2.5 シール・摺動・トライボロジー
この分野で交互作用が出やすい理由
トライボロジー系では、摩擦・摩耗・漏れ・発熱が互いに連鎖する。
たとえばOリング摺動で考えると、
面圧が上がる
→ 摩擦力が増える
→ 発熱する
→ 潤滑剤粘度が下がる
→ 油膜が薄くなる
→ 摩耗やかじりが増える
→ 表面状態が変わる
→ さらに摩擦が変わる
というように、因果が一方向ではなく、ループを作る。
また、シールでは漏れを抑えるために面圧を上げたいが、面圧を上げると摩擦・摩耗・作動抵抗・発熱が悪化する。
軸受では潤滑膜を安定させたいが、速度・荷重・粘度・温度の組み合わせで潤滑領域が変わる。
バルブでは、シール性、操作トルク、摺動摩耗、媒体耐性が同時に要求される。
つまり、この分野では、一つの特性を良くする水準が、別の特性を急激に悪化させることが多い。
要注意の交互作用
- 面圧 × 速度(PV値:摩耗・発熱が急増)
- 潤滑剤粘度 × 温度(粘度低下が非線形)
- 材料硬度 × 表面粗さ(相手材との“かじり”発生条件)
- シール材 × 媒体(膨潤)× 温度(膨潤・硬化の進行)
因子/水準
- 典型的に PV値や Stribeckパラメータで整理すると加法性が出やすい
- 温度は粘度の指数特性が効くので、可能なら 対数スケールで水準を置く(例:25℃/60℃より、粘度比が一定になる温度差で)
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