2006/01/28

思い込みからの脱却

情報は集めるものではなく選別するものである。
この情報化時代には、すでにいかにも古臭い文句に聞こえるが、これを自戒するのは相当難しい。
要は、「思い込み」というのが、やみくもに情報を集めている者にとっては厄介なのである。
(もちろんここで言う「やみくもに情報を集めている者」とは一因子実験や因果関係の追及を無計画に行っている者のことである)。
いや、自分には思い込みなどない、客観的事実に基づいて判断している、という技術者、研究者もいるだろう。では、以下を自問自答してほしい。

1)自分の認識や予測を裏付ける結果に注意がいく。
2)その使い方が普通だと思い込む。
3)最初に観察したもの、あるいは最新のものをより信頼する。
4)たまたま知っている人(権威)の意見を重視する。
5)大きな問題にはそれなりに大きな原因があるはずだと考える。
(出展「ソフトウェアテスト293の鉄則(Cem Kaner他)」より抜粋)

「思い込み」は誰にでもある。大切なことは、まず思い込みについて学び、気づくことである。
あとは訓練次第ということであるが、こと技術開発に関しては、品質工学における実験結果は、技術者本人の能力や浅はかさを突きつけるよい教師になるのではないか。強制的で均質な直交表による実験の組み合わせや、定量化されたものさし、結果としてのばらつきであるノイズ・・・随所にそのヒントが隠されている。

0 件のコメント: