2016/01/10

品質の分類(狩野モデル)その1

 1/9(土)に今年の第1回の関西品質工学研究会が開催された。午前中は総会で予算やスケジュールや新幹事などが承認された。午後は、原和彦顧問の新春特別講演、アングルトライ(MTシステムのコンサルティング)の手島さんの招待講演ありと充実のプログラムであった。また、田口玄一先生の論説の輪読では「品種と品質」についての議論となった。

 品質と品種については「狩野(かのう)モデル」で理解するとわかりやすいので、下記に解説する(現在執筆中の書き物より抜粋)。やや長いので投稿を分ける。

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 携帯ミュージックプレイヤーやタブレットコンピュータ、携帯電話などで、必ずA社の製品を選ぶというファンが一定数いますね。その製品のデザイン(外観)、お客様ビリティ(使いやすさ)、持った時の感覚、A社の製品に対する考え方…等々に魅力を感じて、多少他の部分――価格が高いことや、一部の機能がついてないこと、あるいは耐久性が弱いことなど――は目をつむってもA社の製品のお客様であることに満足を覚えるのでしょう。あるいはそのような自分に満足を覚える人もいるでしょう。高級車やバッグでも特定のブランドのファンである人がいますが、これも似たような感覚なのかもしれません。

 このような意味での品質を「魅力的品質」と言います。魅力的品質は、好みは百人百様であり、これが正解と呼べるものありません。これは、どんな製品を企画して市場に投入するか、どんなイメージ戦略で売るのか、高級感を出した方がよいのか、デザイン、風合い、使い勝手などの差別化は…といったことがポイントとなる品質です。

 どちらかというと、マーケティング部門や製品企画部門に関係がある内容で、設計・開発の方には「あまり関係ないな」と感じる分野かもしれません。魅力的品質の1つの特徴は、それを洗練、高度化させることで、大きくお客様の満足度を上げてられることにあります。

(つづく)


株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

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