2025/03/03

「提言書は雛形を用いて短時間で業務改善提案が可能」などの生の声をご紹介②

  設計品質リーダー育成コースにご参加いただいた塾生からの声をご紹介いたします。いずれも経営幹部様への成果報告会で本人の口から報告された、気づきやリーダとしての心構えに関する生の声です。受講生の成長や熱気を感じてください!

☑金額等の定量的な数値で問題点を明らかにする事で、問題の重要性・緊急性を関係者に共有しやすい。

☑困難なテーマほどリーダーが行動し、周りの協力を得ながら推進する。

☑品質工学の手順で結果を出すだけでなく、得られた情報を元にどう改善すべきかを考察する重要性を学んだ。

☑コース参加メンバーで議論することにより異なる視点からの意見や他事業部での活動情報を得ることができる。

☑「提言書」としてまとめることで、改善活動の価値を自身で客観的に把握するとともに、上位者に簡潔に提案することができる。

☑提言書は一定の雛形を用いて短時間で業務改善提案が可能なツールである。これを活用を推進することで、業務改善の面白さを実践しながら伝えていきたいと思う。

☑事実に基づく分析や、相手にわかりやすいデータの見せ方による説得力の大切さを学んだ。

☑仕組み一つでも設計者が、つい手を抜きがちなところを早めに指摘してもらえる効果がある。

☑上市後、如何に設計変更せずに済ませられるか、との視点が利益に繋がる。

☑課題を見過ごしたり、先送りにしていた。「変わらねば」との意識が強くなった。

☑これまで経験則や想像で手当たりに設計し、試作→評価→手戻り・再設計といった非効率的な設計・評価手法を改めることができると感じた。

☑効果金額の規模感を事前に知ることで、限られたリソースで会社の利益に貢献できる。

☑はじめは難しいイメージだったが、先生の説明で仕組みが理解でき、さらに実践で開発効率化に有益なツールであることが「発見」できた。

☑開発設計にとどまらず、QFD等の手法を営業や事業企画部門と共有して活用していく。

オンラインセミナー、コンサル等、お気軽にお問い合わせください。

2025/03/02

「コースで実践した提言/改善活動の有用性を改めて感じた」などの生の声をご紹介①

 設計品質リーダー育成コースにご参加いただいた塾生からの声をご紹介いたします。

いずれも経営幹部様への成果報告会で本人の口から報告された、気づきやリーダとしての心構えに関する生の声です。受講生の成長や熱気を感じてください!

☑社内の様々な人に接することで当社内の業務を知るきっかけとなり視野が広がった。その中で、様々な部署の仕事の進め方が今後の自分の業務改善に つながることがわかった。

☑期間や費用等、明確なビジョン・目標を開発初期より持ち、それらを部下としっかりと伝えて共有することで、生産性の高い組織をつくることができると感じた。

☑不良損失を未然防止することで、会社の利益に貢献できること、コストに対する意識を今まで以上に持つようになった。

☑実際に効果試算の数値が出てくると、ふだん意識していない程の効果があり、当コースで実践した提言/改善活動の有用性を改めて感じた。

☑お客様のための品質であることを再確認した。また、自分の取り組みで大きな金額を動かせることが分かった。

☑リーダーとして“この人が言っているなら大丈夫” と思われる技術者となるべく、現状に満足せず、期待の一歩先に進んでいく。

☑まだ”ばらつき”に対する考え方が弱い。ばらつきを考慮した設計、製造ができるように、知見や考え方の定着を牽引する人材になる。

☑改めて世の中とのギャップに気づいた。現状分析により理想との差、講師出身企業などとの他社との差。

☑クレーム対応は顧客満足向上のチャンス。その場しのぎではなく、お客様を第一に考えた対応を実施していく。

☑提言書によって最初に計画を整理できた。実際に取組む時にはアウトプットをイメージできるので、業務をブレずに遂行することが出来た。

☑講師や活動メンバーから、具体的な実施アドバイスを頂いた。自身の枠にとらわれずに活動するメリットを改めて感じた。

オンラインセミナー、コンサル等、お気軽にお問い合わせください。

2025/03/01

「品質」の言葉の定義、大丈夫ですか?

  先日ある会社様へのコンサルで、「製品の品質が悪いので、製造工程の上流(投入材料、製造条件など)にもどって、工程条件と品質の関係を調べている」との相談を受けた。

 お手伝をし始めたきっかけが品質工学や多変量解析であったため、そのようなツールを使ったデータ解析を行っているようだ。しかし、確認のためその活動の目的を聞いても、どうも腑に落ちない。どうもデータ分析が目的になってしまっているようだった。

 そこで、こちらから「品質が悪い」というのは、具体的に以下のどのケースなのかを再度訪ねた(ここでは、企画の品質、すなわちその製品が売れるかどうかにかかわる品質は除外している)。

1)そもそも図面通りにものが作れず、適合品が十分にとれない問題(この場合、適合品が所定の機能、性能をもつことは前提にされていることが多い)

2)図面通りに作って、そのようになっていることも工程管理や検査によって確認しているにも関わらず、正常に機能するものが十分にとれない問題

3)上記をクリアして良品を出荷したにも関わらず、客先や市場でトラブルを起こす問題(出荷試験モレによる初期不良を除く)。

 これらはそれぞれ原因が異なるし、責任部門も異なる。つまり、「品質が悪い」ということが具体的にどういうことなのかを、活動する本人たちがしっかりと認識していないと、正しい活動にならないし、品質がなかなか良くならないばかりか、かえって悪くなってしまう場合もあるだろう。医者が患者の病状を知らずに治療をするようなものである。一部のコンサルタントでも、このような区別があいまいな人もいるので注意が必要だ。


1)は、標準どおりの作業で、図面どおりモノが作れる製造工程の工程能力(設計中央値に近いものを数多く作れる能力)の問題である。工程設計を行う生産技術部門によって実施する、工程設計段階の問題である。もう1つは実際にその工程を運用、管理する製造工程内の品質管理の問題である。前者の設計がうまくいっていないと、後者の活動の効果は限定的であるのはいうまでもない。
 なお、製造工程についても信頼性の問題が重要であり、上記の設計に含まれる。すなわち工程で規定される5M要素(材料、人、機械設備、方法、計測)に逸脱(間違いや変化など)が生じたときの影響を事前に想定して、工程設計にその対策を講じておく設計である。この工程の信頼性設計のチェックの用いるのが工程設計FMEA(PFMEA)である。

2)は図面通りのものが機能しないのだから、製品設計の中の機能設計(少なくとも設計中央値で目的の機能を発揮する設計)の問題である。この設計ができていなければ、たとえ製造段階でばらつきなく図面通りに製造しても、目的の機能をもつ製品はつくれないことになる。このような設計が製造段階まで流出したのだから、機能設計がまずいだけでなく、それをチェックするためのしくみ(デザインレビュー、機能試験など)も不十分であるということだ。機能や性能の上限は、どのような技術手段を選ぶか(システム選択)でおおむね決まってしまうので、大本をたどれば、源流の研究開発の段階の活動の不十分、不備
も考えられよう。
 なお、実際は製造でもばらつきが発生するため、設計中央値に適切な許容差をもうけて、その範囲の製造ばらつきが生じても機能する設計(許容差設計)も必要となる。その許容差の中でモノが作れるかどうかが1)の問題である。

3)は、良品(図面通りに作り、所定の社内試験や検査に合格したもの)が、市場(輸送、保管、使用のすべての段階)において、環境条件の違いや、ストレス、経時変化による劣化などの影響によって、故障(初期の機能や性能が低下、場合によっては完全に停止)する場合である。このような事態は、ユーザーの「これくらいの条件では使用できるだろう」「これくらいの年数は使用できるだろう」という暗黙の期待を裏切るので、クレームやブランドチェンジにつながる。
 これに対する事後の対応は品証やCS部門などになるが、そもそもこのようなことが発生しないように責任をもつのは、製品設計のうち信頼性設計とよばれる部分である。2)で製品設計には機能設計が必要と述べたが、それに加えてこの信頼性設計が必須となる。このような設計が市場段階まで流出したのだから、信頼性設計がまずいだけでなく、それをチェックするためのしくみ(製品設計FMEA(DFMEA)、デザインレビュー、機能性評価、信頼性試験など)も不十分であるということだ。

 冒頭の会社様の問題はおもに2)の問題であることがわかった。このように、現在起こっている「品質の問題」というのがどのような現象で、どこの工程(部門)の仕事に問題があるのかの根本原因をつきとめて対策を立案する必要がある。きわめて基本的なことだが、ちょうどそのような場面に遭遇したのでメモ程度に残しておく。

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