2017/01/21

滋賀県品質工学研究会で講演(エネルギー比型SN比)

 去る1月17日(火)に、滋賀県品質工学研究会(滋賀県工業技術総合センター主催)にお呼びいただき、著書「エネルギー比型SN比~技術クオリティを見える化する新しい指標」の内容を約3時間で講演しました。

 SN比というと一見、数理や計算の話で難しいと思われるかもしれませんが、本講座ではグラフを用いて感覚的に従来の問題や、エネルギー分解の方法を理解できるようにしました。その結果、SN比は数理や計算が重要でなく、技術的な機能やノイズが重要であること、エネルギー比型SN比を使用すれば従来のあらゆる問題に対応でききること、などを得心いただけたようです。さいごには、非常にたくさんのご質問をいただき、理解が深まったとのご評価をいただけました。エネルギー比型SN比を使うと、研修やコンサルティングでの理解が全く違うことを実感しています。

 またある参加者の方には「いつもの研究会は寝てしまっていたが、今回はずっと面白く、もっと聞きたいと思えるほどでした」「これまで本を読んでももやもやしていたが、今日の話ですっきりした」とのうれしいお声をいただき、講演してよかったなと感じた次第です。懇親会、2次会とお誘いいただき、大変有意義な時間を過ごさせていただきました。ありがとうございました。

 ご参考までに、講演の要旨を下記に示します。講演時間を適宜調整したり、演習を入れたりもできます。

1.機能性評価とSN比
 ・市場不具合の85%が設計責任
 ・後になるほど高くなる修正コスト
 ・悪魔のサイクル
 ・品質工学とは「いいものを速く・安く作るための評価・設計技術」
 ・信頼性試験に潜む、3つの壁
 ・早く・速く、市場での品質の実力が分かればよい
 ・なぜ飛躍的短時間で評価が行えるのか
 ・めざす開発プロセス
 ・品質工学習得の基本方針
 ・機能性評価の使いどころ

2. SN比とはなにか
 ・有効エネルギーと有害エネルギー
 ・SNとは何か~SN比が良い例と悪い例
 ・SN比を活用することでできること、メリット

3. 従来SN比の問題点
 ・従来のゼロ点比例SN比の考え方(SN比は入力の-2乗の単位をもつ)
 ・信号の大きさが異なるとSN比が公平に比較できない
 ・入力信号の大きさが異なる場合の例
 ・従来の非線形標準SN比の考え方(座標変換)
 ・データ数が異なると、SN比が公平に比較できない
 ・入力信号の水準数が異なる場合の例
 ・従来はSN比の種類によって計算方法がばらばら
 ・従来は計算が複雑(自由度、偶然誤差Veへの分解)

4. エネルギー比型SN比
 ・エネルギー比型SN比とは
 ・出力をほしい有効成分と、ほしくない有害成分に分けて比をとる
 ・エネルギー(2乗和)分解の計算イメージ
 ・通常の計算は、全2乗和と有効エネルギーだけ
 ・簡単な例題
 ・著書付録のツールで計算できるSN比(標示因子、不ぞろい)
 ・エネルギー比型SN比では静特性も同じ
 ・例題によるエネルギー比型SN比の効果の検証

講演スライドの一部(数式をグラフで理解する)


5.(補足)知っておきたい機能の区別
 ・エネルギー変換機能と、制御的な機能
 
株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)

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