せっかく理論があってもそれがあまりにも複雑難解でその道何十年の専門家しか理解できないという間は、それは大きな力を持つことが出来ず、それが簡略化されて大学1~2年の普通の学生でも扱えるレベルになったとき、初めて文明社会を動かす力を持つようになったのである。
(長沼伸一郎「物理数学の直感的方法(普及版)」より)
そのために必要なことは「簡略化」「統合化」「直観化」であるとしている。
品質工学の全体最適化の理念、基本機能、SN比、損失関数、再現による確認実験・・・などなど、田口哲学の根底に流れるのは、「技術や現象は複雑」→「個別の統合は全体にならない」→「その科学的把握は困難」→「なのでそれを簡略的に、統合的に、直感的に評価できる技術体系が必要」ということではなかったか。
そこに、冒頭の文章が現実味を帯びてくる。いかに分かるように伝えるかである。
理系の方はこの本は(特に本文よりも「やや長めの後記」だけでも)ぜったい読むべき1冊である。
実用的にも、rot(ローテーション)の直感的把握を理解するだけでも、目からウロコである。
こういう「頭のいい」文章に出会えると非常に、すっきりした気分になれる。
資格の専門的な勉強ばかりしていては視野が狭くなってイカン、と思い手にとった1冊が、意外にも資格の勉強の視野を広めることに役立った。これがセレンディピティというものか。
株式会社ジェダイトのつるぞうによる、品質工学(タグチメソッド)や統計手法などに関するエッセイ、オンラインセミナー(ウェビナー)・研修・講演・設計・開発コンサルティングなどの情報を中心に日常気になるトピックを紹介するブログです。
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2012/11/18
書道 初段に昇段
書道をはじめて2年半、今回の試験で、初段になりました。
最近は出張や私用でなかなか、教室に通えていませんが、なんとか月2回は行くようにしています。
次の二段からは条福(いわゆる、掛け軸にするようなサイズのもの)も課題に加わりますので、いよいよ本格的な書道っぽくなってきます。大きい文字用の筆が必要ですが、なかなかの出費ですので、まずは教室にある筆で練習してみて、どんな筆が合っているか試してみたいと思います。
最近は出張や私用でなかなか、教室に通えていませんが、なんとか月2回は行くようにしています。
次の二段からは条福(いわゆる、掛け軸にするようなサイズのもの)も課題に加わりますので、いよいよ本格的な書道っぽくなってきます。大きい文字用の筆が必要ですが、なかなかの出費ですので、まずは教室にある筆で練習してみて、どんな筆が合っているか試してみたいと思います。
2012/11/04
【今日の言葉107】
固有技術で突き当たっている壁を、管理技術の助けで打ち破ったという経験を持つようにならないと管理技術の発展につながらない。固有技術レベルが高まる管理技術でないとその運用方法に正しくない面があると判断されても仕方がない。
(「経営工学ハンドブック」 14章 品質向上 p.329)
品質工学も管理技術(汎用技術)の1つであるが、技術開発のブレークスルーには固有技術が絶対に必要で、管理技術だけでそれを成し遂げることは出来ない。しかし、固有技術で突き当たっている壁を、管理技術の助けで打ち破ることは、確かにあるのである。品質工学は「魔法の杖」ではなく、「鬼の金棒」なのである。破壊力のある重い金棒は鬼でないと有効に扱えない。
(「経営工学ハンドブック」 14章 品質向上 p.329)
品質工学も管理技術(汎用技術)の1つであるが、技術開発のブレークスルーには固有技術が絶対に必要で、管理技術だけでそれを成し遂げることは出来ない。しかし、固有技術で突き当たっている壁を、管理技術の助けで打ち破ることは、確かにあるのである。品質工学は「魔法の杖」ではなく、「鬼の金棒」なのである。破壊力のある重い金棒は鬼でないと有効に扱えない。
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パラメータ設計・応答曲面法・ロバスト最適化入門

第1部 実験計画法の基礎
研究開発、技術開発、設計段階における実験計画法の役割多因子の要因計画、2水準直交表による一部実施要因計画)
第2部 パラメータ設計
パラメータ設計の概念、パラメータ設計のための実験、非動特性のパラメータ設計、非線形システムのパラメータ設計、入出力が測れない場合のパラメータ設計、エネルギー比型SN比
第3部 応答曲面法
応答曲面法の概要、応答曲面推定のための計画、応答局面の解析
第4部 ロバスト最適化
単目的最適化、多目的最適化、パ レート解、ロバスト最適化
品質工学のツール的側面であるパラメータ設計を、実験計画法や応答局面法、最適化法などと関連付けて知識を整理しておくのは重要である。
本書は「JUSE‐StatWorksオフィシャルテキスト 」と副題がついているように、JUSE‐StatWorksの最新版であるVer.5を使いこなすためのテキストである。本Ver.でははじめてエネルギー比型SN比が搭載されたが、本書にも1節を割いて、エネルギー比型SN比の説明がある。田口のSN比で問題になるケースを解説し、エネルギー比型SN比を1つの解決策と説明した書籍としては初めてである(これ以前には、長谷部光雄氏「開発現場で役立つ品質工学の考え方」にも少し紹介された)。
著者の一人である立林和夫氏が、品質工学誌(Vol.19、No.2(2011))にもエネルギー比型SN比に関する解説”「品質工学で用いるSN比の再検討」に関する議論”を寄稿していただいているのでそちらも参照してほしい。何か正解かはともかく、まず自分でSN比の意味や数理を吟味してみることが重要である。
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