このようなことをうまく説明したのが「狩野(かのう)モデル」という、下図のグラフです。魅力的品質は①の一番上の曲線です。グラフの横軸は企画や設計がどれくらい達成できているか、物理的に満たされているかの度合(充足度)です。「魅力的品質」では右にいくほどデザインや使い勝手がよくなるということです。
縦軸はお客様の満足度です。魅力的品質が少ない簡素なデザインや最低限の機能しかない製品でも、きちんとカタログや仕様書通りに機能してくれればクレームになることはありません。つまりグラフでは横軸で左にいっても、満足度は0付近までで下げ止まり、マイナスはなりません。
その一方で、魅力的品質を高めた製品は、人々を魅了し、非常に高価な対価を払ってでもそれを愛用したいというお客様も現れます。現在では1000円も出せば(100円ショップでも売っていますが)、正確に時を刻む(つまり、時計としての働きが正常な)腕時計が買えますが、世の中には100万円や1000万円の腕時計の市場もあるわけです。これを可能にしているのが魅力的品質です。繰り返しになりますが、好みの問題で、あまり技術とは関係ありません(技術者は薄給なので高級品とは関係ない、という意味ではないですよ!)。
(つづく)
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