田口玄一著「田口メソッドわが発想法」より。その4です。
●(フォーラム・学会の設立にあたり、)市場品質に関係のある機能の確実性に対する工学だけにしぼるべきだということで品質工学という言葉に決まりました(p.211)
●議論もどちららが正しいかではなく、どちらが効率が良いかで討論してほしいと思います。(p.211)
●日本の企業を見ていると、技術者にたくさんの仕事を与え、会社が要求した仕事を行わせている。結果的に、行われているのは創造的技術の開発ではなく、要求した通りの物を作るための製品開発なのである。技術を開発するためには基本的に自由がなければならないことを、日本の経営者は肝に銘じる必要がある。もちろん、自由には責任がともなうことを忘れてはならない。(p.225-226)
●生産性があがれば、部分的に失業者が増えるのは自明の理なのだ。ただし、失業者に新しい仕事を与えることが前提条件である。(p.226)
●研究部門のマネジメントの仕事は、個々の設計や生産技術を担当するのではなく、テーマ選択と広い範囲の開発研究に役立つ方法を担当者に与えることである。(p.228)
…ふう、200数十ページの本1冊にこんなに示唆に富むメッセージがこめられていました。11年前の著書ですが、現在でも輝きを失うどころか、今まさに日本の製造業が直面している問題をずばり言い当てているように思います。
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