2018/06/18

AI(パターン認識)による地震予測に想う

2018年6月18日の朝8時ごろに大阪北部を震源とするM5.9の地震があった。最大深度は6強。現在のところ大きな被害の情報は入ってきていないが、1995年の阪神淡路大震災以来となる大型地震に肝を冷やした(筆者の住む伊丹では震度5弱)。

弊社の営業は通常通り再開しているが、業務も手に付かないので、地震予測についての雑感をまとめる。

東京大学名誉教授の村井俊治博士らが研究している、電子基準点(GPSによる地表面の3次元的な動きの測量)を用いた地震の予測がある(この技術には品質工学のMTシステムも併用されているとのこと)。2万人以上の読者がいる地震予測のメール配信サービスや、著書「地震は必ず予測できる!」、週刊ポスト2018/5/4号の記事などでご存じの方も多いかもしれない。

いつどこでどのくらいの地震が発生するかの正確な”予知”は不可能としても、危険なエリアや可能性を示唆する地震の”予測”なら可能かもしれないと、社会的使命で難しい課題に取り組んでいる(地震学者などの専門家とは異なり、国等からの研究費の支援はなく、メルマガ等の収入で賄っている)。

画像は週刊ポストの特集記事に掲載されたAI地震予測MAPである(著作権の都合上、必要部分以外は粗くしています)。


「なんだ、大阪の地震は当たってないじゃないか(6段階中レベル2のエリア)」と思われるだろう。確かに、気の毒なほど当たっていない。またこのような予測をセンセーショナルに書き立てて雑誌の売り上げを稼ごうとする出版社の態度が気に食わないという人もいるかもしれない。

この結果を見て「やっぱり地震の予測は無理だ」というのはとても安易な態度である(過去なら核の平和的利用、現在進行形なら自動運転などに置き換えてもよい)。また専門家自身も「予測はできない、メカニズムの研究に集中する」と言っておいたほうが予測できなかったことに対する非難を避けやすい(多くの専門家=地震学者は血税で研究費を賄っている)。

地震予測の進歩や実用化が難しいのは事実である。それには3つの側面あるようように思われる。以下はその難しさを説明しながら、我が国は、新しい地震予測の可能性を排除すべきでないという論を展開するものである。
※村井博士の研究は例として述べるまでで、特定の研究を擁護する意図はないことを断っておく。

1つめは予測そのものの難しさである。地震はカオス的な現象であるため、地震学者(主に目に見えない地下の動きを研究)はすでに匙を投げている。しかし現象がカオス的であるからといって、まったく法則がなにもないわけではない。個々の事象が全く予測できないランダムな事象でも、そのマクロなふるまいは予測できるというのが統計学の教えるところである。現状では地震を予測するパラメータが足りない、まだ見つかっていないだけと考えるほうが健全である。従来の地震の研究にこれ以上血税をつぎ込むのは正しくないのかもしれない。しかし難しいからできない、新しいこともやらないというのでは科学技術の進歩は望めないのである。村井博士の研究は、従来とは異なった前述の電子基準点のデータを使用している。これがベストだとかそういうことを言いたいのではない。今後ほかのアプローチも出てくるだろう。新しい技術の可能性を排除する必要は全くない。問題は実現可能性と、それが達成できたときの効果、研究開発に要する費用の見積もりである(現状、新技術による地震予測に対して国の予算はついていない)。

2つめは予測と結果に対する評価の難しさである。正確言えば数値による評価は可能であるが、それを受け止める側の感じ方の問題である。例えば地震予測においてエリアや期間を区切って、ある震度以上の地震が起こる平均確率が1/1000であったとしよう。つまりデタラメに予測した場合の的中確率は1/1000である。デタラメな予測にくらべて100倍も精度の高い”すごい”予測技術ができたとしても、1000回中100回”しか”当たらないのである。もともと発生確率が少ない現象の予測なので、相当予測精度が上がっても、やはり外れる「回数」はとても多いのである。これは感覚的には「ぜんぜん当たらい」と感じる。しかし10回のうち1回でも巨大地震の予測が当たれば多くの犠牲は避けられるのである。前述の村井博士は著書で「私たちは予測が外れることを恐れない」と言っておられる。大地震の予兆が出ているのに発表せずに多くの犠牲が出ることを避けなけなければならないと考えているからだ。受けて側が外れた回数にミスリードされて批判すると、発信者側もコトナカレ主義に傾きがちになる。回数や確率ではなくコストによる損得計算の方法が必要である。10%の実害による損失よりも、90%の取り越し苦労のコストは十分小さいはずである。
なお、そもそも当たっていない=有意でないものを当たったと吹聴しているようなもの、まったく計算が間違っているのに当たったというもの等は論外である。地震予測研究も玉石混交である。このようなことは、データのねつ造などが無い限り、統計的な検証で容易に真贋を確かめられることは付け加えておく。
(※文中の数値説明のための仮定の数値)

3つめの要因は多様であり下名の知識や文章力では整理しきれないのだが、各方面からの研究開発への停滞圧力である。たとえば科学技術コミュニティの内外におけるコミュニケーションギャップ、権威に対する過信、新技術に関しての過度な恐れ、あるいは既得権等による研究開発の停滞である。「専門家ができないと言っている」「予算の無駄づかいだ」「危険だ」「社会的合意が得られていない」「既存の利益を侵害する」等の理由でさまざまな分野の科学技術の研究が停滞している(遺伝子、医療、核など)。地震予測についても、専門家である地震学者が匙を投げており、国も新規の地震研究に対して研究費を予算化することに及び腰になっているのである。しかし専門家があきらめるのは勝手だが、「できない」ことを証明したわけではないのである。理由2でも述べたとおり、世論やマスコミや政府の中で「当たらない」という印象が強まってしまえば、「地震予測はムダ」という合意が形成され、仕分けの対象にされてしまうことも避けられない(新技術による地震予測にはもともと予算はついていないが)。地震予測の研究は、スパコンのような国際競争とは異なり、地震大国であるわが国固有の問題としてその是非を考える必要がある。

現在実現されている便利な世の中は、このような過去の科学技術に寄与した研究者やエンジニアの功績、それにリスクを受容してきた世論によって支えられていることを忘れてはいけない(もちろん、科学技術の負の側面を無視するわけではない)。計測技術やそれを扱うデータエンジニアリング(AI等)は日進月歩である。地震予測についても実用に足るような予測用の観測データや観測技術、解析技術が生まれる可能性は今後まだまだあると感じている。建築物や社会インフラの安全性・堅牢性、避難場所や経路、食料品やエネルギーの備蓄、国際協力等の対策とともに進めていくべき課題である。

株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

2018/6/18 大阪北部の地震に関する安否

2018年6月18日07時58分ころ、大阪府北部を震源とする地震(マグニチュード5.9)が発生しました。
株式会社ジェダイト社員および事務所の無事は確認済です。通常通り営業しております。近隣の方々、引き続きお気を付けください。

http://www3.nhk.or.jp/sokuho/jishin/index.html?id=JSA0180618075838_20180618080738


2018/05/26

技術者向け統計手法教育のご案内

 メーカ様から要望の多い、統計手法教育も実施しております。すでに大手メーカー様でも実施実績のあるコースです。

 まったくの統計手法の初心者の方を対象に、全12回で「仕事に使えるスキル」を学ぶことができます。数式中心ではなく、日常的な事例を用いて考え方を理解できるほか、エクセル演習を通じて「使える力」を育みます。


 御社に訪問して数名~30名程度までを対象に講義、演習を実施します。演習では弊社提供のExcelツールを使用し、セミナー後も自由にご使用いただけます。

 月2回で6か月、月1回で12か月で修了できます。もちろん、QC検定(2~3級)対策にも最適です。

標準的なプランで、1日3時間講義・演習+オプションで1時間個別相談の3時間または4時間です。
(1回1日~2日の訪問で2~4コマまとめて実施することも可能)

お問い合わせ
https://data-engineering.co.jp/contact/

<標準的なシラバス>
第1回 統計的手法の概要(考え方、学習のメリット)
第2回 データの種類、データの変換、母集団とサンプル、基本統計量
第3回 QC7つ道具、工程能力指数
第4回 管理図、正規分布と確率
第5回 大数の法則、中心極限定理、平均値の信頼区間
第6回 平均値の有意差検定、t分布
第7回 2つの分散の比の検定、F検定(分散分析へのブリッジ)
第8回 実験計画法①:フィッシャー三原則、平方和の分解、自由度、一元配置(繰り返しなし)
第9回 実験計画法②:一元配置(繰り返あり)、二元配置(繰り返しなし、あり)
第10回 実験計画法③:直交表の場合、品質工学(パラメータ設計)との違い
第11回 相関分析(単回帰分析)
第12回 重回帰分析、T法

株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

2018/05/01

統計で対人関係を理性的にとらえる

某社での統計手法講座で管理図や信頼区間の話をしている。
その時の雑談でこんな話はどうかと。

■■■ 統計で対人関係を理性的にとらえる ■■■

人生はいろんな出来事がランダム(運しだい)で起こることが多い。対人関係では、相手の感情もσで揺らいでいる。

したがって、相手の平均的な性格や態度より、良いことや悪いことが当然起こる。時には、つまらないことを言われたり、いやな態度を取られて腹が立つこともあるかもしれない。

そのたびに一喜一憂して有頂天になったり、思い悩んだりすることはムダである(管理図の考え方と同じで、いちいち原因を追究する必要はない)。

相手はたまたま何かで機嫌が悪いのかもしれない。二日酔いで気分がすぐれないだけかもしれない。何かほかのことをかんがえていただけかもしれない。

今回はたまたま平均より低い値をつかんだと考え、少し長い目で平均で見てあげよう(つまり、サンプルをとって平均値を推定しよう)。

その上で普段より対人関係の平均値が下がっていると感じれば、原因を探して対策を講じればいい(管理図で異常が見つかったときの処置と同じ)。

中長期的に対人関係の平均値を上げる(成長する)ためには、対策が必要である。コミュニケーションの改善など、自身の能力開発に努めよう(技術開発による改善と同じ)。

株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

2018/04/20

トヨタグループの品質工学(2011年まで)


(一社)日本品質管理学会中部支部・産学連携研究会編:「開発・設計に必要な統計的品質管理~トヨタグループの実践事例を中心に」, 日本規格協会 ,(2015).

少し前の本だが、このような本が発刊されている。
トヨタグループの編著者として、トヨタ自動車㈱ TQM推進部、サービス技術部、試作部評価技術室、さらにトヨタ車体㈱ 副社長、顧問、経営企画部 といった、そうそうたる面々が執筆されている。

この本の25章にトヨタグループの品質工学(および応答曲面法)の推進について、かなり本音で書かれており興味深い。以下はその要旨である。

・ロバスト設計手法として品質工学と応答曲面法を研修。
・登録された36件のテーマのうち半数の18件が取り下げまたは未着手。主な理由はテーマ登録時の手法と目的のミスマッチによる。
・上記の対策として、品質工学を適用しやすい領域などを受講生に案内し、可能な実験回数などを事前アンケート。
・動特性108回の実験が可能かの質問に対し、33%が不可能、20%が分からないと回答。
少ない実験回数しか実施できない受講生には、応答曲面法の受講を勧めた。
 ※ガイドラインとして、実験回数が50回以下しか実施できない場合、応答曲面法を推奨している。
・上記を実施しても、受講後3か月後の品質工学実施率は19%と低い値になった。その後の改善状況は記載されていない

このブログの読者であれば、何がまずいかの指摘はできるかと思う。
おおむね以下のような感じか。

・テーマをボトムアップあるいは担当者の目先の問題意識で選ばせている。
 したがって、本当に重要な問題に取り組んでいない(研修のためのテーマ)ケースが多くなり、リソースが与えられなかったり、他業務が優先されたりする(実施率が低い)。
・品質工学という手法を当てはめようとしている。推進事務局が品質工学を適用させることを目的としている。
・品質工学=直交表の実験との先入観があり、108回の実験が必須と考えている。
・品質工学と応答曲面法とを実験回数で使い分けている。
 ※これらの手法は目的も効用も異なる(鶴田注)

品質工学等の品質設計手法の活用には、別の対応が必要と考える。
これについては下名の著書株式会社ジェダイトのHPやセミナーでもいろいろお話ししていることなので、ここでは割愛する。

なお2012年以降は、品質工学会幹部の指導により品質工学の活動は仕切り直されているとのことで、ここ数年は学会発表も盛んである。今後の動きに期待したい。

株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

2018/03/20

スペクトルデータの場合のSN比の考察(2)

(その1から続く)

 この例に限らず、累積データで解析するのは間違いというのが、筆者の一貫した立場である。

 データを横軸に対して累積するということは、データを平均化してしまうということである(累積値は、使用したデータの平均値×データ数である)。横軸の波長ごとの出力の違いが評価に反映されにくいことになる。これは横軸が期間や時間の場合でも一般的に言えることである。したがって、売り上げなどのデータを期間で累積して、ゼロ点比例のようなデータに変換して解析するのもまずいという意見である。

 平均化されて、ばらつきの情報が失われるばかりではない。スペクトルデータにおける波長の小さい側と大きい側の重要度に優劣はないはずである。λ=400nmの強度データとλ=800nmの強度データの重要度は同じであり、公平に評価されなければならない。しかし累積した場合には、短波長側のデータは累積数が少ないためにデータの絶対値が小さくなってしまい、SN比の評価に反映されづらくなってしまう。仮に長波長側に大きなピークがあれば、その波長の様子が大きくSN比に反映されてしまうことになる。

 また物理的、技術的にも問題がある。出力強度を波長ごとに累積した値に、いったいどんな物理的、技術的意味があるのだろうか。かりに横軸が時間のようなものであればまだ理解できるが、異なる波長ごとに反射・吸収した光の強度(材料種=構造によって変わる)の足し算である。品質工学とは、対象を技術的にあるいは物理的にとらえ、対象の品質(機能の安定性)を評価する学問ではなかったか。その点でも、「形がゼロ点比例風になればいい」といいうのは、あまりにも本質を忘れた、形式的な考え方と感じてしまうのである。
 ※MTシステムの場合は予測できれば何でもよいので、任意のデータの和などの項目を作成することは許されてよいだろう。これは再現性とは別の話である。

 では100歩譲って、上記の累積値に技術的な意味があるとしよう(実際、横軸の物理量によっては意味がある場合もある)。そのような累積値でSN比を求め、再現性もあったとしよう。つまり、SN比の改善に効果のある制御因子(スペクトル分析の場合、分析条件)が見つかったとしよう。さて、この場合の有用と思われる前記の制御因子は、あくまで「累積値データのN1、N2条件の違いを安定化する」効果があるものである。平均値相当のものが安定したということである。しかしこれは、おおもとの目的であった、「各波長ごとで出力強度が安定していること」を保証しない。波長ごとの強度のばらつきが大きくても、累積や平均であれば誤差(率)は小さくなるからである。したがって、累積値で再現性があり、有用な制御因子が見つかり、最適化をしたとしても、データを累積前のオリジナルに戻した時に、果たしてばらつきが改善されているかどうかということである。これはかなり怪しいと言わざるを得ないだろう。累積データが安定していることは、オリジナルのデータが安定していることの(かなり限定された)必要条件でしかない。特に、短波長側のデータは必然的には改善できないだろう。

 オリジナルのスぺクトルデータを用いて評価した場合の再現性の問題は、評価特性の悪さに起因するのであろう(制御因子の交互作用の問題も、おおもとを辿れば評価特性の問題であることが多い)。材料分析のような分析化学的なスペクトルデータでは、波長λの強度データと、λ+Δλの強度データではまったく異なる意味をもつ。材料種によってわずかなΔλの違いでピークを持つため、精密な材料分析が行えるのである。同じ材料を計測してスペクトルデータが横軸方向にもずれてしまう現象は、分析機器側のメカニズムとノイズの作用に起因するものである(材料は固定なので実際にλがシフトするわけではない)。そのような分析機器のメカニズムや働きに立ち返った「機能」の考察が必要である。


株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

スペクトルデータの場合のSN比の考察(1)

 昨年秋に参加した品質工学シンポジウムのあるテーマで、このような事例が議論になった。

 対象データはスペクトルデータである(図1のイメージ、筆者がフリーハンドで描いたもの)。横軸は波長(他に波数、周波数など)がとられることが多く、縦軸は出力の強度(intensity)である。例えば材料分析の場合に、材料に光(広い意味で電磁波)を当てて、そのときの反射や吸収の強度を、横軸の波長別に走査することで、材料に特有の波形(スペクトル)が得られる。これにより材料が何であるのかを特定する。

 このようなデータをノイズ因子(測定環境)N1、N2のもとで測定した場合、どのようにSN比を求めるかという問題である。

 普通に考えれば、それぞれの波長における基準波形[=材料ごとにあらかじめ精密に測定され、データベースとなっている]が信号となるが、ここでは標準SN比の考え方でN1とN2の出力Yの平均を使用する(これでも以下の議論に支障はないし、いつも基準波形が得られるとは限らないため)。

 問題は、このようなスペクトルデータの場合、N1とN2が縦(出力)方向にずれるばかりではなく、横(波長)方向にもずれてしまうということである。そのため、波長条件によっては頻繁にN1とN2の出力の大きさが入れ替わってしまうことが考えられる。

 N1とN2の出力の平均Y0を横軸(SN比計算のための信号)として出力Yのグラフを描くと、図2のようなイメージになる(フリーハンドで描いたもので図1には実際は対応しない)。このようなデータのもとで標準SN比を求めると、再現性が悪いらしい(発表者談)。


 そこで発表者は、図1のスペクトルデータの強度Yを横軸の波長方向に対して累積させたデータに変換させたという。つまり、N1条件のデータをY11,Y12,Y13,…,Y1kとすると、1つめのデータはY11、2つ目はY11+Y12、3つ目はY11+Y12+Y13、…という具合である。これによりデータは必ず単調増加となる(Yij≧0のため)。したがって、N1とN2のそれぞれの累積データを、これらの平均値を横軸としてプロットすると図3のような、一見すっきりとした形になる(これも筆者がフリーハンドで描いたイメージ)。

 発表者は、これでSN比を計算すると再現性が上がったという。果たしてこれでよいのであろうか。その2に続く。

株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

2018/02/19

MS社の入社試験問題と言語分析哲学?

Facebookのお友達の中で少し盛り上がったので、こちらに転載して少し考察を。

窓を作るMS社の入社面接で以下のような問題がでたそうだ。筆者は、問題の意図が分からず、そのまま「30じゃないの?」と思ってしまった(浅はかダネー)。
※この次に答えが出てきますので、考えたい方はここでいったんストップ!

出典:KADOKAWA社「笑う数学」より

クイズを出すことがこの投稿の意図ではないので、最初にこの本に載っていた回答を要約すると、
「高さが最大となる直角三角形は、直角二等辺三角形なので、斜辺が10cmだと高さは最大で5cmとなる。したがって高さ6㎝の直角三角形は存在しないので、求められない。」
というものです。

筆者の印象は「くそぅ!ひっかかった!」という素朴なもの。
この投稿に対してのFacebookでのコメントはさまざま。

①「ひっくり返した時に6が9に見えるので10×9÷2をしてしまうとか?」
②「 何で企業面接で、小学生レベルの問題を出してきたのかと(コンテキストから)警戒できるかどうか。正答に至らなくても、その辺りは観察したいところです。」
③「平面上では成り立たない。条件を満たす曲面が存在するのでしょうか?(誰もユークリッド平面とは言ってませんヨ、的な)」
④「答えを確認したあとは、『もしどうしてもこの問題を通して答えを出さなければならないとしたら、私だったらどうするかな。』とおもいました。」
⑤「そもそも無い物をキッパリと求めなさい。と言うのは、問題のクオリティ面でアウト。」

みなさんさすがですね。①はユーモアセンスあり、②は出題のコンテキストを疑う、③④は隠れた前提が無いかまでさかのぼって考える、⑤は存在しないことを指摘した上で、語用論的な批判に及んでいます。これらは「30」と即答した筆者よりも何歩もリードしていると言えるでしょう。

で、気になったのはここから。⑤は非存在を指示対象とする批判で、言語哲学的です。
「現在のフランスの王はハゲ」のように「文章中の指示対象(現在のフランスの王)が存在しない場合、その文章は意味を成すのか、真・偽の値をもつのか」という問題はラッセルの記述理論で一応の解決を見ています。「有意味かつ偽」という結論です(もちろん批判もあります、特に今回の問題のような命令文については)。

MS社はひょっとするとそこを突いているのかもしれません。そこで、受験者は下のように答えることで目的を達成できる=自分の優秀性をアピールできる可能性があります。

受験者「その問題文前半の『この三角形』は『Xが図示された直角三角形であり、そのようなXが存在する』の省略形です。これは偽なので、問題文前半は偽となり、それを指示する後半の命令文『Xの面積を求めなさい』を実行することはできません。」

これぐらいの変人、いや論理学やメタ思考を操れる人間でないとこの会社には採用されないのかもしれませんね。

…しかし、これでは説明がくどいし、ユーモアのセンスに欠けるのではないか。

そこでMS社のそっけないユーザインターフェース風に、以下のようなエラーメッセージを一言ぶちまけてはどうだろうか。

受験者「オブジェクトが見つかりません。」

2018/01/29

【今日の言葉154】安易に目先の問題に飛びつくな

「宙ぶらりん」の状態に耐えてこそ、たどりついた結論が確固たるものになる。
(中西輝政「本質を見抜く考え方」より)

 私は「答え」や「道具」を教えるタイプのコンサルではありません。まず徹底的に現状の分析と課題の抽出を行います。しかもそれをコンサルタントが行うのではなく、お客様(技術リーダー格、またその候補の方)にやっていただきます。当方はそのお手伝いをするだけです。コンサルが企業さんの問題点を決めつけて指摘したりはしません(視点やヒント、道具を与えることはしますが)。なので、場合によっては本質的な問題が見つかるまで何か月もかかります(最初からそういうスケジューリングをしてます)。お客様は悩んで、考えつくすことになります。「気づく」までやります。

 当然、依頼した企業の責任者の方は「まだ問題に着手しないのか」、「まだ成果がでないのか」とやきもきします。こちらもその雰囲気を感じて、問題に見える点を指摘して、さっさと解決に向かいたい衝動にも駆られます。成果が出なければクビの世界ですから。

 しかし、信念をもってこの「宙ぶらりん」の状態に耐えないといけません。現状分析や課題抽出のところを中途半端にやると、本当の「登るべき山」に登れないからです。間違った山に登ったところで成果は出ませんし、出たとしても小さな成果が一度きりです。最初から道具を用意してそこに当てはめる、というのもモッテのほかです。

 また、コンサルに指摘された問題を、指導された方法でやるというのは、「やらされ感」しか生まれません。その時はやっても(やったふりをしても)、そのあとはやらないでしょう。自分たちの目で見て考えた「本当の問題」について、自分たちが主体的にやる気にならなければ、実行はおぼつきませんし、リピートや定着につながらないと考えているのです。課題が確定してから、道具のことを考えればよいのです。どのような課題にも対応できるように、コンサルは道具の引出しは多数持っておく必要があります。

 イノベーションを阻害するのは、短期的成果を求める経営者である、とはよく言われることです。お手伝いするコンサルの側も気を付けなければなりません。今お手伝いしている企業様でも、じっくりと「膿を出している」ところです。

※個別課題の相談はスポットコンサルでお受けしています。


株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

2018/01/27

【今日の言葉153】一人で過ごす時間の重要性

静かに休日を過ごすと、嫌でも自分と向き合わざるを得ない。
(ユダヤの聖典「タルムード」より)

このあとに、こう続きます。
「それができない人ほど自分を忘れるために忙しく遊ぶことになる。それでは自分を創ることはできない」

ぼうっと何もしないという過ごし方は苦手ですが、一人で本を読んだり、写真を撮りに旅に出たり、神社を巡ったり、ふらりと酒場に入ったりするのは好きです。本を書いたり創作したりする作業も個人プレーの方が得意で合作は苦手。友人と会うときも二人のことが多い。社交的に見られますが、不特定多数の方と群れて過ごすのはあまり得意ではないですね。


株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

2018/01/19

2種類の誤りがある場合のデジタルSN比とオッズ比は同一(3)

(前投稿からのつづき)
分離システムの評価指標は、有効成分(または有害成分)について排出口#1と#2で経済的な差があっても変化しないことが望ましい。経済的な差に対する校正は分離システムのSN比とは別の問題だからである。

※寄与率ρを用いて評価する、デジタルのSN比は、システムの品質の問題と、校正の問題が分離されていなかったので、田口氏自ら間違いを指摘し、修正した経緯がある。
「実験計画法第三版」24.2.4節(p.684)
「SN比の計算問題は、式(24.27)で解けたと思ったのが筆者の大きな誤りであった。式(24.27)には、校正問題すなわちソフトウェアの考慮が欠けていたのである(以下略)」

ここで、排出口#1に気泡Bが混ざるのは品質上の損失が大きい(それを防ぐのがこの分離システムだから)が、排出口#2に液体Aが混入する損失は小さいとしよう(収率が少し下がるだけだ)。

排出口#(回収側)において、液体Aが一単位得られる利得をa、気泡Bが一単位混入する損失をbとする(0<a<b、イメージ的にはa<<b)。排出口#2(廃棄側)については、液体Aを失う損失は前記の利得a(の消失)で、気泡Bを回収できる利得は前記の損失b(の救済)で表現されている。

オッズ比による利得/損失比
ηT''=10log[(a*yA1*yB2)/(yA2*b*yB1)]^2
  =10log(a/b)^2+10log[(yA1*yB2)/(yA2*yB1)]^2  (db)

デジタルのSN比による利得/損失比
ηTa=10log[(a*yA1*yB2)/(yA2*b*yB1)]^(1/2)
  =10log(a/b)^(1/2)+10log[(yA1*yB2)/(yA2*yB1)]^(1/2)  (db)

いずれも経済性に関係する第1項の成分だけがSN比に加えられるだけで、a,bの値によってSN比の相対比較には影響をおよぼさない。すなわち、校正(損失を最小にするための許容差設計)とは独立した、システムの品質評価の尺度になっている。

なので、システムを改善する際(パラメータ設計で最適水準を選ぶ際)には、統合されたこれらのSN比をそのまま使用してよいことになる(利得と損失のSN比を比べてトレードオフを取る必要はない)。

これらの式では損失金額を計算するときに、真数部[ ]^n が金額に比例するようにもとの単位系を調整するなど、留意する必要がある。

最後に注記しておくと、先の細川氏の報文でも述べられているように、yB1=0(回収側の気泡を0)を目標とした場合、これは校正の問題ではなく、高度な分離システムの品質改善問題である(報文では「開発活動」と言っている)。校正で可能なのは、一定の分離システムの品質において、上記の利得と損失のバランスを簡単な手段(制御因子)で調整することのみである。

【まとめ】
・オッズ比と2種類の誤りがある場合のデジタルのSN比(=エネルギー比型SN比)は、比例定数を除いて等価である。
・これらのSN比は、原料比の影響を受けない。
・これらのSN比は、校正(経済性を加味した調整)の影響を受けない。

株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

2種類の誤りがある場合のデジタルSN比とオッズ比は同一(2)

(前投稿からのつづき)
SN比は、分離システムの評価であるので、原料比yA:yBの変動に影響を受けてはならない。ここでは簡単なデータ例で検証してみよう。

液体Aは、有効成分yA1:有害成分yA2=9:1に、気泡Bは有効成分yB2:有害成分yB1=5:5に分離できる品質をもったシステムを考える。このとき、下記のように原料比が変わったとする。

Case1
                                    排出口#1 排出口#2
液体A yA=100    yA1=90   yA2=10
気泡B yB=100    yB1=50   yB2=50

Case2
                                    排出口#1 排出口#2
液体A yA=100    yA1=90   yA2=10
気泡B yB=10      yB1=5     yB2=5

オッズ比ηT’’、デジタルのSN比ηTaとも、真数部に(yA1/yA2)*(yB2/yB1)をもっているので、分離品質yA1/yA2とyB2/yB1(9:1と5:5)が一定であれば、原料AとBの比が変化しても、SN比は不変である。

オッズ比
Case1  ηT''=10log[(90*50)/(10*50)]^2=10log81  (db)
Case2  ηT''=10log[(90*5)/(10*5)]^2=10log81  (db)

デジタルのSN比
Case1  ηT''=10log[(90*50)/(10*50)]^(1/2)=10log3  (db)
Case2  ηT''=10log[(90*5)/(10*5)]^(1/2)=10log3  (db)

いずれのSN比も、原料比yA:yBの違いによって、品質評価の影響を受けない。

次の投稿で、経済性について考えてみよう。

株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

2種類の誤りがある場合のデジタルSN比とオッズ比は同一(1)

久々にSN比の数理に関する投稿。

2018年1月号の品質誌(日本品質管理学会誌)に、リコー細川氏による、分離機能(液体と気泡の混合物を分離したい場合)のSN比について論じられている。

細川, 佐々木:”開発活動に適した分離機能の評価方法と実験方法", 「品質」, Vol.48, No.1, pp.112-116, (2018).

この論文に対する評価ではなく、以前論じたエネルギー比型SN比とデジタルのSN比の関係、それにオッズ比について備忘録として残しておきたいという意図である。

原料である液体Aと気泡Bを処理して、排出口#1からは液体Aだけをだきるだけ多く回収したい。排出口から#2からは理想的には気泡Bだけが出てくるとよい。

データセットとして以下を考える。
                       排出口#1 排出口#2
液体A yA    yA1   yA2
気泡B yB    yB1   yB2

データは単位量(例えばℓ)の倍数と考えていただきたい。
すなわち液体Aは、yA1:yA2に分離され、気泡BはyB1:yB2に分離されるという機能である。

細川氏の論文に提示されているSN比はオッズ比と呼ばれるもので、情報通信(1を1と伝え、0を0と伝える機能)の品質や、検査などの判別性能を評価するのに用いられてきたものである。情報の判別も、材料の分離も、本質的に同じ評価ということである(つまりエントロピーの大きい入力をエントロピーの低い出力に変換できればそのシステムの品質が高いということだ)。

さて、オッズ比ηT''(記号は前論文にならった)では、

  ηT'=10log[(yA1/yA2)/(yB1/yB2)]^2=10log[(yA1*yB2)/(yA2*yB1)]^2 (db)

となる。
対数の中身の分子(yA1*yB2)が有効成分、(yA2*yB1)が有害成分であることは、データの定義から明らかである。

この式の意味は、田口玄一氏によって修正された2種類の誤りがある場合のデジタルのSN比とほぼ同意である(詳しくは、拙書「エネルギー比型SN比」のp.70~を参照)。
Aの分離率をpA=yA1/(yA1+yA2)、Bの分離率をpB=yB2/(yb1+yB2)とすると、SN比はこれらのオメガ変換値の平均(db単位で平均=和を取ること)で、

 ηTa=[10log(pAのオメガ変換値)+10log(pBのオメガ変換値)]÷2 (db)
   =10log[(yA1/yA2)/(yB1/yB2)]^(1/2)

オメガ変換値が、エネルギー比型SN比と等価であることは、前の投稿でも示した。

ηT''とηTaは本質的に同じ式である。logの[  ]部が2乗されるか(デシベル値が2倍になるか)、1/2乗されるか(デシベル値が1/2倍になるか)の違いだけで、相対比較を行う分には本質的な違いはない。

つまり、オッズ比もエネルギー比型SN比と完全に整合が取れているということである。

次の投稿で、これらの指標が原料比yA:yBに依存しないかどうかについて考えてみよう。

株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

2018/01/18

「エネルギー比型SN比」無料レポートリリースのお知らせ

株式会社ジェダイトのホームページより、かねてより「これでわかった!超実践品質工学」の無料レポートを請求できるようになっておりましたが、
このたび「エネルギー比型SN比」(20ページ)が合わせて入手できるようになりましたので、ご興味のある方はぜひご覧ください。

ご請求はホームページの「お問い合わせ」の特設フォームから!

「これでわかった!超実践品質工学」
#01 ~早い段階で”未来の品質”の見える化を!~
#02 ~ここが問題!従来の試験方法~
#03 ~「機能性評価」で「より早く、より速く」品質の評価を~
#04 ~機能定義のコツ教えます~
#05 ~あえて「悪くなる」条件を作り出すノイズ因子~
#06 ~SN比は意味を理解して、ツールで使いこなす~
#07 ~機能性評価の使いどころと効果~

「エネルギー比型SN比」
1. はじめに
2. 技術評価におけるSN比
2.1. 従来のSN比
2.2. 従来のSN比の課題(1) ~信号の大きさによる影響~
2.3. 従来のSN比の課題(2) ~データ数による影響~
2.4. 従来のSN比の課題(3) ~個別的な計算方法~
2.5. 従来のSN比の課題(4) ~計算の複雑さ(使用面、教育面での困難性)~
3. エネルギー比型SN比
4. エネルギー比型SN比の検証
4.1. 従来のSN比の課題(1) ~信号の大きさによる影響~
4.2. 従来のSN比の課題(2)~データ数による影響~
4.3. 従来のSN比の課題(3) ~個別的な計算方法~
4.4. 従来のSN比の課題(4) ~計算の複雑さ(使用面、教育面での困難性)~
5. おわりに

株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

2018/01/07

自分の強みを知る(2)

240もの質問に答えることで、自分の強みを24種類の中からランク付けして知ることができます。診断方法など詳しくは以前の投稿を参照。

で、今回3年ぶりに実施してみました。
1位の楽天主義・未来志向は変わらず首位!(笑)
「You believe that the future is something that you can control.」というフレーズはいいですね。

3位の独創性・創造性、4位の学習への愛も前回5位までに入ってました。
それ以外では、2位に感謝、5位にユーモア・遊び心がランクイン。なるほど、なるほどという感じです。心に少し余裕ができたのかもしれません。

時々、心境の変化を立ち止まって見てみるのもよいでしょう。

Your Top Strength
Hope, optimism, and future-mindedness -
You expect the best in the future, and you work to achieve it. You believe that the future is something that you can control.

Your Second Strength
Gratitude -
You are aware of the good things that happen to you, and you never take them for granted. Your friends and family members know that you are a grateful person because you always take the time to express your thanks.

Strength #3
Creativity, ingenuity, and originality -
Thinking of new ways to do things is a crucial part of who you are. You are never content with doing something the conventional way if a better way is possible.

Strength #4
Love of learning -
You love learning new things, whether in a class or on your own. You have always loved school, reading, and museums-anywhere and everywhere there is an opportunity to learn.

Strength #5
Humor and playfulness -
You like to laugh and tease. Bringing smiles to other people is important to you. You try to see the light side of all situations.

自分の強みを知る(2015年2月調査)
https://tsuruzoh-qe.blogspot.jp/2015/02/blog-post_9.html

2018/01/05

品質工学活用の前に統計的手法の習得は必要か

あるメーカー様より以下のような質問があり、他の方にも役立つFAQだと判断しましたので、Q&A方式で紹介しますね。

Q.
品質工学を社内で活用・推進するにあたり、そのベースとして統計的手法の習得は必須なのでしょうか。

A.
おそらく、「品質工学の前に統計的手法を」という意見の背景には、
「品質工学とは、直交表を用いてとったデータを高度な統計解析によって“料理”し、有益な知見を得るための手段」
との認識や、実験計画法との混同があるのではないかと推察されます。

結論から言えば、ご質問の順番にこだわる必要はありません。「統計的手法→品質工学」という段階的なものではなく、これらは両輪、相補的なものであると考えます。仕事の内容によってどちらかに重点を置く場合もあるでしょう。

品質工学(特に弊社が推奨する超実践品質工学)は、統計的な考え方ではなく、
 ①技術的な考え方(機能定義)と、
 ②お客様の使用条件・環境(ノイズ因子)をベースに、
品質の見える化・評価方法について、効率的な新しい切り口を与えるものです。それによって、開発設計の効率化と、新しい技術についての着想を得るためのものです。

よって統計的手法は、品質工学“活用“のベースとはなりません。
(SN比の計算もごく初歩的なもので、極論を言えば、Excelで計算しても品質工学の本質を損なうことはありません)

一方で、開発設計における因果関係の分析や、製造工程管理、開発・製造中の不具合解析を行う上では統計手法の知識が必要となります。

つまり、
 統計手法=データが“どうなっているか”を数学的に表現する
 品質工学=どうすれば効率的なデータを取れるかを技術的に考える
と言えるでしょう。

世の中の品質教育で「統計手法→品質工学」のような段階的な体系になっていることが多いですが、これは、統計手法の上級編として「実験計画法」が位置づけられることが多く、その類推から品質工学が統計手法の上級編と誤解されるのではないでしょうか。

弊社では統計的手法と品質工学(と信頼性手法)をあわせて「データエンジニアリング」と言っており、目的に応じて使い分けたり組み合わせたりすることが必要と考えております。ご興味がありましたら、下記のリンクをご参考ください。

株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

2017/12/31

2017年良かったこと総括

大晦日にFBとGoogleカレンダーを見直して1年を振り返りました(12年続けたシステム手帳は退職後やめました)。

SNSに書ける範囲で、今年の10大ニュースをビジネス編とプライベート編に分けて、良かったこと中心に。

【ビジネス編】
1 株式会社ジェダイト設立・創業
2 全国、多数の企業・組織と協業を開始
3 自主開催セミナーを7回開催
4 3冊目の著書を上梓
5 1冊目の著書「超実践品質工学」が2回増刷
6 複数のQE地方研究会、シンポで講演などに出稿
7 ものづくり.comに専門家登録し、記事やQ&Aを提供
8 品質工学会で大ホールの司会、カタログ展示
9 日本規格協会、日科技研のセミナーに多数出講
10 相原勇さんにウェブマガジンのインタビューを受ける

【プライベート編】
1 6月に2週間の北海道単独ツアーを敢行!念願叶う
2 娘が漢検準2級、英検3級に合格、夏休み自由課題も表彰
3 家族で九州旅行、山陰旅行、淡路島旅行などで、グランピング・観光・撮影を楽しむ
4 10月にも3泊4日の北海道単独ツアー
5 尿酸値が5.9に大幅ダウン、ピロリ菌退治、病気せず
6 ブログが15万PV突破
7 旅行、出張、ドライブ、近隣散策などで多数の神社に参拝
8 競馬の年間回収率102%と辛くもプラス
9 わがベイスターズ、19年ぶり日本シリーズ出場
10 周り年の48歳の誕生日を迎え、5周り目をスタート

今年もブログを見ていただきありがとうございました。
いろんな方に出会え、ご支援いただき、感謝、感謝です!
来年もよろしくお願いいたします。

株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

2017/12/25

【2/1(木)-2/2(金)】品質工学セミナー入門コース in 大阪(2日間)

毎年2月、6月恒例の日本規格協会(関西支部)さんの、品質工学入門セミナーです。2日間じっくり聞けるのが本講座の特徴です。機能性評価、パラメータ設計を中心に、それ以外の品質工学の手法の概要も説明して、全体像がつかめるようになっています。

品質工学(タグチメソッド)を実務に活用することを第一目的におき、品質工学の使用目的の丁寧な説明や、実務での活用方法、教科書にはあまり記載がないようなノウハウはコツを満載した講義、演習をお届けます。さらに、Excelですぐに使用できる、実験計画シート・パラメータ設計解析ツール」をプレゼントいたします。

開催日 2018年02月01日(木) ~ 02月01日(金)
開催場所 日本規格協会 関西支部
対象 技術部門・製造部門の技術者の開発設計担当者
   各部門の管理者・スタッフ
参加費 一般: ¥ 51,840 <税込>
     維持会員: ¥ 46,440 <税込>
※参加費は、テキスト・資料代を含んだ金額です。

詳細・お申込みは日本規格協会まで。
https://webdesk.jsa.or.jp/seminar/W12M0180/index/NB





2017/12/22

【1/25@東京】エネルギー比型SN比セミナー

6月に引き続き、来年1月25日(木)に東京にて、(株)日本科学技術研修所主催のセミナーを開催します。著書「エネルギー比型SN比」に準拠した内容です。

技術クオリティを見える化する新指標
エネルギー比型SN比

パラメータ設計を用いると,使用条件のばらつきや劣化などのノイズに強い設計・開発が行えます.しかしそこで用いるSN比は,入力信号の大きさ(範囲)やデータ数によって変化してしまうことがあり,技術者はそれに留意してデータを取得・分析をしなければなりませんでした.

「エネルギー比型SN比」を用いることでこれらの問題点から解放され,幅広いデータに対してシンプルに分析ができるようになります.
本コースではそのノウハウを演習を交え,1日間で分かり易く講義します.

本コースに参加のお客様には,会社や自宅に帰ってすぐに活用できる「JUSE-StatWorks/V5 期間限定版(30日間)CD&テキストのデータ」をお渡しいたします.
※ パソコンを1人1台用意いたします.講義と演習を織り交ぜて進めていきます.

一般27,000円(パッケージご購入者、保守契約者、アカデミック割引あり)
開催詳細は上記リンクまで。


株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

2017/12/13

【今日の言葉152】一夜漬けが最も効率が良いわけとは?

一夜漬けが最も効率が良い。
(三菱電機株式会社 取締役会長 山西健一郎:社内技術士会での講演にて)

このあとに、こう続きます。
「ただし、それができるだけの実力をつけておくことが必要」
だと。

 メーカーさんをお手伝いしていますと、「開発の途中で仕様や規格が変わることが多く、そのたびにやり直しが発生している。」ということを相談されます。そこで、上の言葉を思い出しました。

 理想的にはきっちりとマーケティングしておき、商品開発開始後は仕様を凍結するのがよいでのが、移り変わりの激しい昨今、開発中に状況が変わったり、他社の開発状況や新製品発売などの情報によって、仕様変更を余儀なくされることも多いかと思います。

 その際に重要な考え方として、「できるだけ仕様凍結を引き付ける」ということです。仕様凍結を直近にすればするほど、情報が新鮮で確度も高いわけです。しかし、仕様凍結をそれだけ直近に近づけるということは、開発期間もうんと短くなるわけですね。つまり究極的には「一夜漬け」です。

 そのためには「それができるだけの実力」が必要なわけですね。たとえば、素材メーカの場合だと、「どのような特性値の仕様が来ても、即座にその特性に合わせ込めるような技術開発」を先行してやっておくとか、ソフトウェアのライブラリやモジュラー設計の考え方もこれに近いと思います。つまり、そういう基礎研究、先行開発の重要性を言っているわけですね。

 基礎研究、先行開発の段階ではまだ仕様や規格値がないわけですから、「性能を確保した上で、さまざまなノイズ(環境や使用条件など)に安定で、特性値が自由に調整できる技術」という方向性での研究開発になります。仕様や規格値が無いので、基本的には相対的な評価(従来品や他社品との比較)になります。この考え方が品質工学の機能の安定性評価(機能性評価)なんですね。

 さらにシステマチックに特性を改善したり、調整できる因子を探したりするのは、パラメータ設計と呼ばれます。最終ユーザの仕様が不明確なことが多い素材メーカーでは特に重要な考え方だと思います。

株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

2017/12/12

【今日の言葉151】部分最適が問題なのではない

一流のオーケストラは、部分最適と全体最適が同時に達成された演奏ができる。

 「日本人は小手先の部分最適は得意だが、巨視的な全体最適レベルにまで達していない」などと、自分以外の日本人を見下したような説教を垂れる人もいます。

 本来は、部分最適がそのまま全体最適になることが最も理想的な形。つまり部分最適がいけないのではなく、部分最適が全体最適にならないことが問題なのです。

 世界一流のオーケストラともなると、レベルの高い楽団員がそれぞれ力量を存分に発揮するからこそ、高度なアンサンブルが見事に達成されるわけです。

(平野喜久著「天使と悪魔のビジネス用語辞典」より)

 言いえていますね。学会では全体最適だ、マクロ視点だと喧しいですが、まず個々のメーカや技術部門、技術者が、全体最適の「部分」としての部分最適で相応のレベルに達しているのか、が問題のはずです。また得てして、部分最適のレベルすらお粗末なところも散見されます。

 本書にもあるように問題の本質は、全体最適がうまくいかないのは、部分最適を目指しているからではなく、部分最適すら十分に達成できていないから、という見方もあるわけです。

 下名の著書「これでわかった!超実践品質工学」では、全体最適の点について幾分割り切った考え方を提示しています。詳しくは前書きを参照していただくとして、メーカーさんをお手伝いする以上は実行できて成果がでることを目指さないといけません。これを「妥当な解」といいます(妥協じゃないですよ)。現場がいつまでも理想に振り回されていて、全然成果がでないというのでは、効率と割切りに長けた中韓台や新興国にどんどん追い抜かれていってしまうわけです(長期的な基礎研究を否定しているわけではありませんし、むしろそちらへの投資は必要でしょう)。

株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

ロバストパラメータ設計のJIS規格

 遅ればせながら、今月の関西品質工学研究会で、顧問より品質工学におけるISO/JIS規格である「JIS Z9061:2016(ISO 16336:2014) 新技術及び新製品開発プロセスのための統計的方法の応用-ロバストパラメータ設計(RPD)」が紹介された。

 各社でJISが置いてあるはずだから参照されたい、とのことであったが、下記のサイトで閲覧できるので備忘録として紹介しておく。

http://kikakurui.com/z9/Z9061-2016-01.html

 規格類ドットコム(kikakurui.com)というサイトで、JIS規格票のテキストを閲覧でき、横断的な全文検索も可能とあり、非常に便利だ。

 また日本工業標準調査会のページで図表入りのファイルをダウンロード可能である(Z9061で検索)。

 しかしなぜ、ISO16000シリーズ(安全衛生 マネージメントシステム)の規格なのかは謎である。JISのほうでは品質マネジメントシステムのJIS Z9000シリーズに入っている。ISO9000との整合性を問われたのだろうか。ご存知の方はご一報いただけると幸いである。

株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

2017/11/16

【今日の言葉150】

恥ずかしいのは、負けないこと。


近代資本主義下の現在社会において、勝負を避け続ける思考プロセスは、世の中を悪くする重要なひとつの原因である。
心がけの正しいギャンブラーは、損失をリスクを取った結果として消化することができる。
その負けを消化できる者だけが、真のリーダーとして上に立つ資格を持つことができる。

(大阪商業大学学長でカジノ研究家の谷岡一郎 著書「負け方の王道」より)

世の中、人生のあらゆることはリスクと決断の勝負事の連続。
勝負事で自身の胆力(判断力、決断力、行動力、責任力)を鍛えることは重要だと思うのです。

少子化(告白しない、結婚しない、子供作らない…)や、
デフレ(将来が不安だから使わない、買わないから価格が安くなる…)、
粉飾や偽装(エリート社員が経営者になってもリスクをとれないから経営がじり貧になる、失敗は隠したい…)など、社会問題はほとんど日本の「勝負しない、リスクをとりたくない、現状維持でいい(実際はじり貧になる)」思考が原因なんじゃないかなと思えますね。

谷岡先生の一連の著書は、普段公営ギャンブルなんてやったことない人こそ、必読です。起業はもとより、管理職やリーダーになる人はリスクや損失に対する免疫はつけておいたほうがいい。そういう免疫のないタイプの人には、これらの著書人生の行動指針になると思います。統計的知見+勝負の醍醐味に基づいた内容ですが、読むのにはそれほど統計の知識は必要ありません(統計的知識があったほうが納得感は強いですが)。

株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

技術者向け統計手法教育のご案内

 メーカ様から要望の多い、統計手法教育も実施しております。「品質工学以前に、統計の”ト”の字も知らない」とのことです。

 まったくの統計手法の初心者の方を対象に、全12回で「仕事に使えるスキル」を学ぶことができます。御社に訪問して数名~20名程度までを対象に講義、演習を実施します。演習では弊社提供のExcelツールを使用し、セミナー後も自由にご使用いただけます。

 月2回で6か月、月1回で12か月で修了できます。もちろん、QC検定(2~3級)対策にも最適です。

標準的なプランで、1日3時間講義・演習+オプションで1時間個別相談・事務局打ち合わせ、の3時間または4時間です。
(1回の訪問で2~4コマまとめて実施することも可能)

お問い合わせ
https://data-engineering.co.jp/contact/

<標準的なシラバス>
第1回 統計的手法の概要(考え方、学習のメリット)
第2回 データの種類、データの変換、母集団とサンプル、基本統計量
第3回 QC7つ道具、工程能力指数
第4回 管理図、正規分布と確率
第5回 大数の法則、中心極限定理、平均値の信頼区間
第6回 平均値の有意差検定、t分布
第7回 2つの分散の比の検定、F検定(分散分析へのブリッジ)
第8回 実験計画法①:フィッシャー三原則、平方和の分解、自由度、一元配置(繰り返しなし)
第9回 実験計画法②:一元配置(繰り返あり)、二元配置(繰り返しなし、あり)
第10回 実験計画法③:直交表の場合、品質工学(パラメータ設計)との違い
第11回 相関分析(単回帰分析)
第12回 重回帰分析、T法

株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

2017/11/11

化学系テーマにおけるパラメータ設計

品質工学のパラメータ設計では化学系の事例が少ない。紹介されている事例では、主反応、未反応、副反応を機能窓で評価する程度で、本質的な機能にまで立ち返った事例は少ない。化学反応のエネルギー変換は、分子レベルで行われるので、実物実験ではそもそも計測が非常に困難ということもあるのだろう。

化学系でパラメータ設計があまり使用されていない理由の1つとして、目的特性(薬効やその安定性)について制御因子間の交互作用が大きいことが挙げられる(他にも、シミュレーションの実験がしにくい等の課題もある)。

化学系の制御因子に交互作用が大きいのは、それが生成物の目的特性を決める直接の因子でなく、作業者が直接操作できる因子(操作因子)になっているためである。具体的には原料や添加物の種類やその組成、それらの調合順序、反応温度、反応時間等である(図の青マル)。

生成物の目的特性を決める直接の因子は、生成物の官能基などの構造である(図の緑四角)。したがって、生成物の目的特性を得るためには、このような「本当の制御因子」を見つける必要がある。本当の制御因子が分かれば、その因子の水準値を得るための具体的なアイデアを創出する手がかりになる(化学系の場合、どんな操作因子を使えばよいのか等)。

このような「本当の制御因子」をシステマチックに探しだす方法がある。リコーの細川氏が提唱したCS-T法である。詳しくは文末のリンクを参照されたい。CS-T法ではこの「本当の制御因子」のことを「現象説明因子」といっている。

CS-T法に関する過去の投稿
https://tsuruzoh-qe.blogspot.jp/2015/05/t.html

株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

2017/11/02

【大阪開催】”最速で”中級者になる超実践品質工学

第7回ジェダイト テクニカルミーティングのお知らせです。
学習経験者や実践経験者の方が、最速で中級者になれるように、最も効率のいい手順で超実践品質工学を伝授いたします。
品質工学の目的と狙い、最重要のメソッドである機能性評価とパラメータ設計を1日で体系的に学べます。機能やノイズを考える参加型演習、SN比の計算演習を通して考え方を体感できるようになっています。

少人数で、じっくりと質疑応答もでき、なんでも聞けます。
過去に一度勉強してみたけど理解できなかった方も、目から鱗が落ちること
請け合いですよ。

※このようなセミナーを社内でやってほしい方も大歓迎です。お問合せを。


■■■ジェダイト テクニカル・ミーティング■■■

”最速で”中級者になる超実践品質工学
 (機能・ノイズ・SN比の演習つき)
~基礎からの丁寧な解説と演習を通して、最速で中級にステップアップ!~

【日時】
  2017年11月17日(金)10:30~17:30(受付開始 10:15)
【場所】
  株式会社ジェダイト 大阪本社
【参加費】
  21600円(税込、事前振込)
【募集人数】
  10名様
【お申込み方法】
  下記のお申込みフォームに必要事項をご入力の上、
  お問合せフォームに送信してください。
  請求書と振込み先をご案内いたします。

------【お申込みフォーム】-----------------------------------
申込書
ジェダイト テクニカル・ミーティング(2017/11/17@大阪本社) 
●会社名・所属:
●お名前(ふりがな):
●メールアドレス:
●日中電話番号:
●お支払い方法:事前振込み/当日現金払い
-------------------------------------------------------------

【内容を一部ご紹介】
1. なぜ品質工学が必要か
 不具合の8割は設計起因、あとになるほど高くなる修正コスト
 悪魔のサイクル、信頼性試験における3つの壁、目指すべき開発プロセス
2.機能性評価(機能の安定性評価)
 悪魔のサイクルへの対応、なぜ短時間で評価できるのか?
 機能性評価で設計品質の見える化を!
3.機能性評価を超・実践するには
 機能性評価の手順、機能の定義方法、ノイズ因子設定ガイドライン
 【演習】身近な製品で機能とノイズを考える
 エネルギー比型SN比
 【演習】エネルギー比型SN比を計算してみよう
 事例:LED(購入部品)の評価時間が1/10以下に!
4.超実践パラメータ設計
 何のためにパラメータ設計を実施するのか、解析データの見方が重要!
 解析ツールの使いどころ、
 ピンチのマル秘脱出方法(再現しない場合、利得が小さい場合)
 事例:QCDを実現する直交軸ギヤ―ドモータのパラメータ設計
 パラメータ設計解析ツールのご紹介

 ※内容が若干変更なる場合があります。ご了承ください。

株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

2017/10/18

実践的な設計品質教育のスタート

 今月から本格的に設計品質つくりこみの教育、実践をお手伝いすることになった会社さんで、昨日開講式があり、参加しました。社長、品質担当取締役、人事、塾生上長が参加する徹底ぶりで、強い熱意と本気を感じた。こういう会社さんのお手伝いをできるのは幸せなことですね。

この場で開講あいさつを求められていたので、その中の1つとして塾生の直属の上長さんに「部下の心に火をつけるのが、最高の上司。教育施策を通して、対話と指導をお願いします。」と、社長の御前でお願いしました。
 こういう施策では総論賛成、各論反対で中間管理職が活動のネックになることが多い(管理職としては年度計画の遂行・達成や緊急対応が優先なので当然)。塾生が活動の中で孤立しないためには、施策遂行のための上長の理解と協力がぜひとも必要なのです。

 塾生とのマンツーマンの対話、ディスカスを通して、彼らが本当にやらねばならぬことを、塾生自身が見出し、自分の言葉で宣言するところまでを、まずはしっかりやっていきます。

株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

2017/10/16

【今日の言葉149】

クールヘッド、ウォームハート。

クールなアドバイスを、愛の心をもって。
痛いアドバイスをしても大丈夫なだけの信頼関係を築いておくことが大切。

(ビーエムウィン代表取締役社長 水野与志朗)

明日から某社さんで技術者リーダ教育のお手伝いが始まります。
この言葉の心構えを胸に臨みたいと思います!

株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

2017/10/13

【今日の言葉148】

ある記事に寄稿しましたが、日の目を見ませんでした。僭越な内容ですが、個人のブログということでお許しいただき、抜粋して紹介します。
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色んなことに手を出しているうちに、それが神経回路のように有機的につながって、それぞれが補完していく

私の強みは、新しいことに対する好奇心と、それに夢中になる集中力です。良く言えば勉強熱心ですが、ある程度納得したらまた別のところに気が行ってしまうとも言えます。とにかく色んなことに手を出しているうちに、それが神経回路のように有機的につながって、それぞれが補完していくイメージでしょうか。そういう意味では仕事の遊びの境界は(独立した今では特に)あいまいかもしれません。

 製品の設計やその品質にかかわるコンサルを行う場合、細分化された1つ分野の専門家では務まりません。もともと学生時代は高専では電気工学や情報処理、大学では金属学を学んでおりましたが--この時点でハイブリッドなわけですが--、入社後も必要に迫られてさまざまな分野の知識を短期間で習得する必要に迫られました。それが現在の「どんな分野でも相談にのれる」私の礎になっています。また趣味も多いので、趣味同士、趣味と仕事の間で共通点があったりして、お互いに応用したり理解を深めあったりすることができます。統計学の考え方が競馬に応用できたり、そこでの勝負根性がビジネスマイドに影響したりしますからね(笑)。

品質工学は、日本語が分かるというアドバンテージが最大限に生かせるという点で、もっと日本で強調されてよい

 また精神的なことで言えば、もともと言葉に興味があったことから、日本語の起源や日本の古代史に興味をもって、日本という国や日本人について考えるようになりました。現在、日本の生産性や競争力は地に落ちつつありますが、微力ながらなんとかしたいという気持ちです。そのための1つの武器として、日本発(田口玄一氏が創始)でほとんどの文献が日本語である品質工学が使えると考えています。ほとんどの文献が日本語ですから
、日本語が分かるというアドバンテージが最大限に生かせるという点で、もっと日本で強調されてよいと思います。

当たり前と思う方はすでに、目の前の大きな自由とチャンスに気が付いていない

 さて現代人、特に若い方は、非常に多様なチャンスの時代を生きています。動画を作って世界に配信すある、というような一昔前ではプロが多額の費用をかけてしかできなかったことが、今では中学生がほぼ無料でできてしまいます。スマホ1つで世界中の情報にアクセスでき、さまざまなサービスをほとんど無料に近い形で使用することができます。自分のアイデアを形にしたり、いろんな人とつながったり、資金を集めたりするのも個人でできるいろんな方法があります。

 これらが当たり前と思う方はすでに、目の前の大きな自由とチャンスに気が付いていません。あるいは主体的に何かを選択するという勇気が欠如しているのかもしれません。そこでいかに、自分の中にオンリーワンの付加価値を作り、市場価値上げるのかということがライフラインになるのです。あなたでなくてはできない仕事ができれば、それほど安定なことはありません。

好きなことで市場価値を上げることで、わくわくする「自分の人生」を

 これから社会に出る方たちは、大学進学して安定なところに就職して安定を求める、というような単線的、受身的な考え方ではもったいです。教養を身に着けることは必要ですが、平均的会社員、官僚主導の時代は終わりです。サバイバルの時代と言ってよいでしょう。就職するにしても社内で”タレント”になれるような人を目指してほしいと思います。どんどん自分に投資して、複線的、能動的にスキルを身に着け、好きなことで市場価値を上げることで、わくわくする「自分の人生」を送ることを期待します。

株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)