2014/03/15

技術士2次試験受験申込書/経歴書の書き方(2)

 さて2枚目の経歴書である。これは完成までに時間がかかることを覚悟して、できるだけ早く準備して、提出するときもぎりぎり(4月下旬ごろ)まであきらめずにブラッシュアップに努めていただきたい。

 まず上段の大学院における研究経歴であるが、社会人のほうで年数が足りていても、研究経歴がある場合は書いておいたほうがよい。空欄であるということで、口答試験で無用な質問を受けて時間を浪費する可能性もある。下名は年数が足りていたので書かなくてもよいと考えて空欄で提出してしまったのであるが、後悔したのである。幸い、口頭試験ではその点について聞かれることはなかったが、無用なリスクは避けておくべきである。

 さて、本論の業務経歴部である。昨年の制度改正から経歴はたった5項目しか書けないようになった。これは特に業務年数が長い方にとってはまとめるのに苦労するだろう。下名は受験時点で19年間であったが、若い頃の(しかも受験した技術部門とは関連のない)経歴で1行使用することがもったいないと感じたからである。したがって結果的には、入社4年目からの16年間を5項目に分けて記載することになった。

 ここで、いきなり業務経歴を書き出すのは良くない。まず自分のこれまでの業務のたな卸しをする必要がある。Excelの縦軸に時間軸(1年単位程度)、横軸に所属、役職・立場、業務内容、課題、事業成果、その他(特許、学会発表、関連資格の取得、表彰など)を書き出していく。業務内容を見ていくと、オーバーラップする部分が必ずでてくると思うが、業務経歴では年数は重ならず、しかも隙間なく記載していく必要があるので、ウソにならない範囲で(会社に証明をもらう必要があるので)数年後ごとに業務内容を区切って5つに分けていく。この部分は自分のこれまでの業務を振り返るよい機会になるし、今後も役に立つので、時間をかけて損はない。

 このように棚卸しした業務を5項目に分けて書いていくが、最も重要な点としては、業務を経ていくごとに何らかの成長が伺える記述にすることである。より難易度の高い課題に取り組んだ、より広範囲の課題に取り組んだ、技術領域を広げた、個別課題から組織や全社的な課題に取り組んでいった、というようなことである。逆に業務年数を経ても、対象が少しずつ変わっただけで、大して変わらないような記述が続くと、「技術者としての成長(=CPD)がうかがえない」として、口答試験で厳しい試問が続くことになりかねない。

 もう1つ重要な点は、「○○の研究」などとあっさり書かずに、字数(51文字)の許す範囲で具体的な立場や事業成果(性能向上、品質向上、生産性改善、コスト改善など)や成果物(特許、学会発表など)が分かるように記載してできるだけアピールすることである。試験官は、この申込書/経歴書と試験の答案しか、あなたに関する情報はないのである。必死になって最後の1文字まで情報を埋め込むようにしよう。

 技術士の業務は、「科学技術に関する専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、評価又はこれらに関する指導の業務を行う者」であるので、各業務の内容は、これらの(計画、研究などの)ワードで終わるようにする。「開発」は無いので注意する。

 その他注意したいのは、アピールしたいからといって、実際より過大な内容を記載しないことである。試験官が知りたいのはプロジェクトの成果や事業規模ではなく、あなたが担当者、責任者として主体的に実施した内容である(これは後述の「業務内容の詳細」でも同様)。

 業務経歴を書くにあたっての最後のポイントとしては、ウソにならない範囲で、従事期間はキリのよい数字にしておくことである。具体的には期間は6ヶ月単位(できれば1年単位)にしておいたほうが、口答試験のときの説明でも思い出しやすいし、覚えやすい。下名の場合は16年間をくっきり、2,2,5,5,2年で区切った。口答試験のときはただでさえ緊張しているし、和暦にも普段なれていないので、無用なプレッシャーのもとは予め絶っておくほうがよい。

 長くなったので、業務経歴詳細は次の記事に譲ろう。


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