2007/01/08

今年度の抱負に代えて

本年度改めてよく考えてみたいことがある。

 まず、「現場力を鍛える 『強い現場』をつくる7つの条件」(著 遠藤 功)から抜粋しよう。
「戦略と実行は車の両輪みたいなものであり、切り離して考えること自体がナンセンスである。(中略)たとえロジックが完璧であっても、実行されない、できない戦略はそもそも戦略などと呼ぶべき代物ではない」

 品質工学が技術戦略と言われて久しいが、それを現場レベルの実行に落としこめている企業は一部である。どのように品質工学を推進していくかが、いまや学会内でも最重要のテーマの1つとして議論され続けている。

 つまり、品質工学のロジックや哲学がいくら完璧なものであっても、実行に移さなければ、移せなければそれは戦略とよぶに値しないというのである。

 同書からもう1つ引用すれば、
「誇りをもって泥臭い仕事をやってきた現場においても、自らの持ち味を軽視し、資源分散につながる新たな戦略に対する納得性は生まれない」
とある。
 品質工学を導入しようとして、組織レベル、個人レベルで有言無言の抵抗にあったことがあるであろう。これは品質工学のロジックそのものに対するNoというよりは、その実効性において、セミナーや書籍からの借り物のの品質工学では、現場の持ち味(適社性ともいう)にそぐわなかったり、現場の腹に落ちていなかったり(納得性ともいう)するからである。

 品質工学を勉強・推進するものはえてしてツールや数理の部分、さらにすすんでタグチフィロソフィーの奥深さに感動して、それを他人に教えようとすることに目が行きがちである。品質工学を実行レベルに落とし込むにはどうすべきか。当社オリジナルの品質工学と何かを今一度問い直し、それを作り上げ、実行に移していく、ありふれたテーマであるが、これが筆者の今年の重要課題である。

追伸
冬休みに06年度に読んだ本(雑誌・マンガなどは除く)を集計した結果、54冊であった。年初の目標が週1冊換算で50冊であったので、忙しい中でよく目標が達成できたと思う。かなりジャンルが偏っているとは思うが、今後このBlogでも読んだ本の中から、参考になるものがあれば随時紹介したいと思う。
なお、07年度に新たに攻めたい読書テーマは複雑系、経済物理学、科学論、比較言語学などである。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

つるぞうさん
昨年は頑張りましたね。今年もよろしくお願いし
ます。
それにしても50冊を超えた読書歴には頭が下が
ります。私は殆ど読書しないので新しい発想が浮かんできません。T先生に「有言不実行の原さん」と烙印を押されていますので今年は戦略通りに技術開発の指導ができるか企業の指導を通じて実現したいですね。

つるぞう さんのコメント...

Kazz先生

昨年は関西QE研に皆勤でき、色々な方とお話できたことがよかったと思います。

今年もよろしくお願いします。