2024/05/04

【超実践品質工学】信頼性試験は万全な方法か~三つの壁~③

  信頼性試験は万全な方法か~三つの壁~③(つづき)

■信頼性試験における三つの壁

 二つ目は「数の壁」です.信頼性試験ではたとえば,サンプル数の90%が故障せずに生き残る年数を寿命としたり,逆に何千時間かの試験時間を設定しておいて,その期間の故障率を求めます.それらが,あらかじめ設定した寿命や故障率の基準を満足しているかどうかを調べます.信頼性工学は,非常に統計学と関係の深い学問で,そのなかの信頼性試験のやり方の設計や,信頼性の判定には統計学を活用します.前記の「90%のサンプルが故障せずに」というためには,割合が求まるだけのサンプルの個数が必要です.たとえば100個中90個ということです.また「試験○時間後の故障率が0.1%以下」というような基準の場合は,故障率が求まるようなサンプルの個数が必要です.100個のサンプルでは0.1%以下の故障率の判定はできません.詳しい話は省きますが,仮に90%の正しさで(これを信頼度90%,あるいは危険率10%といいます)故障率0.1%以下を主張するためには,2300個のサンプルを試験する必要があるのです.ほとんどの製品では,設計・開発段階でこれだけのサンプルを準備することはできません.できたとしても試作や計測のコストや手間がかかりすぎて現実的ではありません.統計学に頼ることと,ある基準に合格したかどうかという判定方法(0/1判定)では,サンプル数という点で課題があるのです.したがって,設計・開発の初期段階というサンプル数があまり準備できない状態では,何か工夫をして少ないサンプル数で品質をチェックする方法が必要となります.

(つづく)


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