2018/01/19

2種類の誤りがある場合のデジタルSN比とオッズ比は同一(2)

(前投稿からのつづき)
SN比は、分離システムの評価であるので、原料比yA:yBの変動に影響を受けてはならない。ここでは簡単なデータ例で検証してみよう。

液体Aは、有効成分yA1:有害成分yA2=9:1に、気泡Bは有効成分yB2:有害成分yB1=5:5に分離できる品質をもったシステムを考える。このとき、下記のように原料比が変わったとする。

Case1
                                    排出口#1 排出口#2
液体A yA=100    yA1=90   yA2=10
気泡B yB=100    yB1=50   yB2=50

Case2
                                    排出口#1 排出口#2
液体A yA=100    yA1=90   yA2=10
気泡B yB=10      yB1=5     yB2=5

オッズ比ηT’’、デジタルのSN比ηTaとも、真数部に(yA1/yA2)*(yB2/yB1)をもっているので、分離品質yA1/yA2とyB2/yB1(9:1と5:5)が一定であれば、原料AとBの比が変化しても、SN比は不変である。

オッズ比
Case1  ηT''=10log[(90*50)/(10*50)]^2=10log81  (db)
Case2  ηT''=10log[(90*5)/(10*5)]^2=10log81  (db)

デジタルのSN比
Case1  ηT''=10log[(90*50)/(10*50)]^(1/2)=10log3  (db)
Case2  ηT''=10log[(90*5)/(10*5)]^(1/2)=10log3  (db)

いずれのSN比も、原料比yA:yBの違いによって、品質評価の影響を受けない。

次の投稿で、経済性について考えてみよう。

品質工学(タグチメソッド)のコンサル・研修・セミナー・講演のことなら
株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

0 件のコメント: