2010/09/21

気になる報文「データ空間の観点からの基本理論に関する考察」

QES2008でエネルギー比型SN比に関する「新SN比の研究(1)~(5)」を発表したあとに、QES2000で発表された、「データ空間の観点からの基本理論に関する考察」(クラレ田中善喜ら)を発見した。筆者のHPも見つけた。
http://www1.megaegg.ne.jp/~tanakaqeq/

例によって学会では全く議論されていない。これが数学的な厳密な議論なのか、はたまた著者の提案や独創の類なのかはよくわからない。(キーワードである”不偏データ空間”、”変動保存原理”などをGoogleで調べても全くヒットしない)

読み取れた要旨は以下:田口のSN比の分子には-Veの修正項があるためSN比がマイナスになる場合があり、SN比の定義に反する。この矛盾は、変動の分解を異なるデータ空間にまたがって行っているためで、”不偏データ空間”を導入すると、そこでは不偏SN比が定義でき、その分子からは-Veが消える。結果的にSN比は、β^2/VN のような形で表され、-Veが消える。また動特性と静特性のSN比を同一の原理で論じることができる。

β^2/VN=Sβ/nr/VN と考えるとこれは20世紀型のSN比である。21世紀型では分子をnrで除して Sβ/VN=Sβ/{SN/(nk-1)} となるのであろう。さらにデータ数の影響が出る分母の自由度nk-1を補正すれば、Sβ/SNというエネルギー比型SN比になる。

エネルギー比型SN比の説明において、上記理論で-Veが基礎的な部分で解消できるのであれば面白いと思うのであるが・・・。

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