2016/01/10

品質の分類(狩野モデル)その3

(つづき)

 つぎに、グラフの真ん中に示した、②の直線です。これは「一元的品質」と呼ばれていますが、あまりにもなじみがない言葉でしょう。これは性能を中心とした特性や、ランニングコスト、重量・大きさなど、満たされる度合いによって満足するものと考えてよいでしょう。

 みなさんパソコンを購入するときに、何に着目して選びますか。機能や性能、すなわち、CPUの処理速度、メモリやハードディスクの容量、ディスプレイの大きさ、重量、通信機能の種類、重量、OSやソフトウェアの種類、そして価格と相談といったところでしょうか。

 その場合に、カタログ(仕様表)でこれらを機種比較して、価格が見合えば購入します。予算が決まっているので、すべて最高スペックというわけにはいかず、またその必要もないので、用途やその人が重点をおく項目(速度や容量や重量やソフトウェアの種類や有無など)によって強弱をつけるでしょう。

 これらの性能を中心とした一元的品質は、あらかじめカタログの仕様書などで明示されており、価格との比較で選択できるものです。この場合、横軸の充足度(性能の高さ)と満足度の関係はどうなるでしょうか。

 性能が高いものはそれに見合う価格がついており、お客様はそれに納得して購入しています。ですので、魅力的品質のように満足度が大きく上昇することもありません。逆に性能が低い場合はそれで十分と考えて、価格の安いものを納得して選択した結果であり、性能が低いからと言ってクレームにはなりません。

 一元的品質に関する満足度のグラフは少し右肩上がりになります。この一元的品質は、競合他社としのぎを削る技術的な問題であり、またどれくらいのレベルが求められるのかといった、マーケティングや企画の問題も含んでいます。

(つづく)


株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

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