2017/03/13

エネルギー比型SN 比の解説④

2.4. 従来のSN比の課題(3) ~個別的な計算方法~
品質工学ではさまざまな型のSN比が広く用いられてきた。以下、主なSN比の分類を示す。

(1)静特性のSN比 ・・・主に品質特性の評価に用いる
(1-1)望小特性のSN
出力の大きさyの平均を誤差成分と考える。

 ---------------(2.4.1)


(1-2)望大特性のSN
出力の逆数1/yの望小特性と考える。

  ---------------(2.4.2)
(1-3)望目特性のSN
誤差分散σ2を、「1データあたり(1/n)の平均の変動Sm-Ve」で除したものを誤差成分と考える。
-------------(2.4.3)


(1-4)ゼロ望目のSN
 平均値からの偏差2乗和を誤差成分と考える。このとき平均値0に調整(校正)可能で、誤差成分の大きさの校正にも用いないので、SN比には出てこない。

---------------(2.4.4)


(2)動特性のSN比 …主に機能の安定性の評価に用いる

(2-1)ゼロ点比例式のSN
2.2で述べたとおり、入力M-2乗の次元[1/M2]をもつ量である。


-------------(2.4.5)

(2-2)標準SN

2.3で述べたとおり、誤差変動の自由度(nk-1)に比例する量である。

  -------------(2.4.6)

これらのSN比は、問題の性質や目的、対象、データ形式などによって、異なるSN比がケースバイケースで用いられる。これについても、各事例での個別判断にゆだねられていたと考える。







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