2006/02/02

健康診断の間隔

お遊びと思ってお付き合い願いたい。

人の健康診断も品質管理と同じなので、適切な健康診断間隔というものがあるはずである。現在、筆者は若いころからもともと血圧が高めなので、重大な病気にかからないように(早期発見のために)2週間に1回の診察と薬の処方を受けている。
(こう書くといかにも不健康そうに見えるが、日常は至って健康である。何事も前始末が肝要ということだ。)

オンライン品質管理で適切な診断間隔を見積もってみる。

A(機能限界外損失)[円/単位量]は、製品と違い命は1つしかないので単位量で見積もるのが難しいのだが、重大な病気の発見が1日遅れた場合の平均ロスとする。発見が遅れて1年で発症し、その場合の損失(治療費や不便など)を2000万円とすると、1日遅れた場合平均のロスは、
A=54800[円/日]

B(診断コスト)[円/回]は、診断料5600円(保険非適用:社会的に誰かが負担しているので)+通院コスト(手間、時間)2000円=7600[円/回]。

C(調整コスト)[円/回]は、重大な病気の注意信号(管理限界)が出た場合の精密検査コストで、C=5[万円/回]。

l(計測タイムラグ)[単位量]は、注意信号がでてから精密検査の結果が出るまでの時間で、l=10[日]

u(平均異常間隔)[単位量]は、注意信号が10年に1回として、u=3650[日]

最適診断間隔nは、  n=√[2B(u+l)/(A-C/u)]=32[日]

となり、現在の診断間隔(14日)は過剰(約2倍の頻度)という結果になった。
損失コストの差分は、  L(n=14)=819[円/日]  L(n=32)=649[円/日]生涯40年での損失の差分は、248万円となる。

この額だけ見ると大きいようだが、診断間隔を変更した場合の40年間の診断料の節約分は1580万円なので、それで差し引き248万円しか変わらないというのは、現在の間隔でも発症による損失とかなりの部分が診断費用と相殺されているようだ。
見積もった値の精度や、実際は保険が適用されて診断料が安いことなども考え合わせると、大切な命のことなので安全側に見積もって、現在の診断間隔でもあながち外れてはいなのかなと感じた次第である。

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