ここから)
アブダクションとは?
「驚くべき事実Cが観察された。しかし、もし説明仮説Hが真であれば、Cは当然の事柄であろう。よって説明仮説Hが真であると考えるべき理由がある。」
via: これからの思考の教科書

1912年にドイツの気象学者アルフレート・ヴェーゲナーは『大陸移動説』を発表しました。彼は大学の図書館で世界地図を眺めていて思ったのです。
「アフリカ西岸と、南アメリカ東岸の形はあまりにそっくりだ。昔はいったいだったに違いない。大陸は移動するのだ!」「そう考えれば他の多くの謎も説明が付く!」。
via: われが神だ~仮説的推論(アブダクション)によるジャンプ

同世代の同じ化石が、世界中に点在しているという理由も、昔は世界はひとつの大陸だったという仮説で一発で解決するそうです。ものすごいパワフルな仮説ですよね。

おそらくこれまでの新発見のほとんどが、アブダクションから生まれているはずです。論理的思考からは、大胆な仮説は生まれません。
(引用おわり)

 研究会のSさんいわく、品質工学の機能の実現もアブダクション思考といえるのではないかということであった。つまり、「機能が理想的である(ありたい)」という事実に対して、「機能を設計するためのシステム・制御因子に関する工学的な知識」が前提としてあって、「考えたシステム・制御因子によって、機能が理想に近づく」という仮定を推論する。このプロセスがアブダクションである。

 したがって品質工学のパラメータ設計に入ってる利得の推定や、再現性の確認は、アブダクションではなく、帰納、演繹を用いた「科学的な」仮説検証の方法だと理解した(品質工学扱っている対象は「技術的」だが、その仮説検証方法は「科学的」ということ)。

 品質工学でアブダクション思考が可能となるのはない。またシステム選択や制御因子の考案は品質工学の範疇でもない。品質工学で可能なのは、アブダクション思考を用いた推論による発明・発見を、科学的検証方法によって「効率的」に検証することによって、評価の効率を高めることである。これによって、新しい時間を作り、その節約できた時間をまたアブダクション思考による発明・発見に活用できるようにすることで、技術開発の合理化に貢献するのである。

 なお、アブダクションを行うためにはたくさんの規則・知識を知っており、経験してるほうが有利である。特に大きなブレークスルーを必要としない99%の発明は既存の組み合わせの範囲である。過去の知識をデータベース化して発明・発見を手助けするツールがTRIZ(発明的問題解決理論)である。しかし、ヴェーゲナーや、万有引力のニュートンのような世紀の発明・発見はのこり1%のひらめきや天才的な創造力が必要とされるのであろう。


株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)