2023/07/26

ChatGPTに見る、技術士論述試験への対応力(2)

 以下は、私が受験した平成25年度技術士2次試験(経営工学部門)より出題されたものである。

この問題文をそのまま、生成AI ChatGPTに与えて解かせてみた結果が以下である(文字数の制限はしていない、前回より再回答させた)。
題意を漏らすことなく、広い視点で過不足なく回答できている。おそらく、市販の模範回答集より内容が良いし、この回答で実試験でもA判定はもらえるものと考える。逆に人間の技術士やコンサルタントには専門知識だけでなく、AIでは容易に導けないより高度な応用能力や創造性が今以上に求められるようになるだろう。



【問題文】

情報技術の発達とともに、膨大な量のデータや情報であるビッグデータを収集・蓄積することが可能となった。企業では、データマイニングや数理的手法などを用いて大量のデータや情報を解析し、企業経営に有用な情報を抽出することが必要となってきている。このような状況を考慮して、以下の問に答えよ。

(1)データマイニングや数理的手法などを用いて有用な情報を抽出するための手順の例を示し、その手順の中であなたが重要であると考える項目について説明せよ。

(2)大量のデータや情報を解析する際の技術的課題を示し、それを解決するための技術的提案を示せ。

(3)あなたの技術的提案がもたらす効果を具体的に示すとともに、そこに潜むリスクについて論述せよ。

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以下、ChatGPTの再回答。同じ問題文でも回答の内容や量は毎回異なる。

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(1) データマイニングや数理的手法を用いた有用な情報抽出の手順の例と重要な項目:

手順の例: a. 問題定義: 解決したい課題や目標を明確にし、分析の方向性を定める。 b. データ収集: 関連性のあるデータを収集し、データベースに整理する。 c. データ前処理: データの欠損値や外れ値の処理、データの正規化などを行い、データの品質を向上させる。 d. 特徴選択と変換: 解析に適した特徴を選択し、必要に応じて特徴を変換する。 e. モデル選択: 使用する解析手法やアルゴリズムを選択する。 f. モデルの学習: 選択したデータマイニング手法を使ってモデルを学習させる。 g. モデルの評価: 学習したモデルの性能を評価し、精度を確認する。 h. 結果解釈と応用: 得られた結果を解釈し、経営上の意思決定に応用する。

重要な項目の例とその説明:

  • 問題定義: 正確で具体的な問題定義がなければ、データ解析の方向性がぼやけてしまい、有用な情報の抽出が難しくなります。適切な問いを明確にすることが重要です。
  • データ品質: 不適切なデータや欠損値があると、解析結果の信頼性が低下します。データの品質向上に努める必要があります。
  • 特徴選択: 解析に適した特徴を選択することが、モデルの性能向上につながります。不要な特徴を排除し、関連性の高い特徴に焦点を当てる必要があります。
  • モデルの選択: 解析手法やアルゴリズムの選択は、問題に適したものを選ぶ必要があります。複数の手法を試し、最適なものを見つけることが重要です。
  • 結果解釈: 解析結果をビジネスに適用する際には、結果を正しく解釈し、現実的な応用を考慮することが重要です。時には専門家の知見と組み合わせることが有用です。

(2) 大量のデータや情報を解析する際の技術的課題と技術的提案:

技術的課題: a. スケーラビリティ: ビッグデータの量が増加するにつれて、解析プロセスが遅くなったり、計算リソースが不足したりする可能性があります。 b. データ複雑性: ビッグデータは多様な形式や構造を持ち、データの結合や統合が難しい場合があります。 c. リアルタイム分析: 一部の分野では、リアルタイムでのデータ分析が必要とされることがありますが、処理速度の要件が高まります。

技術的提案: a. パラレル処理とクラウドコンピューティング: ビッグデータ処理を高速化するために、パラレル処理やクラウドコンピューティングを利用して処理能力を拡張することが考えられます。 b. 分散データストレージ: ビッグデータの管理を容易にするために、分散データストレージシステムを導入することで、データのスケーラビリティを確保します。 c. 機械学習アルゴリズムの最適化: ビッグデータに適した機械学習アルゴリズムや最適化手法を開発することで、効率的な解析を実現します。

(3) 技術的提案の効果とリスク:

効果: a. 高速なデータ解析: 技術的提案により、ビッグデータの解析速度が向上し、リアルタイム性のある意思決定が可能になります。 b. 品質の向上: データ品質の向上により、より信頼性のある結果が得られ、経営戦略の立案や改善に寄与します。 c. 費用削減: クラウドコンピューティングなどの導入により、処理リソースの効率的な利用とコスト削減が期待できます。

リスク: a. プライバシーとセキュリティ: ビッグデータを取り扱う際には、個人情報や機密情報の保護が非常に重要です。データ解析や蓄積においてセキュリティ対策が不十分な場合、データ漏洩や不正アクセスのリスクが高まります。

b. 偏りやバイアス: ビッグデータの解析において、データの収集元や方法によって偏りが生じる場合があります。これにより、正確な情報抽出が妨げられたり、意思決定に偏りが生じる可能性があります。

c. 複雑性と理解の難しさ: ビッグデータの解析は一般的に非常に複雑であり、解析結果の理解が難しい場合があります。誤った解釈や誤った判断につながる可能性があるため、専門的な知識を持たない関係者にとってはリスクが高まります。

d. 高コストと投資対効果: ビッグデータの解析には高度な技術と膨大な計算リソースが必要です。必要な投資が予想以上にかかる場合や、解析による効果が得られなかった場合には、企業にとって負担となる可能性があります。

e. モラルと倫理の問題: ビッグデータの解析により、個人の行動や嗜好が洗練された精度で予測されることがあります。これにより、個人の自由やプライバシーに対する懸念が高まり、倫理的な問題が浮上する可能性があります。

これらのリスクを最小限に抑えるために、データ解析を行う企業や組織は適切なセキュリティ対策を講じるとともに、透明性を確保し、結果の解釈や意思決定プロセスに専門家の知見を活用することが重要です。さらに、倫理的な観点を考慮しながら、ビッグデータの活用に取り組むことが必要です。

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