田口玄一著「田口メソッドわが発想法」より。その2です。
●日本の企業が海外へ生産拠点を移すことに、私は否定的な考えを持っている。…日本国内より条件が悪い海外では、生産速度のアップによる生産性向上は望むべくもないからだ。安易な海外進出は自社従業員の解雇につながる(p.74)
●信用できるかどうか不明確な一因子実験の情報で物をたくさん作ってしまって失敗している事例は枚挙にいとまがない。…直交表には二つの目的がある…第1の目的は下流条件への再現性の計算である。第二の目的が、外側に割り付けた因子との交互作用を求めさせて制御因子の主効果を用いさせないようにする効果で、それによって安定性の評価の妥当性を確保するのである。(p.97,99)
●シャノンやフィッシャーの論文に接して、通信理論の概念を直交表を使った実験計画法に移植することを思いついた(p.119)
●デジタル通信でのSN比をどのように計算するかの計算方法を明らかにした上で、通信の世界で定義されているSN比をもっと広い範囲で使うべきだとも述べた。(p.121)
●(ヒ素ミルク事件やカネミ油症事件のように)まったく予測できないことから発生するのが重大な公害問題であり、品質問題なのだ。予測できない問題は、技術では防ぐことができない。そうした予測できない問題を担当するのが、本当の品質管理部門の責務だと私は考えている。(p.131-132)
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