2010/07/25

【今日の言葉057】

 田口玄一著「田口メソッドわが発想法」を約10年ぶりに再読した。以下、気になったメッセージを抜粋しておこう。(その1)

● 要は「自由の生産性の追求」に役立つかどうかなのである。(p.13)・・・人は自由であらねばならない。それが私の信念だ。(p.36)
●私の考えを実証する1つの例として「現在ベル研究所で、一番困っている問題をお手伝いさせてほしい」と、強く申し入れた。「最初の一歩」を踏み出させるためには多くの労力を要する。関係者を納得させて、かなり複雑な実験をさせなければならないからだ。(p.21-22)
●(昭和44年、海軍水路部の仕事で、)星の位置からどれくらいの精度で航空機の位置が確認かできる実験を行うため(中略)・・・最小二乗法に強い興味をもった。(中略)・・・「誤差の絶対値ではなく、なぜ誤差の二乗なのか」という疑問が頭の中に残った。これが後に「損失関数」という考え方に発展する。(p.33-34)
●(厚生省の衛生統計課のお仕事で)参考にする文献もない中で、手探り状態で導き出す作業の連続である。知識が試されるのではなく、実際問題に対する応用力が求められたといってもいい。そうした経験を重ねる中で、「何でも来い」といった自信めいたものが生まれていった。(p.41)
●私はサイエンティストを目指すのではなく、技術に寄り添って生きていきたいと強く考えるようになる。(p.44)
●(ベル研がワイヤーリレーの開発に失敗したのは)お客の使用条件、使用環境や試用期間を誤差条件(ノイズ)と考え、それらへの対策を考えたテストを行わなかったからだと断言できる。(p.66)

(その2に続く)

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