2.2. 従来のSN比の課題(1) ~信号の大きさによる影響~
図表2.1.1から分かるように、ばらつきσの大きさは傾きβだけではなく、出力の大きさそのものにも影響を受けるため、入力信号Mの大きさは、比較対象間でそろえておかなければならない。SN比
1/(σ2/β2)=β2/σ2
の次元を考えると、
[y2/M2]/[y2]=[1/M2]
であるので、従来のSN比は入力信号Mの-2乗の次元をもっている。
したがって、入力信号が2倍になると、SN比は1/4小さく表示されることになる。機能の安定性の尺度となるばらつきσの変化率が同等でも、SN比の表示値が、入力信号Mの大きさ(範囲)によって変わってしまうことは、従来SN比使用上で留意しておく必要がある。
したがって、入力信号が2倍になると、SN比は1/4小さく表示されることになる。機能の安定性の尺度となるばらつきσの変化率が同等でも、SN比の表示値が、入力信号Mの大きさ(範囲)によって変わってしまうことは、従来SN比使用上で留意しておく必要がある。
次節以降に示す課題も含めて、従来のSN比で使用上の留意点があることはあまり知られていなかった。比較対象間で入力信号の大きさが異なるなどの場合(そうならざるを得ない場合)に実務上での対処方法は明示されておらず、「技術者が自己責任で考えて対処すべきもの」として、各事例での個別判断にゆだねられていたと考える。
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