2012/04/21

【今日の言葉106】

知不知、尚矣、不知知、病矣

帛書『老子・乙本』第七十三章より。

意味は「知らないことを知ることは進歩であり、その積み重ねは立派なことだ。反対に、何も知らないくせに知ったかぶりしているというのは虚栄であり、精神の病理に由来する」ということらしい。

また武道家であり思想家の内田樹もいわく、「私は知性というものを”自分が誤り得ること”(そのレンジとリスク)についての査定能力に基づいて判断することにしている」としている。つまり、自分のバカさ加減をどれくらい自覚・内省できるかどうかが、その人の知性の高さを表すということだ。

自分が間違っている可能性を吟味する能力を、優先的に開発しようとしている技術者はどれくらいいるだろうか?まことに耳の痛い言葉であるが、糧としたい言葉である。

2 件のコメント:

kazz さんのコメント...

「知不知即知無知」は京大松本総長の入学式の講話で聞きました。両者は同じではなく、知不知は孔子の言葉で、知無知はソクラテスの言葉だと聞いています。私のホームページにも書きましたが、ご意見をください。

つるぞう さんのコメント...

kazz先生

ここで紹介した「知不知、尚矣、不知知、病矣」はkazz先生の掲示板の投稿に感化を受けた私のアンサーです。
「自分が間違っている可能性を吟味する能力」を自分に戒めています。