さいごは「時間の壁」。信頼性試験のなかには、数千時間の試験時間が必要なものが多い。信頼性試験では使用段階の実時間(たとえば10年=87660時間)を「加速」という考え方を使って、数百~数千時間に短縮しているにも関わらずだ。
そもそもなぜこんなに長い試験時間を必要とするのだろうか。「数の壁」のところでも述べたが、信頼性試験では寿命や故障(率)を対象にする。つまり品質を定量化するためには、寿命が来るまで、つまり故障するまでの試験が必要なのだ。ある購入電子部品では、従来は10,000時間以上の試験を実施していた。時間がかかっても合格すれば次のステップに進めて報われるが、試験の結果不合格になるとどうだろうか。もう一度部品の選定をやりなおしたり、設計を変更したりして、また長時間の試験を実施する必要がある。
設計変更や修正を速く行って、短時間に品質を確保したい設計・開発の現場にとっては、このような時間のかかる試験を設計・開発段階で繰り返し実施することはできない。したがって、ここでも何か工夫をして、短い試験時間で品質をチェックする方法が必要となるわけだ。
まとめると、開発・設計の初期段階で用いる品質チェックの方法として、信頼性試験に代わる、「使用段階の条件を模擬した複雑な条件で」「少ないサンプルで」「短時間で」実施できるような新しい品質のチェック方法が求められている、ということが理解できたかと思う。この方法論については、また別の記事で詳しくひも解いていきます。
株式会社ジェダイト(JADEITE:JApan Data Engineering InstituTE)
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