2012/05/13

原理主義と機能主義

「これじゃなきゃダメ」というのが原理主義である。
「使えるものがこれしかないなら、これで何とか折り合いをつけよう」というのが機能主義である。

原理主義者は「リソースは無限である」ということを前提にして、至純にして最高のものを求める。
機能主義者は「閉じ込められた世界、有限の時間、限られた資源」の中で、相対的に「よりましなもの」を求める。

(中略)「なまもの」を扱っている人はだいたい機能主義者になる傾向がある。

(中略)「原理は分からないけど、現に治るんだから、それでいいじゃないか」
これは典型的な機能主義的な態度である。

以上、内田樹「こんな日本でよかったね」より。

 品質工学が言っていることは、いわゆる科学的な方法に比べれば、かなり機能主義的で、現実の課題(=なまもの)を扱うときには当然の態度なのだが、品質工学の言葉の枠組みで話す方々の一部には、非常に原理主義的な態度の方もおられる(それが必ずしも悪いということではない)。
 
 理想論もヴィションとしては必要で、品質工学における便利な道具としての機能主義的な部分と、理念としての原理主義的な部分をうまく止揚させて、「本当に”使える”品質工学」を構築していかなければならない。

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