化学系でパラメータ設計があまり使用されていない理由の1つとして、目的特性(薬効やその安定性)について制御因子間の交互作用が大きいことが挙げられる(他にも、シミュレーションの実験がしにくい等の課題もある)。
化学系の制御因子に交互作用が大きいのは、それが生成物の目的特性を決める直接の因子でなく、作業者が直接操作できる因子(操作因子)になっているためである。具体的には原料や添加物の種類やその組成、それらの調合順序、反応温度、反応時間等である(図の青マル)。
生成物の目的特性を決める直接の因子は、生成物の官能基などの構造である(図の緑四角)。したがって、生成物の目的特性を得るためには、このような「本当の制御因子」を見つける必要がある。本当の制御因子が分かれば、その因子の水準値を得るための具体的なアイデアを創出する手がかりになる(化学系の場合、どんな操作因子を使えばよいのか等)。
このような「本当の制御因子」をシステマチックに探しだす方法がある。リコーの細川氏が提唱したCS-T法である。詳しくは文末のリンクを参照されたい。CS-T法ではこの「本当の制御因子」のことを「現象説明因子」といっている。
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