「タグチメソッド適用時には、”設計因子に交互作用がないといけない”という大前提が存在しているのでしょうか?」という質問を受けた。
TMでは機能を考えるのであるから、対象となるシステムの前提はない。ただ、設計パラメータに交互作用があると、下流の再現性が不確かで市場でトラブルを起こす可能性があるので、そのような設計を避けるために、設計のの悪さをあぶりだす方法を、TMは提案している。設計がうまくいくかどうかや、設計パラメータの交互作用の有無は、TMの大前提ではなく、「評価対象」である。
この質問者に限らず「TMは交互作用があると設計できない(からダメだ)」という大誤解があるように思う。設計できないのではなく、設計してはいけないと言っているだ。そしてそのような悪いな設計を未然にチェックできるのは、おそらくTMだけである。
ほかの設計方法は交互作用ありきで設計するので、そもそもそのような設計が市場でトラブルになって損失を増大させるという考え方にすら至っていないのだ。
このような質問を見るにつけ思うのは、大方の設計者は、「システムありき」で考えてしまっているので、前提などというものを想定してしまう。先に答え(見本、海外の先行事例、従来設計・・・)があるものとして、その既成のシステムの設計パラメータに交互作用があるかどうか、なければ使えないのか、という「ツール的な」発想になるのだ。
ほとんどの設計は流用設計で、そういうところはチューニング、編集設計が中心問題で、そこに無理やりシステムありきでTMを適用しようとするので「交互作用があるので設計できない」となってしまうのである。TMは設計ではなく、もっと源流の技術開発で使用しなさい、と言っている。チューニングなら応答局面でもなんでも使えばよい話だ。
TMが物事をツール的にしか捉えられておらず、肝心のTMの目的(市場でお客に迷惑をかけない、トラブルを出さないためにどうすればよいか)が抜け落ちてしまうと、TMの本質が理解されず、その結果として、このような質問がでてくるのだと推測する。
いろんな人がいろんな目的でセミナーをやるのでいろいろあるわけだが、某I社のコンサルタントNさんは、現状を「TMの崩壊」とおっしゃっていた。
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