山田秀、立林和夫らにより、「パラメータ設計・応答曲面法・ロバスト最適化入門」が発刊されている。主な内容は以下。
第1部 実験計画法の基礎
研究開発、技術開発、設計段階における実験計画法の役割多因子の要因計画、2水準直交表による一部実施要因計画)
第2部
パラメータ設計
パラメータ設計の概念、パラメータ設計のための実験、非動特性のパラメータ設計、非線形システムのパラメータ設計、入出力が測れない場合のパラメータ設計、エネルギー比型SN比
第3部
応答曲面法
応答曲面法の概要、応答曲面推定のための計画、応答局面の解析
第4部
ロバスト最適化
単目的最適化、多目的最適化、パ レート解、ロバスト最適化
品質工学のツール的側面であるパラメータ設計を、実験計画法や応答局面法、最適化法などと関連付けて知識を整理しておくのは重要である。
本書は「JUSE‐StatWorksオフィシャルテキスト 」と副題がついているように、JUSE‐StatWorksの最新版であるVer.5を使いこなすためのテキストである。本Ver.でははじめてエネルギー比型SN比が搭載されたが、本書にも1節を割いて、エネルギー比型SN比の説明がある。田口のSN比で問題になるケースを解説し、エネルギー比型SN比を1つの解決策と説明した書籍としては初めてである(これ以前には、長谷部光雄氏「開発現場で役立つ品質工学の考え方」にも少し紹介された)。
著者の一人である立林和夫氏が、品質工学誌(Vol.19、No.2(2011))にもエネルギー比型SN比に関する解説”「品質工学で用いるSN比の再検討」に関する議論”を寄稿していただいているのでそちらも参照してほしい。何か正解かはともかく、まず自分でSN比の意味や数理を吟味してみることが重要である。
0 件のコメント:
コメントを投稿