3. 日本的経営の強み再発見:長期雇用を「自律分散型組織」の土台にする
解雇規制の厳しさやメンバーシップ型雇用(職務を限定せず、長期的に人材を育てていく日本型の雇用慣行)は、これまでスピード感を欠く「弱み」とみなされてきました。しかし、組織を「ティール」へと進化させる文脈では、これらはむしろ大きな「強み」に転じます。
短期的な利益のために人材を入れ替える経営を続ける海外の競合企業に対し、長期雇用を前提とする日本企業には、技術力と志を組織全体にじっくりと浸透させていく土壌があります。自律的なリーダーが組織文化を内側から少しずつ変え、それが数年かけて周囲に広がっていくプロセスは、社員同士の信頼関係という基盤があって初めて成り立つものです。
ただし、この進化を実現するには経営陣の「覚悟」が欠かせません。組織の進化段階は、そこにいるリーダーの意識レベルを超えることができないとされています。経営者が「コントロールを手放す不安」を乗り越え、社員一人ひとりの自律的な力を信じられるかどうかが、持続的な競争力を左右する分かれ目になります。
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