「設計品質」という言葉を筆よく使います.しかし,さまざまな人がいろんな文脈で使用するため,設計段階で確保すべき品質なのか,設計者の品質なのか,設計プロセスのしくみの品質なのか….さらに「品質設計」という言葉まで飛び出してくるので,頭がこんがらがります.ちなみに「設計品質」の定義 を調べると,以下のように記載されています.
「品質特性に対する品質目標(JIS Q 9025).製造の目標としてねらった品質.ねらいの品質ともいう.(中略)また,実現された品質を製造品質あるいはできばえの品質という」
設計品質は「ねらいの品質」というので,お客様の期待を反映して何を設計すべきかという,企画の内容を指していることになります.それと対比させて「できばえの品質」は,上記の設計品質をねらって製造した,製品の実際の品質ということです.製造段階では部品寸法や材料,作業などのばらつきがありますので,厳密に図面の中央値どおりには作れません.中には図面の公差範囲をはずれて不適合品(工程内不良品)もでてきます.できばえの品質を測る指標として,不適合品率(工程内不良率)があります.
設計品質についてもう少し掘り下げましょう.製造は「設計した」結果である図面にしたがって,その通りに部品や製品を作ります.指定された図面や,検査規格などにもとづいて,前記の「できばえの品質」を管理します.では,その「設計した」図面は正しいのでしょうか.これにも品質があります.上記の設計品質(ねらいの品質)には,まず「設計すべき」ものが正しいかどうかの品質を指しています.市場調査や製品企画で決められる目標ですね.上記のJISの定義はこれを表しています.(つづく)
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