2013/02/17

ビッグデータの活用で日本の課題解決を

 受験対策でいろんな本を読んでいるが、面白い本で出会った。日経文庫「ビッグデータ・ビジネス」(鈴木良介著)だ。

 近年、世の中の多くの仕組み(業務システム、消費者用サービス等)の電子化、自動化が進み、またセンサ類の多様化、小型化、低廉化にともない、膨大な電子データが蓄積されている。これらの大規模なデータ(ビッグデータ)を解析、活用することで、多様なサービスの提供や、新しい需要の掘り起こしなどに応用されている。

 面白いと思ったのは、第6章の社会課題の解決への応用である。本書には以下のように例示されている。

●世界的な食料不足予測
●交通の予測
●経済危機発生予測
●走行データを使用した交通事故の抑制
 (衝突防止システム、急ブレーキは多い地点の割り出し、
  保険料への反映による安全運転への動機付け、等)
●犯罪可能性の高い時間、地点への予測と警官の重点配備による犯罪対策
●モーションキャプチャ技術を用いた万引きの発見、予防
●自殺を示唆する情報からの予防  など

 このようなビッグデータの活用により、さまざまな社会問題の解決につなげることができそうである。もちろん、品質工学のMTシステムへの応用が非常に期待される分野である。

 品質工学会でも「大きな課題への応用を」とよく言われている。データの収集など難しい面は抱えているが、上記のような切り口が新しい研究開始の一助となれば幸いである。

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