2011/07/19

Quality For Kids

ASI(American Supplier Institute)の田口伸先生(CEO)より、関西品質工学研究会に下記のお知らせがありましたので、ご本人の了解を得てお知らせします。

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以下中学校におけるQE 教育「Quality for Kids」に関して説明させていただきます。
現在ASIのNon-Profit 部門で子供達(小学高学年から高校生、主に米国のJunior High School、6年生から8年生)相手に品質を教えるというInitiativeを展開し始めました。Michigan州のBloomfield市 やBirmingham 市のアッパーミドルの学校区と貧困区を含むPontiac市の学校区で始めて1年経ちました。内容は「顧客の声Voice of Customer」を聞きお客さんの満足できる製品・サービスの企画づくりの重要性と、それを簡単なタグチメソッドで最適化するというものです。教育の質を良くするためにどうするかという議論、とくにSTEM (Science, Technology, Engineering & Math) の教育・「理系離れ」が問題になっています。
教育の質を上げるためには、「子供達に品質を教える」のが一番の近道というのがQuality for Kidsの基本概念です。
やっているのは、大きく分けると品質機能展開と品質工学の2分野です。以下のような活動をしています。

• 「生徒」「教師」「親」「大学」らの声を集めて彼らの要求やニーズとその声の強さを整理して、現状との比較をし「何をどれだけ改善すべきか」という戦略的ターゲットを洗い出して、学校としての事業プランをたてる。 (品質機能展開)
• 製品・サービスに対して顧客の声を集め整理した品質表を作成する。(品質機能展開)
• 実験計画を応用する。

1. 独楽のスピン時間の最長化、二酸化酸化炭素ロケットの上昇距離の最長化、小型風車による発電効率の最適化、波のエネルギーの最適化、シミュレーションによる楽しいジェットコースターの設計など物理的なシステムの最適化を実際20件ほどやりました。まずは理系の先生相手に2時間の研修をして実際に実験します。先生たちがある程度理解したら、先生と共に生徒たちと実験します。先生達も喜んでいますし、子供達の理解度は上々です。これをやることによって中学生がテーマ選択・実験の計画・実験とデータ収集・要因効果図の作成・データ解析・確認実験をしてレポートを作成することは製品企画・科学や物理の応用・データと事実に基づいた洞察・グラフ作成とその解釈のみならず、改善の基本であるPlan-Do-Check-Act を経験することになります。

2. 美味しい野菜の調理法の最適化。ブロッコリー、ニンジン、アスパラをやりました。調味料の種類や熱の加え方などを制御因子にとって最適します。データは物理量がないから評価得点ですが、充分うまくいっています。我が家でも娘3人とオムレツの最適化をしました。その資料を添付します。米国では子供の肥満が大きな社会問題になっていて、これらのテーマは追い風を受けています。

3. 家庭菜園における食物の歩留まりの最適化

• 「生徒」「教師」「親」「大学」らの声を集めて彼らの要求やニーズとその声の強さを整理して、現状との比較をし「何をどれだけ改善すべきか」という戦略的ターゲットを洗い出して、学校としての事業プランをたてる。 

• 子供たちによる自分の「ビジネス・プラン」の作成


例えば「最適化された美味しい野菜」は中学校の昼食時に、子供達が発表して生徒や審査員に審査してもらいその様子はデトロイトのTVニュースで放送されました。新聞にも出ました。PRの専門家も使っています。
今までは3校相手に無報酬でやっていましたが、9月からは4校に増えて1校につき小額の契約がとれています。州政府や連邦政府からのGrantを受けてお金と人を集めるべく計画しています。 John Prepolec という人物をやとって事務局長をやってもらっています。Johnと意気投合してQFKを始めたのです。彼は優秀な人物です。
Pontiac とBirminghamの2校が「風車による発電効率の最適化」を発表するミニシンポジウムを開催します。将来的に日本の中学校からも参加してもらいたいと考えています。例えば、以下のような活動です。

 10ぐらいの生徒がチームを組み、「小型風車による発電効率の最適化」をします。風車の設計因子で実験を組んで(2時間3回)、実験し(半日1回)最適化のためのデータ解析をし確認実験(2時間2回)をしレポートにまとめるというものです。それをシンポジウム(ネットでも渡米してでもOK)で発表する。チームは複数でも良い。時間はあくまで目安です。

1) このテーマは原発問題を受けて、代替エネルギー開発という追い風を受けています。

2)このために事前に先生に対する2時間ほどのセミナーと打ち合わせをします。

3) 「小型風車による発電効率の最適化」を先生や生徒と一緒にすすめます。

4)そのために私が日本に来ることになると思います。

5) 地元の企業のQE のコーチも参加されると幸いです。

6)当面コストはASIの負担とします。
以上のようなイメージですが、協力してくれる日本の中学校を探しているのです。
Please check this website. http://www.q4ktoday.com/

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