2022/12/07

「超実践品質工学の概要とうまく推進するためのポイント」③

 「超実践品質工学の概要とうまく推進するためのポイント」③

4. 機能性評価(機能の安定性評価)

4.1    「より早く,より速く」品質の評価を

対象(製品,部品,工程)に備わっている働きを機能といい,機能の安定性のことを機能性という.機能性評価とは,製品がお客様の手に渡って使用される段階で,機能がどの程度ばらつき・変化なく発揮できるかの実力,すなわち未来の品質を評価(予測)する方法をいう.

照明器具であればその明るさが,どのような使用条件,使用環境でも新品と同じようにいつまでも維持される,というのが望ましい性質である.このような使用段階での実力を,「より早く」(設計・開発の初期の段階で),「より速く」(短期間で)見える化したい.そして設計に弱点があれば,設計変更の自由度が高く,試作規模や手戻りが小さい段階で修正しておきたい.このように「短時間での実力の見える化⇔設計改善」の小さいサイクルを繰り返すことで,自信がもてる設計に近づけていくのが,目指すべき設計・開発プロセスである(図1参照).機能性評価でなぜ短時間の評価が可能になるのかについては,著書〔1〕(pp.47-51)に詳説した.

4.2    機能性評価の手順

機能性評価を行う段階では,「何を作るべきか(企画の問題)」,「それをどう実現すべきか(システム選択・機能設計の問題)」,「評価サンプル(またはシミュレーションモデル)の準備」は完了しているものとする.以下に機能性評価の概略手順を示す.

対象(製品,部品,工程)の働きである機能を入力と出力の関係で表現する.

その機能の入出力関係が,製品使用段階で変動する,ばらつくような要因(ばらつき要因)を多数検討して取り上げる.

ばらつき要因の中から重要な要因としてノイズ因子(誤差因子)を選択して,その条件の水準(厳しさ)と組合せを決める.

組み合わせたノイズ因子の条件のもとで,対象の機能がどれくらい変動するのかを観察してSN比で定量化する. 

ノイズ因子に対する弱みがあれば対策を講じて,設計を改善する(必要に応じてパラメータ設計すなわち直交表を用いた機能の安定性設計も適用する).


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超実践品質工学の概要とうまく推進するためのポイント」(6ページ)

(日本経営工学会の了承済)。

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