2017/09/15

原低開発の落とし穴

 品質工学活用の入門のステップで、機能性評価(機能の安定性評価)を勧めている。とりわけ、経営層に手早く成果を見せる必要のある、導入初期(ボトムアップ)の段階では、原低(コストダウン)の開発に有用である。

 原低した結果、従来品と比べて性能(エネルギー変換効率など)や品質(機能の安定性、SN比)が悪くなっていないことを、開発設計の上流で見える化するわけである。

 ここで注意しなければいけないのが、従来品の品質にマージンありとして、SN比が下がってもよしと判断できるかどうかである。従来品(仮にクレームゼロとしよう)において、スペックにうたっていない過剰部分は、ユーザにとって暗黙の期待になっている場合が多々ある。これは製品上のスペックは同じでも、○○社製の製品は安心して使える、少し無理な条件でも使える等を意味する。

 したがって従来品でクレームがないからと言って、安易にスペックに現れない部分のマージンを削ると、「前製品では使えていたのに、動作しない」等のトラブルになることがあるのでので、注意が必要である。どのような品質レベルが必要とされるのかは、品質企画の問題で、VOCや市場・競合調査からメーカの責任で決めなければならない問題である。

株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

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