2024/09/30

データ分析が目的になっていないか

   先日ある会社様へのコンサルで、「製品の品質が悪いので、製造工程の上流(投入材料、製造条件など)にもどって、工程条件と品質の関係を調べている」との相談を受けた。

 お手伝をし始めたきっかけが品質工学や多変量解析であったため、そのようなツールを使ったデータ解析を行っているようだ。しかし、確認のためその活動の目的を聞いても、どうも腑に落ちない。どうもデータ分析が目的になってしまっているようだった。

 そこで、こちらから「品質が悪い」というのは、具体的に以下のどのケースなのかを再度訪ねた(ここでは、企画の品質、すなわちその製品が売れるかどうかにかかわる品質は除外している)。

1)そもそも図面通りにものが作れず、適合品が十分にとれない問題(この場合、適合品が所定の機能、性能をもつことは前提にされていることが多い)

2)図面通りに作って、そのようになっていることも工程管理や検査によって確認しているにも関わらず、正常に機能するものが十分にとれない問題

3)上記をクリアして良品を出荷したにも関わらず、客先や市場でトラブルを起こす問題(出荷試験モレによる初期不良を除く)。

 これらはそれぞれ原因が異なるし、責任部門も異なる。つまり、「品質が悪い」ということが具体的にどういうことなのかを、活動する本人たちがしっかりと認識していないと、正しい活動にならないし、品質がなかなか良くならないばかりか、かえって悪くなってしまう場合もあるだろう。医者が患者の病状を知らずに治療をするようなものである。一部のコンサルタントでも、このような区別があいまいな人もいるので注意が必要だ。


1)は、標準どおりの作業で、図面どおりモノが作れる製造工程の工程能力(設計中央値に近いものを数多く作れる能力)の問題である。工程設計を行う生産技術部門によって実施する、工程設計段階の問題である。もう1つは実際にその工程を運用、管理する製造工程内の品質管理の問題である。前者の設計がうまくいっていないと、後者の活動の効果は限定的であるのはいうまでもない。
 なお、製造工程についても信頼性の問題が重要であり、上記の設計に含まれる。すなわち工程で規定される5M要素(材料、人、機械設備、方法、計測)に逸脱(間違いや変化など)が生じたときの影響を事前に想定して、工程設計にその対策を講じておく設計である。この工程の信頼性設計のチェックの用いるのが工程設計FMEA(PFMEA)である。

2)は図面通りのものが機能しないのだから、製品設計の中の機能設計(少なくとも設計中央値で目的の機能を発揮する設計)の問題である。この設計ができていなければ、たとえ製造段階でばらつきなく図面通りに製造しても、目的の機能をもつ製品はつくれないことになる。このような設計が製造段階まで流出したのだから、機能設計がまずいだけでなく、それをチェックするためのしくみ(デザインレビュー、機能試験など)も不十分であるということだ。機能や性能の上限は、どのような技術手段を選ぶか(システム選択)でおおむね決まってしまうので、大本をたどれば、源流の研究開発の段階の活動の不十分、不備
も考えられよう。
 なお、実際は製造でもばらつきが発生するため、設計中央値に適切な許容差をもうけて、その範囲の製造ばらつきが生じても機能する設計(許容差設計)も必要となる。その許容差の中でモノが作れるかどうかが1)の問題である。

3)は、良品(図面通りに作り、所定の社内試験や検査に合格したもの)が、市場(輸送、保管、使用のすべての段階)において、環境条件の違いや、ストレス、経時変化による劣化などの影響によって、故障(初期の機能や性能が低下、場合によっては完全に停止)する場合である。このような事態は、ユーザーの「これくらいの条件では使用できるだろう」「これくらいの年数は使用できるだろう」という暗黙の期待を裏切るので、クレームやブランドチェンジにつながる。
 これに対する事後の対応は品証やCS部門などになるが、そもそもこのようなことが発生しないように責任をもつのは、製品設計のうち信頼性設計とよばれる部分である。2)で製品設計には機能設計が必要と述べたが、それに加えてこの信頼性設計が必須となる。このような設計が市場段階まで流出したのだから、信頼性設計がまずいだけでなく、それをチェックするためのしくみ(製品設計FMEA(DFMEA)、デザインレビュー、機能性評価、信頼性試験など)も不十分であるということだ。

 冒頭の会社様の問題はおもに2)の問題であることがわかった。このように、現在起こっている「品質の問題」というのがどのような現象で、どこの工程(部門)の仕事に問題があるのかの根本原因をつきとめて対策を立案する必要がある。きわめて基本的なことだが、ちょうどそのような場面に遭遇したのでメモ程度に残しておく。

2024/09/29

分かりやすく、成果につながる「データエンジニアリング」で製造業をお手伝い

 

聞き手

ジェダイトさんは社名の由来にもあるとおり、日本産業にこだわりを持っていますね。


つるぞう

その通りです。日本の一人当たりGDPは、3万3800ドルで、これは台湾、中国より高いものの、韓国には追い越されました。OECD加盟国34か国で21位です(2023年度)。

聞き手

どのようにしていけばよいのでしょうか。

つるぞう

日本の特に製造業の国際競争力強化に向けては、税負担の問題や各種規制の問題、企業の内部留保の問題も大きいですが、やはり付加価値を生むために日本企業の「製品・サービスの性能・品質」「研究開発・技術」という”強み”をより強くして戦っていく必要があります。

聞き手

その中で最近は、ビッグデータやIoT(モノのインターネット)の利活用に代表されるような「データサイエンス」や「生成AI」が次の柱として取りざたされています。

つるぞう

ひと昔前までは、ビッグデータはGoogleやAmazonのような超巨大企業やプラットフォーマーが中心に扱っていましたが、近年のAIやコンピューティングの更なる進化で、大企業を中心に多くの一般企業でも活用がされるようになってきました。以前はデータを「溜める」ことが目的化してしまい、肝心の「使って」事業貢献までつながっているところが、まだまだ少なかったのです。

聞き手

データサイエンスやAIは、どれほど事業成果につながっているのですか。

つるぞう

企業によってばらつきが大きく、ざっくり言えば二分化しつつあります。その理由は、データサイエンスやAI活用のためには、活用の目的やビジネスモデルの明確化、データサイエンティスト育成または外注、高速・大量データ処理のための情報システムへの多額の投資、等のいくつかのハードルにあります。早くからこのような人財やシステムに投資してきた企業と、そうでない企業の差が表れつつあります。

聞き手

ジェダイトさんの「データエンジニアリング」もそのような技術の一種なのでしょうか。

つるぞう

以前から弊社ではデータサイエンスとは呼ばずに、データエンジニアリングとしていました。事業の損益に重要な1~数年先を見据えた場合、ほとんどの組織や企業が活用しているデータは、いわゆるビッグデータ(*1)でありません。半導体工場などのの量産プロセスから日々出力される大量のデータも、従来の統計解析で処理できるような「ふつうのデータ」なのです。もちろん、エンジニアが研究開発や実験のために採取するデータの量に関しては、言うに及びません。これらの活用に重きを置いてきたのです。

聞き手

「データエンジニアリング」では扱うデータもやり方も違うのですね。

つるぞう

その通りですが、最近では生成AIがより身近になってきたことで、ボーダーレスになってきた感じです。当社は、この日常扱う大量のデータを、事業貢献のために迅速に利活用するための「データエンジニアリング」を推し進めています。これらに用いる手法は、従来から活用されている統計解析や信頼性工学はもちろん、実験データを飛躍的に効率的に採取し、製品やプロセスを迅速で改善・最適化するための品質工学を含みます。特に品質工学は日々進歩しており、また一般には難解と考えられているため、活用すべきである製造業での普及は遅々としています。さらに、生成AIを活用すれば、商品企画やアイデア発想は飛躍的に効率化できます。

聞き手

逆に言えば、データエンジニアリングを駆使できれば他社や諸外国と差別化が図れるとうことですね。

つるぞう

そういうことです。ただし改善や問題つぶしだけでなく、新しい価値の創造が必要です。データエンジニアリングのさまざまな手法を駆使して、活用できるデータを増やしていくことで、製品の価値向上(性能・品質)、生産性向上、ロス低減、などの事業貢献を地に足をつけて加速しることで、これまで無駄にしていたリソースが生まれます。そのリソースをより価値を生み出す仕事に振り向ければよいのです。

聞き手

統計解析や品質工学を活用するコンサルティングは従来もあったかと思いますが。

つるぞう

当社は「超実践品質工学」などの独自の方法論によって、分かりやすく、成果につながる「データエンジニアリング」で製造業をお手伝いします。また最近では、生成AIを活用した品質機能展開QFDや、アイデア発想などにも力を入れています。

聞き手

それによって、業績向上・顧客満足、ひいては世界競争力強化、日本産業の復興につなげていくということなんですね。

つるぞう

それが、当社の使命と考えています。

聞き手

ありがとうございました。


*1)「3V」と言われる、「Velocity:高速に更新され」、「Variety:広範囲・非定形なデータ」であり、結果として「Volume:大量」となるデータのこと。

本ウェブサイトのモデル写真はイメージです。


2024/09/28

累計120億円以上の活動成果(※顧客様試算数値集計)

 株式会社ジェダイトでは、「わかりやすく、成果がでる」をモットーとして、国内製造業様の開発・設計の生産性と価値向上、人財育成を支援します。

 Amazonの経営工学カテゴリで1位となった「これでわかった!超実践品質工学」(増刷継続中)の著者で技術士の、つるぞうこと鶴田明三が直接指導。

 前職の大手電機メーカから現職まで約30年間培った経験とオリジナルのノウハウ・メソッドで、数々の品質改善、生産性向上、約1000名の設計品質リーダ育成の実績を挙げてまいりました。

 本職だけでも通算3000テーマ以上指導し、累計120億円以上の活動成果を上げております(※顧客様試算数値集計)。

 コンサルティング顧問契約、設計品質リーダ育成、社内研修、オンラインセミナー(ウェビナー)・講演、解析ソフトウェアのご紹介・販売まで、多岐にサポートいたします。

2024/09/27

「この講座で真の意味がわかった」などお客様の声をご紹介!

 セミナー・研修にご参加いただいたお客さまからの声をご紹介いたします。

いずれも受講後アンケートから得た、生の声です。ありがとうございます。


非のない良いセミナーだった。東京にも来てほしい。大阪のみではもったいないです。
※全国対応いたします。

タグチメソッド、信頼性、統計、機械学習。何を聞いても的確に答えてもらえて、とても心強かったです。

☑本で読む100倍以上理解できました!

☑とにかくセミナー内容が濃い!初めて知ることも多くためになりました。

品質工学の社内導入に当たっての前段階での本質的な説明部が丁寧で大変理解しやすかったです。

10年以上の疑問が一気に解けました。先生の講座を受けないと、何年も遠回りすることになります。

☑他の市販テキストには記載されていないことも含まれており分かりやすかったです。まず鶴田先生の本を読むべき

☑こちらのつたない課題説明に対しても丁寧に紐解いて、自分の理解以上に整理いただけました。

☑以前他社でボールを飛ばす研修を受けたときには、手順しか理解できなかったが、この講座で真の意味がわかった

☑交互作用にについて実験前、実験後の対応策を整理して説明してもらえた。このような相談相手が社内にほしい

これまでは抜けだらけということが認識できて怖くなった。DRの前準備が大事ということがわかった。


☑社内でもすでに活動しているが、基本的な部分の抜けや勘違いがあったと感じた。

☑具体的な講師の事例がよかったし、質問もごまかすことなく明確に答えてくれた

☑質疑応答にたくさんの時間を割いたので、色々な視点・気づきがあり大変よかった。

☑何でも答えてくれるので、実は社外講師を鶴田先生おひとりに集約しました

☑率直な感想は「もうちょっと講義を受けたかった・・・!」でした。分かりやすく、面白く、あっという間でした。


技術者のリカレント教育もお任せください!

2024/09/25

必要とされる方には必死に読んでいただきたい!スクールの具体的内容⑤

 ●本活動の経営層からの評価はどうなのか?

最終月の成果報告会では、経営幹部にも参加いただきます。各テーマの成果を金額で定量化し、本活動の費用対効果を示し、本活動の継続を経営幹部に再確認いただきます。数多くの幹部の方々から「活動にブレがなく、本物だ(取締役事業部長様)」、「リーダーの成長が目に見えて今後が楽しみ(技術部長様)」等の肯定的評価をいただいております。

経営幹部に対して最も説得力があるのは、受講生のやる気と自信にあふれた成長と、成果金額でしょう。受講者の声や具体的数値については、弊社HPに掲載の前号までの内容をご参照ください。

●いますぐそのような活動を進めていきたい!

社内にそのような講師や推進部隊がいない、あるいはゼロからスタートしたいという場合は、弊社にご相談ください。ただし「お気軽に」とは申しません。本気で変わりたいという会社様限定とさせていただきます。命の時間を使って、本気で取り組む会社様ともに仕事をしていきたいと考えておりますし、ご一緒できることを心から楽しみにしております。




(本記事おわり)※いますぐ全文を入手

技術者のリカレント教育もお任せください!

2024/09/24

必要とされる方には必死に読んでいただきたい!スクールの具体的内容④

 ●上記活動のための効果的なソリューションとは?

 このような課題を効果的に解決するソリューションとして、かねてより「設計品質リーダー育成コース(DQL)」をお知らせしてきました。

スクール形式の社内教育(研修と実践テーマのコンサル)を通じて、設計品質作りこみ活動を牽引できるような人財育成や活動のしくみ化を、トータルに支援しています(詳細は前2号の内容をご参照)。

 特に上半期は、実践すべきテーマの抽出と計画の期間としており、本コースの目玉です。受講生が自職場の現状分析・問題定義・根本原因究明から真に解決すべき課題をあぶりだし、改善実践の提言として計画にまとめていきます。これをテーマごとに徹底指導いたします。

 目的・目標値が明確な「儲かる」テーマをしっかりと設定することで、どのような手法を用いて改善していくのかが明確になり、成果がでます(品質工学ありきではありません)。たとえ当初は目標に達成しない場合でも、明確な計画とアドバイスにもとづきPDCAのCheck & Actが適正に働くため、継続して実践できるようになります。

 スクールでは平行して実践に必要となるツール(品質工学、統計手法など)の講座を実施しています。下半期は上半期の計画にもとづいた実践活動です。コンサル形式の実践検討会において、各自のテーマの進捗状況を確認、相談事項に対してディスカッションを行い、やる気の火を灯し続け、継続して活動できるよう支援しています。


(その⑤につづく)※いますぐ全文を入手


2024/09/23

必要とされる方には必死に読んでいただきたい!スクールの具体的内容③

 ●社内推進を成功させるポイント

 以上を踏まえて、どのように社内推進していけばよいのでしょうか。

①設計品質の作りこみや、品質工学を活用する目的、その必要性を明確にして、実践できるように説明する。目的に応じた手法を活用することになり、成果に結びつきやすい。また手段について納得して進めることで、やらされ感は少なく、自主性や継続性につながりやすい。品質工学以外の管理技術も同時に使用していくことも重要である。

②講師は十分な経験と考察にもとづいて、知識を体系化できており、実務で本当に必要な知識や困ったときの対処方法などを実践的に教えられる。スキル授与だけでなく、マインドに火をつけることができる。

③経営的な成果にコミットした活動。現状分析から「何をなすべきか」を明確にし、そこから目標値(成果金額と期限)を設定する。成果を必ず金額で定量化することが仕組み化されており、定期的にそれらが集計・評価され、経営幹部に報告され、活動継続の判断がされる。

④計画に入れて実施することと、しくみの整備。まずトップにより目的や適用展開の枠組みが明言することが重要であり、各階層でそれが理解、腹落ちされること。リピートや横展開や後進育成のしくみを整備し、自主的なリピートや展開につなげていくことが必要である。




(その④につづく)※いますぐ全文を入手


2024/09/22

必要とされる方には必死に読んでいただきたい!スクールの具体的内容②

 ●設計品質の作りこみ活動における問題点

 以下に、社内推進がうまくいっていない組織の特徴を抜粋します。思い当たるフシがあるのではないでしょうか。

①手段ありきで、目的や必要性が分からずに「手法を推進・適用」している。やらされ感がはびこり、やる気が出ず、リピートにつながらない。その結果、活動が成果に結びついていない。

②講師の実践経験、知識体系化レベルが低く、手法の表面的な説明や、天下り的な教科書の説明に終始。明示的な手順や数式以外は、「担当者が考えること」と責任を丸投げしてしまう。

③計画時にテーマの位置づけや目標値が明確化されないまま、目先の困っているテーマでもって、見切り発車のまま手法を当てはめる進め方が目立つ。「なんとなく良くなった」レベルで終わっている。経営幹部に成果が見えていないので活動に対して半信半疑である。

④しくみがない。ボトムアップでは、推進者と担当者の直接取引のような形で、職制が関知しないまま実施するため、進捗が職制としてフォローされず、いずれやらなくなる。トップダウンの形においても、特に中間管理職層で腹落ちできておらず、形だけ担当者にやらせる状況に陥る。その結果、自主的なリピートや展開につながらない。



(その③につづく)※いますぐ全文を入手

2024/09/21

必要とされる方には必死に読んでいただきたい!スクールの具体的内容①

 いつまでたっても品質工学が定着しない・・・技術者に考える能力をつけさせたい・・・

そんなお悩みをお持ちの方、すぐに読んでください!本気で取り組む会社様限定!

「おいおい、こんな文字の多い文章を読ませるのか?」 はい、またまた長くてすみません!ですが、必要とされる方には必死に読んでいただきたいのです。前々回前回までのお知らせでは、技術的人財の育成と活用を行う効果やメリット、さらにスクールの具体的内容についてお伝えました(弊社HPから前号までの記事がダウンロードできます)。




●いつまでたっても「品質工学が定着しない・・・」でお悩みですか?
 品質工学をはじめとした、設計品質の作りこみ活動が中々定着しない、表面的な活動になっている、という悩みをもつ会社様は多いです。多くの会社様で活動内容が大きく変わることなく、「定着しない」と嘆いておられます。「他社も同じようなものだろう」と思いますか。そんなことはありません。知らないことは大きな機会損失です

 このような会社様に共通する特徴を整理したのが、「品質工学の七つの壁」です(HP掲載)。品質工学とは言っていますが、設計品質全般に共通する内容です。直交表、SN比、用語の3項目は今回省略します。手法系の詳細を知りたい方は、著書「これでわかった!超実践品質工学」や、弊社セミナーもご活用ください。

(その②につづく)※いますぐ全文を入手

2024/09/20

【コースご案内】自ら成果が挙げられるような、強い経営実行部隊をつくる!④

  ●講師は?費用はどれくらいかかるの?

 講師は、弊社代表で技術士(経営工学)であり、3,000テーマ以上の指導実績をもつ、鶴田が責任を持って務めます。
 ただし、講師の対応リソースの都合から、人財、組織を本気で強くしようという決意と、ご予算のある会社様のみ対応したいと考えております。

 ご連絡は、意思決定権者様または権限委任された方から、弊社HPお問い合わせフォームへお願いします。その後必要に応じ、リモートシステムでの打合せ(作戦会議)を設定します。

 費用は人数や内容によって異なりますが、月1回の開催、年3回程度の現地訪問の場合の標準的な例を示します(消費税、旅費は別途)。

👉1期6名の場合、初年度 432万円 (1期生分)

👉2年目より 684万円 (2期生+1期生フォローアップ分)



 さいごに・・・ 「社内研修なんてどこに頼んでも同じでは?」と思われるかもしれません。しかし本コースは今までのセミナーやコンサルとは全く異なる方法ですので、正直なところ、変わる気のない組織や企業様にはお勧めできません。逆に昨今の変化を先取りして、人財育成・活用の成果を何倍にもしていきたい企業様には、是非お勧めいたします!

(本記事おわり)

2024/09/19

【コースご案内】自ら成果が挙げられるような、強い経営実行部隊をつくる!③

 ●DQL育成コース受講生の声をお聞きくだい!

社内の様々な人に接することで当社内の業務を知るきっかけとなり視野が広がった。その中で、様々な部署の仕事の進め方が今後の自分の業務改善に つながることがわかった。

期間や費用等、明確なビジョン・目標を開発初期より持ち、それらを部下としっかりと伝えて共有することで、生産性の高い組織をつくることができると感じた。

不良損失を未然防止することで、会社の利益に貢献できること、コストに対する意識を今まで以上に持つようになった。

実際に効果試算の数値が出てくると、ふだん意識していない程の効果があり、当コースで実践した提言/改善活動の有用性を改めて感じた。

お客様のための品質であることを再確認した。また、自分の取り組みで大きな金額を動かせることが分かった。

リーダーとして“この人が言っているなら大丈夫” と思われる技術者となるべく、現状に満足せず、期待の一歩先に進んでいく。

まだ”ばらつき”に対する考え方が弱い。ばらつきを考慮した設計、製造ができるように、知見や考え方の定着を牽引する人材になる。

改めて世の中とのギャップに気づいた。現状分析により理想との差、講師出身企業などとの他社との差。

クレーム対応は顧客満足向上のチャンス。その場しのぎではなく、お客様を第一に考えた対応を実施していく。

提言書によって最初に計画を整理できた。実際に取組む時にはアウトプットをイメージできるので、業務をブレずに遂行することが出来た。

講師や活動メンバーから、具体的な実施アドバイスを頂いた。自身の枠にとらわれずに活動するメリットを改めて感じた。

・・・

コースを修了生の生き生きとした感想、気づきなどのコメントを多数HPに掲載しておりますので、彼らの熱気や成長を感じてみてください。



(その④につづく)

2024/09/18

【コースご案内】自ら成果が挙げられるような、強い経営実行部隊をつくる!②

 ●DQL育成コースで実際に何をやっているの?

コースでは部門から選抜された候補生を対象に、1年間(フォローアップを含めて2年間)で行います。

※本活動全体に先立って、社内の地ならしのための「全体講演会」を実施することが多いです。また、より精力的な会社様では、事前に「マネージャ様向けのセミナー」を希望される場合もあります。

[1]1年目の前半6か月: 開講式(講演)、設計品質手法(品質工学など)やテーマ設定・効果試算方法等のセミナー、テーマ提言書作成指導。徹底的に調査・議論して、本当に解決すべき重要テーマを抽出。最終月にテーマ提言書報告会(幹部によるテーマ内容と効果試算の確認、実施の承認)。

[2]1年目の後半6か月: テーマ実行とそのコンサルティング(必要に応じ追加セミナー実施)。最終月に成果報告会(進捗と効果試算金額の確認)。

[3]2年目以降: 効果の大きい規模感のあるテーマを実施することが多いため、実践活動は通常2年目以降も継続。実践や新規テーマの相談ためのアフターフォローを実施。



 このような2年をサイクルとした活動を、毎年新しい受講生に入れ替えながら繰り返していきます。こうしてリーダーの数が徐々に増え、またリーダーが経験知識を後進に伝えていくことで、全体組織に改善や価値創造の意識が伝染していきます。そのような継続的な活動の末得られるのが、自律的で変化に強い組織風土です。これは一朝一夕で得られるものではなく、すぐには他社に真似できない競争力となるのです。

※本活動で実施するテーマ例や得られる具体的なメリットについては前回の記事をご覧ください。

(その③につづく)

2024/09/15

【コースご案内】自ら成果が挙げられるような、強い経営実行部隊をつくる!①

 前回のお知らせでは、いかにして日本的製造業に合う技術的人財の育成と活用を行うのか、それによってどんな効果やメリットが生まれるのかについてお話しました(株式会社ジェダイトHPから前号記事がダウンロードできます)。

 今回はさらにコースの具体的内容についてお伝えしましょう。

●製造業における競争軸である「人的資本」とは? 
 製造業においては今や製造そのものではなく、それを作り出すための設計情報、プロダクトデータの創造、生成、そのための企画や計画が付加価値のポイントとなっています。このような価値を生み出せる人財、すなわち人的資本(Human Capital)が競争力の源泉となっています。
 私たちは景気に左右されることなく自ら成果が挙げられるような、強い経営実行部隊をつくり上げていかなければなりません。

●そのために、どんな支援が受けられるのか?
 弊社では、大手製造業様において人的資本たるリーダーを育成し、育成活用方法を仕組み化、組織風土を醸成してきました。製造業における技術の面での経営実行、およびその牽引役となる人財を設計品質リーダー(DQL)と呼んでおり、DQL育成コースを通じて通算約20年間*、育成・事業成果の実績を積み上げてまいりました。 *前職からの通算。
 これからお話する数値や内容は、にわかには信用できないかもしれません。しかしこれらはすべて事実です。そもそもこのような数値を堂々と公にしているところはとても少ないのです。


●DQL育成コースでどれくらい効果がでているの?

👉関西 電気関連機器メーカー様 38名  57億円
👉九州 樹脂成型品メーカー様 28名  19億円
👉関西 素材加工品メーカー様  7名  29億円 他

 これらはもちろん、弊社が勝手に見積もっているわけではありません。実践企業様自身によって活動期間中に単年度効果を算出し、経営幹部様確認済の数値です。本職だけでも、23年度まで7年間で5社13期100名以上のリーダーの育成に関わり、テーマ平均約1億円(中央値5,000万円)、合計120億円以上の効果を試算計上してまいりました。

(その②につづく)

2024/09/10

あらゆるデータ形式対応、シンプルな計算の「エネルギー比型SN比」

 

 著書 「エネルギー比型SN比」の著者による講演の要旨を下記に示します。講演時間は3時間程度で、特典として、講演資料(電子ファイル)、Excelのエネルギー比型SN比計算Excelシートが付き、御社内で自由にご使用になれます。講演時間を適宜調整したり、演習を入れたりもできますのでご相談ください。オンラインセミナー実施中。

「エネルギー比型SN比」

1.機能性評価とSN比
・市場不具合の85%が設計責任
・後になるほど高くなる修正コスト
・悪魔のサイクル
・品質工学とは「いいものを速く・安く作るための評価・設計技術」
・信頼性試験に潜む、3つの壁
・早く・速く、市場での品質の実力が分かればよい
・なぜ飛躍的短時間で評価が行えるのか
・めざす開発プロセス
・品質工学習得の基本方針
・機能性評価の使いどころ

2. SN比とはなにか
・有効エネルギーと有害エネルギー
・SNとは何か~SN比が良い例と悪い例
・SN比を活用することでできること、メリット

3. 従来SN比の問題点
・従来のゼロ点比例SN比の考え方(SN比は入力の-2乗の単位をもつ)
・信号の大きさが異なるとSN比が公平に比較できない
・入力信号の大きさが異なる場合の例
・従来の非線形標準SN比の考え方(座標変換)
・データ数が異なると、SN比が公平に比較できない
・入力信号の水準数が異なる場合の例
・従来はSN比の種類によって計算方法がばらばら
・従来は計算が複雑(自由度、偶然誤差Veへの分解)

4. エネルギー比型SN比
・エネルギー比型SN比とは
・出力をほしい有効成分と、ほしくない有害成分に分けて比をとる
・エネルギー(2乗和)分解の計算イメージ
・通常の計算は、全2乗和と有効エネルギーだけ
・簡単な例題
・著書付録のツールで計算できるSN比(標示因子、不ぞろい)
・エネルギー比型SN比では静特性も同じ
・例題によるエネルギー比型SN比の効果の検証


スライドイメージ

オンラインセミナーも実施中。

おすすめの品質工学の本 「これでわかった!超実践品質工学」

技術者のリカレント教育もお任せください!

2024/09/09

技術者のリカレント教育の決定版~設計品質リーダー育成コース

 株式会社ジェダイトでは目先の問題解決だけでなく、経営実行の技術的中核となる、設計品質推進リーダーを育成することを念頭においたお手伝いしています(その中で必ず定量的な効果も示していきます)。

 ここではこのような活動の継続の重要性についてお話します。

 弊社の提供する設計品質リーダー育成コースは1年間としていますが、その後も実践を継続して経験を重ねる必要があります。1年間だけではいわば仮免状態で、通常はまだすべてを自立してリピートできませんので、社内の推進事務局やリーダーコース卒業生、社外講師のアドバイスを受けながら進めていきます。

 またこのような活動を継続していくためには、社内での大目的の共有と得心、しくみ、成果見える化が必要です。つまり1期(1年)単位の成果を数値(できるだけ金額)で示し、それを積み上げていくことにより、幹部に活動の理解を得て、活動リソースを供給いただくことが必要です。

 他社様(弊社がお手伝いしていないところ)では、「上層部が変わったため、言うことが変わり品質工学の活動が頓挫した」というようなことが聞かれます。これは、
 (a)社内で大目的が共有できていないこと、
 (b)社内のしくみになっていないので安易にやめれること、
 (c)成果が見えないため活動がないがしろにされてしまうこと、
などが原因です。

(a)の大目的については、「品質工学を導入(推進)する」ではなく、「設計品質を良くするため」であれば反対する人はいないはずなのです。設計品質を良くすることでお客様に迷惑をかけない、また手戻りの時間を減らして技術者たちの創造的な時間を作るために行う活動です。最終目的は「顧客満足の創造と、売上・利益の拡大」です。講座の中でも話していく内容です。

(b)のしくみについてはさまざまな観点がありますが、まずはリーダー育成コースを活用して、「人づくり」の仕組み化をしていきましょう。

(c)の成果の見える化は初めから必要です。前期の提言書作成のなかで指導していきますので、前期末の提言書報告のときまでに、指標と効果試算は明確になります。また後期の成果報告のときに、今後の見込みを含めて成果の見える化をします。

 このような活動を継続していくためには、社内での大目的の共有と各階層での得心、しくみの構築、成果見える化が必要となります。つまり1期単位の成果を数値(金額)で示し、それを積み上げていくことにより、幹部に活動の理解を得て、活動リソースを継続的に供給いただくことが必要なため、そのようなサポートも行っています。



<前職から15年来運営の実績!>
前職の設計品質(品質工学)を中心としたプロジェクト活動では、6年間で約900人のリーダを育成。ジェダイトではすでに5社、70名の塾生を育成(現塾生を含む)。

特に計画段階での、実践テーマの提言書作成指導が目玉です。

マインド醸成+スキルアップ(管理技術の講座)+実施提言書作成+実践 による人財育成(1年間+事後フォロー)

1期10名の成果試算金額は、数億~20億円程度の実績。

卒塾後は、実践活動の継続と後進育成。

このような活動を真剣に取り組みたい会社さんと、ご一緒に頑張りたいと思います。
冷やかし厳禁!意欲のある会社様のみご連絡をお願いいたします!

2024/09/08

前職から約20年運営の実績!<設計品質推進リーダー育成コース>

  株式会社ジェダイトでは目先の問題解決だけでなく、設計品質推進リーダーを育成することを念頭においたお手伝いしています(その中で必ず定量的な効果も示していきます)。


下記から最新情報を入手できます!

パンフレット1
パンフレット2
パンフレット3


 設計品質推進リーダーとは自ら課題が設定でき、その解決にむけて適切な手段を用いながら自ら実践、周囲を牽引できる人で、後進を育成できる人のことを指しています。

 変化の大きい経営環境にあって、このような自律的で変化に強い経営実行部隊を育成することが急務です。

 一般的にはこのような条件を満たすような人財は中々おりません。放っておいても伸びる人はごく一部です。そこで、リーダー候補をトップダウンで任命し、計画的な教育を中期的、継続的に実施していくことが必要になるわけです。

 このようなマインドとスキルを身に着けるためには、ひとことで言えば「経験」と「気づき」を得られるようなプログラム(講演、セミナー、実習、課題調査、実践指導)が必要です。

 またこのような活動を継続していくためには、社内での大目的の共有と各階層での得心、しくみの構築、成果見える化が必要となります。つまり1期単位の成果を数値(金額)で示し、それを積み上げていくことにより、幹部に活動の理解を得て、活動リソースを継続的に供給いただくことが必要なため、そのようなサポートも行っています。

<前職から約20年運営の実績!>
前職の設計品質(品質工学)を中心としたプロジェクト活動では、6年間で約900人のリーダを育成。本職のジェダイトではすでに6社、100名以上の塾生を育成(現塾生を含む)。

特に計画段階での、実践テーマの提言書作成指導が目玉です。

マインド醸成+スキルアップ(管理技術の講座)+実施提言書作成+実践 による人財育成(1年間+事後フォロー)

1期5~10名の成果試算金額は、数億~20億円程度の実績。

卒塾後は、実践活動の継続と後進育成。

このような活動を真剣に取り組みたい会社さんと、ご一緒に頑張りたいと思います。
冷やかし厳禁!意欲のある会社様のみご連絡をお願いいたします!

Amazon1位獲得の品質工学の本 「これでわかった!超実践品質工学」 

技術者のリカレント教育もお任せください!

2024/09/07

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 オンラインで開催する設計品質・統計技法の研修・社内教育・セミナーサービス。


お問い合わせ
https://data-engineering.co.jp/contact/

あらゆるレベル、製品分野、部門、日数/時間にお応えします! 


実施形式
基本はオンラインになります。
(一部コースで人数制限あり)。

費 用
1日(6時間)につき270,000円+消費税。テキスト・ツール類費用、日当
等の一切の費用を含みます。見積書をお問合せフォームよりご用命ください。
(※設計品質リーダー育成コースのみ6時間につき36万円(税別))

いずれのコースもご希望により、事例相談(コンサル)を含めることができます 

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2024/09/06

「収集した膨大なデータを解析、活用したい」などにお応え!

  株式会社ジェダイトでは設計品質やデータ解析にかかわる、コンサルティング顧問契約、設計品質リーダ育成、社内研修、各種セミナー講演、解析ソフトウェアのご紹介・販売まで、多岐にサポートいたします。

 Amazonの経営工学カテゴリで1位となった「これでわかった!超実践品質工学」(増刷継続中)の著者で技術士の、つるぞうこと鶴田明三が直接指導。

 前職の大手電機メーカから28年間培った経験とオリジナルのノウハウ・メソッドで、数々の品質改善、生産性向上、約1000名の設計品質リーダ育成の実績を挙げてまいりました。

 これまでのコンサルやおセミナーでは、数々の肯定的な評価をいただいております。オンラインセミナーも実施中。

 弊社では下記のようなご要望にお応えしております。

 ☑製品設計向上、製造プロセス改善、市場クレーム未然防止などの活動を支援してほしい
 ☑技術者の品質工学や統計解析のスキルアップを図り、実務に展開したい
 ☑技術者の社内教育の体系を作成し、運用したい
 ☑初心者を対象に、まず身近なデータを解析できるようになりたい
 ☑品質改善活動を牽引できる次世代のリーダを計画的に育成し、大きな事業成果をあげたい
 ☑マネージャやエキスパートの設計品質、開発テーマ企画等のスキルアップを図りたい
 ☑社内に設計品質(品質工学等)の啓蒙を図りたい
 ☑製造工程やマーケットから収集した膨大なデータを解析したい、活用したい
 ☑新製品、新技術、新サービスのアイデアを発想、企画したい   …等々

お問合せは下記リンクまで!

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2024/09/05

【市販解析S/Wライセンス特典】【製造DXの要】MTシステム 入門・演習コース(オンライン)

 ものづくりDXやAI/IoT時代に必修といえる、工程の異常管理や予知、官能検査の自動化などに最適なパターン認識手法「MTシステム(マハラノビス・タグチシステム)」を、御社内で入門から学べます。また、高速・高精度解析ソフトウエアを用いての演習も行えます。オンラインセミナー実施中。

さらに、実務ですぐに活用できるように、演習で使用している、アングルトライ社の高精度高速解析ソフト(127項目・10,000データ版、定価125,000円税別)を1ライセンス進呈の限定特典つき。
こちらからパンフレットをダウンロードいただけます。

実施形式 オンライン講義形式、15名様程度まで受講可能。Excel付きのPCを1~2名に一台ご用意いただきます。
特 典(数量限定) すぐに実務で活かせる!演習で使用した、アングルトライ社の高精度高速解析ソフト(127項目・10,000データ版、定価125,000円)を1ライセンス進呈。その他、多数特典あり。詳細パンフレットにて。
費 用 345,000円(1日間)+消費税。テキスト・ツール類費用、日当等の一切の費用を含みます。見積書をお問合せフォームよりご用命ください。

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2024/09/04

開発・改善テーマの決め方が9割!絶対外せない問題の4つのレベル

  事業改善、実践テーマを設定するときに事なことは、より上位のレベルがないがしろにされ、手法の枝葉末節議論や、目的と手段のはき違えになっていないかに留意すべきということである。いくら性能や良く、ばらつきの少ない製品を効率よく作ったとしても、それが売れなければ全く意味がないのだから。


LEVEL1 事業性の問題・・・コンセプトデザイン
 その製品やサービスがお客様に受け入れられて、製品が売れ、もうかるのかどうか、事業が継続できるのかどうか。つまり、企画の問題である。「よい品質」とは、顧客の要求に合致していることに他ならないので、すべてのスタート点はここにある。手段ではなく、どのような機能、どのような効用の製品やサービスを提供していくのかというテーマである。管理技術ではQFD(品質機能展開)、アイデア発想法、企画の7つ道具などがそのツールとなる。市場調査の手段として、IoT、ビッグデータ、AIを活用するデータサイエンスの分野も喧しい。なお、品質工学では「よい品質」における「価値・効用」の部分、すなわち「機能そのもの」は扱っていない。

LEVEL2 実現性の問題・・・システムデザイン
 顧客の要求が分かり(あるいは想定でき)、目標とする製品やサービスが定義できれば、次にそれを技術的に実現する必要がある。いわゆる研究開発による機能の実現、性能・エネルギー効率の確保の問題である(要求性能に信頼性やコストや環境性等が含まれることも多い)。これはできるだけ企画に先行するほうがよい。新しい方式を立案(発明、流用)し、どのような方式が良いのかを比較検討する。コンピュータシミュレーションや部分的なプロトタイプによる実験も含む。技術者の固有技術、知識、経験、センス、意欲などがモノをいう世界だ。最終的には特許などの知的財産権の独占につながるのだから、手法だけで答えが出る世界でないのは明らかだ。管理技術では、TRIZ、アイデア発想法などがそのツールとなる。信頼性の机上検討ではFMEA、FTAなどの信頼性工学を活用する。原理やメカニズムを解明するフェーズでは実験計画法や統計的手法を用いることもある。

LEVEL3 評価の効率化の問題・・・機能性評価
 考えたシステムの妥当性(特に機能の安定性)を効率よく確認できなければ、それを効率よく比較・改善することはできない。また、開発・設計の初期段階では、性能は見えても信頼性や寿命が分からないことは多い。長時間の信頼性試験、寿命試験に頼らずにこれらを短期間で見極めることは、開発の効率化に大きく寄与する。また、規定の開発期間内に多くのトライアンドエラーが可能となり、性能や信頼性のレベル向上にも寄与する。管理技術では品質工学の機能性評価(機能定義、ノイズ因子、SN比)がそのツールとなる。

LEVEL4 改善の効率化の問題・・・パラメータ設計
 同じシステム内においても、寸法や材料などの設計パラメータの条件変更により特性(ばらつきや平均値)を改善できる場合が多い(特に初めて採用したシステムの場合)。設計パラメータの条件の組合せの評価を効率的に行いたいというニーズがある。そのため直交表を用いることが多いが、一部実施実験である直交表での最適条件(候補)がはたして、実際の(仮想的には全条件を実施した場合の)最適条件と一致するのかどうかが問題となる。これを再現性という。すなわち、どこまで改善できるかはLEVEL2の基本設計にかかっているが、それを効率よく改善できるかどうかは、LEVEL3の評価の問題と、LEVEL4の再現性の問題である。管理技術では品質工学のパラメータ設計(機能性評価に加えて、直交表、要因効果図、確認実験、その他再現性確保のための手法)などがそのツールとなる。品質工学の研究会等ではいきなりこのレベルの話から入ることが多いと感じる(もちろん前提がきちんとあって、説明できるのなら問題はないのだが、直交表などのツールに振り回されているものも散見される)。

 これ以降にも詳細設計に入ってからの各スペックのバランスやトレードオフの問題もある。これらは多目的最適化や許容差設計の分野となる。事業ありき、システムありきでの仕事が中心の場合、このレベルの課題が出てくることは確かである。詳しく知りたい方は弊社のセミナーやコンサルを利用いただきたい。