今年の2次試験の筆記試験の合否発表が今月末とのことで、本格的な口答試験の対策は合否が出てからという方も多いだろう。下名の場合、昨年の社内での口答試験講座(模擬面接等)が筆記試験の前に開催されたので、筆記試験の結果も気にしながらの準備になっていたのだが。
さて、口答試験の具体的な話は11月以降にするとして、その心がけとして、業歴や事例などの「説明」で失敗しないための5つの要因(出展はリー・ラフィーヴァー著「わかりやすく説明する練習をしよう。 伝え方を鍛える コミュニケーションを深める」の紹介記事)について紹介し、口答試験との関係を論じよう。これは、口答試験にかぎらず、ビジネスや家族との会話でも役に立つだろう。
※もちろんこのブログの説明のしかたも、大いに改善の余地あり!
1.”知の呪縛”にとらわれていないか?
要するに、すでにある知識を持っている人は、その知識のない人の視点に立つのが難しいということ。
面接官(大学の先生やコンサルタントが多い)は、受験者の経歴書は事前に読みはするが、基本的には詳細の固有技術や受験者自身の体験については素人である(たとえ、当該技術部門の技術士であっても!)。
2.賢く見せようとしていないか?
優秀な人材ほど陥りやすい罠だ。説明において重要なのは、自分が賢いことを示すことではなく、あるアイデアを得て自分が賢くなった、と相手に感じさせることである。
知識があることを示すのではなく、課題をどういう視点で切り取り、どのような複数の代替案からどういう分析をへて、最適な提案を行ったのか。失敗経験においてはそこから何を学んだのか。
3.「内輪の用語」を使っていないか?
業界でしか通じない言葉は、仕事をスムーズに回すために必要だが、1.”知の呪縛”の原因にもなりうる。
同じ経営工学部門の技術士でも、「機能」「品質」「損失」「最適」などの意味や捉え方が異なる可能性が高い。
4.「効率」を求めてはいけない
説明で求められるのは正しい答えでも、簡潔な事実でもない。聞き手が新しい段階へステップアップするための「手助け」が求められている。効率的に説明しようとすると、聞き手が理解すること自体をあきらめてしまうことが多い。
しかし、口答試験においては確かに時間の制約があるので、丁寧な説明ができないことがある。そこで第一の質問に簡潔に答え、その呼び水になるような第二の質問が来るようにしよう。相手の興味を引き、自分の土俵で相撲が取れるようにするのである。第一の質問の答え方を間違うと、聞き手は理解できず(または受験者の知識や能力が低いと感じ)、受験者を詰問する流れになり、試問は厳しいものになる。
5.あなた自身の知識は十分か?
アインシュタインは「簡単に説明できなければ、十分に理解したとはいえない」と語った。
受験に際して、関連する事項は十分に理解を深めておくことは、口答試験を乗り切るのに必要なだけでなく、技術士になってからも役に立つのである。
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