2026/07/18

【新規連載】再現性が得られやすい制御因子の設定方法⑪

2.5 シール・摺動・トライボロジー

この分野で交互作用が出やすい理由

トライボロジー系では、摩擦・摩耗・漏れ・発熱が互いに連鎖する。

たとえばOリング摺動で考えると、

面圧が上がる
→ 摩擦力が増える
→ 発熱する
→ 潤滑剤粘度が下がる
→ 油膜が薄くなる
→ 摩耗やかじりが増える
→ 表面状態が変わる
→ さらに摩擦が変わる

というように、因果が一方向ではなく、ループを作る。

また、シールでは漏れを抑えるために面圧を上げたいが、面圧を上げると摩擦・摩耗・作動抵抗・発熱が悪化する。
軸受では潤滑膜を安定させたいが、速度・荷重・粘度・温度の組み合わせで潤滑領域が変わる。
バルブでは、シール性、操作トルク、摺動摩耗、媒体耐性が同時に要求される。

つまり、この分野では、一つの特性を良くする水準が、別の特性を急激に悪化させることが多い。


要注意の交互作用

  • 面圧 × 速度(PV値:摩耗・発熱が急増)
  • 潤滑剤粘度 × 温度(粘度低下が非線形)
  • 材料硬度 × 表面粗さ(相手材とのかじり発生条件)
  • シール材 × 媒体(膨潤)× 温度(膨潤・硬化の進行)

因子/水準

  • 典型的に PVStribeckパラメータで整理すると加法性が出やすい
  • 温度は粘度の指数特性が効くので、可能なら 対数スケールで水準を置く(例:25℃/60℃より、粘度比が一定になる温度差で)

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